「転職をしたいけれど、自分には誇れるようなスキルや実績がない」そんなお悩みを抱えていませんか?自分に自信がなかったり、自分が活躍できる職場がわからなかったりすると、転職をしたいという想いを持ちつつも、なかなか動けずに諦めてしまうことがあるかもしれません。逆に、何とか転職しようと躍起になってとにかく数多くの求人に応募をして、なかなか選考が通過せず落ち込んでしまったり、転職はできたものの、結局仕事が合わずに後悔してしまうケースもあります。
転職においては、自分の可能性と諦めずに向き合い、意思を持って道を切り開いていくことが大切です。この記事では、自分自身の強み、可能性を見出し、自分に合った転職先を見つけるための方法を解説します。

目次

1. 転職市場におけるスキルと経験の重要性

スキルや経験があった方が転職が有利なのは言うまでもありませんが、世の中には「未経験歓迎」の求人もたくさんあります。しかし、未経験歓迎の求人に応募する場合も、実はスキルや経験がとても大切なのです。まずは、このセクションでは転職市場の現実をお伝えしつつ、自分のスキルや経験と向き合うことの大切さについて解説します。

1.1 スキルを活かすのが転職の鉄則

「経験やスキルがない」と悩む方に対して厳しいことを言うかもしれませんが、転職においては、培ってきたスキル・経験を活かして次のキャリアに繋げていくのが鉄則であり、その前提を理解することが重要です。
自分の経歴に自信がないと「どんな仕事がしたいか」ではなく「どんな仕事なら応募できるか」「どこの企業なら受け入れてくれるか」という観点での仕事選びになってしまい、未経験歓迎の求人など、採用要件が低く見える求人ばかりを探してしまうかもしれません。しかし、「未経験歓迎」と書かれている求人であっても、企業は求職者の適性や入社後の活躍の可能性を慎重に検討しながら採用の判断をしています。そこに合致しない場合は、未経験歓迎と書かれていても選考で不採用になる可能性は十分にあります。
たとえスキルや経験を問われないとされる採用であっても、企業に対して入社後の活躍の可能性を示すために、自分がこれまでどのような経験をしてきたか、どんなスキルを持っているのかをアピールすることは非常に重要です。

1.2 「手当たり次第に応募すること」の危険性

転職することが目的化してしまうと、自分の経歴で応募できる求人に数多く応募し、選考が通過した中から候補を絞っていく転職活動を行う方もいると思います。そういった転職活動のやり方が決して間違っているわけではありませんが、戦略なく手当たり次第に応募を進めてしまうことには危険があり注意が必要です。
自分の経歴との合致性を考えずに応募を進めると、当然選考が通過する可能性も低くなり、不採用が続いてしまうことで、さらに自信を失ってしまう可能性があります。また、仮に応募した数多くの求人の中から内定を勝ち取り入社に至ったとしても、その企業への転職が最適な選択肢なのかといった検証が充分にできていないと、入社後に「思っていた仕事と違った」「働く環境が合わない」と感じるミスマッチを感じ、後悔してしまう可能性があります。

転職は採用されることがゴールではありません。自分のスキルや適性に合った職場で、長期的に成長できる環境を見つけることが本当の成功です。そのためには、手当たり次第の応募ではなく、まず自分自身をよく理解し、自分に合った転職先を見極めることが大切です。

1.3 自分に合った転職先を見つけるための方法

現時点で自分自身のスキルや経験に自信がなかったとしても、適切な転職を実現するためには、自分自身の経歴を振り返り、自分がこれまでの経験で何を培ってきたのか、棚卸しをして明確にしていくことが不可欠です。やみくもに転職活動を行う前に、まずは自分自身のことを客観的に見つめ直すことで自分にはどんな特性があるのかを理解し、どんな職種や環境であれば自分の特性を活かしながら活躍できるのかを見定めることで、転職先を選ぶ基準を築き上げていきましょう。

2. 自分では気づきにくい「スキル」の棚卸し

「自分にはスキルがない」と感じる人であっても、実は自分の強みに気付いていないケースが多いです。このセクションでは、そうした隠れたスキルを棚卸しする方法について考えていきます。

2.1 スキルがない」と感じる理由は?

「自分にはスキルがない」と感じる理由にはいくつかの原因が考えられます。

  • まだ就業経験が浅く、スキルの習得に至っていない
  • 誇れるような実績がなく、自分に特別なスキルが備わっていると思えない
  • 与えられた仕事をこなしていただけで、スキルが身に付いた実感が持てない

このように、仕事を通じて手ごたえや充実感を得られていないと、自分にはスキルがないと感じてしまうかもしれません。一方で、その自己評価は本当に正しいのでしょうか?もしかしたら、自分の能力を正確に把握できていないだけかもしれません。あなたが取り立ててアピールする必要はないと感じている経験や、備わっていて当たり前だと感じているスキルでも、求人企業がそれを求めている可能性もあります。だからこそ、自分を客観的に見つめ直し、どんなことができるのか振り返ることが非常に大切です。

2.2 「スキル」の種類

スキルと一口に言っても、その種類には幅があります。多くの人は、スキルと聞くと専門的な知見や特別な技術(テクニカルスキル)を思い浮かべがちですが、実際にはもっと広い範囲でスキルを捉えることができます。特にどの業界や職種でも役立つ「ポータブルスキル(汎用スキル)」と呼ばれるものは、なかなか備わっている自覚がしづらいですが、キャリアを超えて活かすことができる重要なスキルです。

  • テクニカルスキル
    特定の業務や業界で必要とされる専門的なスキルを指します。例えば、プログラミングや会計知識、特定のソフトウェアの操作スキルなどがこれに当たります。これらのスキルは、業務遂行に直結するため、すぐに成果が見えやすいという特徴があります。
  • ポータブルスキル
    ポータブルスキルは業界や職種に縛られず、あらゆるビジネスシーンで役立つスキルです。例えば、コミュニケーション能力、問題解決能力、マルチタスク処理力、リーダーシップなどがこれに該当します。これらのスキルはなかなか自覚しづらいかもしれませんが、長期的なキャリアの形成に貢献する重要な要素です。

多くの人は、自分のポータブルスキルに無自覚な傾向がありますが、転職市場ではこうしたスキルが非常に評価されることもあります。特に未経験分野への転職を目指す場合はポータブルスキルがアピールポイントになることが多いです。

2.3 スキルの棚卸しの方法

スキルの棚卸しとは、これまでの業務経験や日常の行動を振り返り、自分が培ってきたスキルを明確にしていく作業です。スキルといっても、目立つ実績や専門的な知見だけが重要なわけではありません。日々の業務の中で、できなかったことができるようになった経験や、無自覚に発揮している特性からもスキルが見えてくるはずです。

「最初はできなかったことができるようになった」経験を振り返る

まず、成長の視点からスキルを棚卸しする方法です。日々の業務の中で、少しずつ成長してきたことが必ずあるはずです。以下のような些細に感じる経験も、立派なスキルとしてアピールできます。

  • 接客業でお客様への対応が自然にできるようになった
    最初はぎこちなかったかもしれませんが、何度も繰り返すうちにお客様の要望を的確に把握し、丁寧に対応できるようになった経験がありませんか?これは、コミュニケーションスキルや状況把握能力の向上を示しています。
  • 資料作成でWordやExcel、PowerPointが使いこなせるようになった
    初めは簡単なレイアウト作成やデータ入力しかできなかったが、現在では複雑な関数を使ったExcelの表計算や、PowerPointで効果的なプレゼン資料を作成できるようになった。それも立派な成長であり、スキルの習得です。PCスキルは業務によって使用するソフトや機能も変わるので、人によってレベルに差が生じやすいポイントです。もしかしたらあなたのPCスキルがある職場では重宝される可能性も十分にあります。
  • 日々の業務を効率的にこなせるようになった
    時間管理が難しかったころに比べて、今はより少ない時間で業務を終えることができるようになったと感じていませんか?これは、効率的な業務遂行能力が身についている証拠です。

こうした「最初はできなかったことができるようになった」という経験こそ、スキルの成長を示すものです。これらをリストアップし、できるようになったことに目を向けていくことで、自分に備わっているスキルを再確認できます。

本来備わっているポータブルスキルを発見する

一方で、ポータブルスキルは無自覚に発揮していることが多く、意識していない特性が実は強みとして備わっていることもあります。こうしたスキルを棚卸しするためには、以下のような視点で自分の過去の行動や他者からのフィードバックを振り返ってみましょう。

  • 他人から感謝されたことや評価されたことを振り返る
    過去に同僚や上司、顧客から「助かりました」「ありがとう」と感謝された経験はありませんか?そのとき、どのような行動をとっていたかを思い出してみましょう。例えば、チームメンバーの業務を調整してサポートした経験があれば、あなたには協調性やサポート力が備わっているといえます。
  • 自然に行っていた行動に目を向ける
    自分では当たり前にやっていることが、実は他の人には難しかったり特別だったりすることがあります。たとえば、仕事の段取りをスムーズに進めることが得意なら、それはタイムマネジメント力が高い証拠です。また、誰かが困っているときに自然と手を差し伸べる行動は、コミュニケーション力やチームワーク力の現れです。
  • 他人のフィードバックを参考にする
    周囲からフィードバックを受けたことがあれば、それがあなたの無自覚な強みを示しているかもしれません。たとえば、「いつも冷静に対応できるね」と言われたことがあれば、それはストレス耐性が高いという評価に繋がります。他人から見た自分の姿を、自己評価の材料に加えてみましょう。

このように「最初はできなかったことができるようになった」経験や、無自覚に発揮しているスキルに目を向けることで、あなたの中に眠っている強みを発見することができます。これまでの成長や他人からの評価をしっかり振り返りながら、スキルを棚卸ししていきましょう。そうすることで、自己肯定感を高め、自信を持って転職活動に臨めるはずです。

3. 自己分析の重要性とコツ

スキルの棚卸しを通じて自分にできることを自覚できたとしても、それだけでは不十分。理想の転職を実現させるためには、自己分析が欠かせません。自己分析を通じて、自分が何を望み、どのような環境で活躍できるのかを知ることで、転職後のミスマッチを防ぐことができます。このセクションでは、自己分析の重要性とその具体的な進め方について紹介し、自分に合ったキャリアを見つけるための準備をサポートします。

3.1 自己分析はなぜ重要か?

自分に備わったスキルが明確になったしても、そのスキルを軸に転職先を選んでしまうと、前述のように、転職後のミスマッチに繋がる可能性があります。なぜなら、そこには自分が新しい職場で本当に何を実現したいのか、そしてどのような職場であれば自分らしさを発揮できるのかといった観点が欠けているからです。たとえスキルが活かせる職場に転職したとしても、自分の意志や価値観がその職場と合致していなければ、早期に退職したり、不満を抱えたまま働くことになる可能性があります。

スキルの棚卸しを通じて自分に何ができるかを明確にすることは非常に重要ですが、それと同時に、自己分析を行い、自分が何を望んでいるのか、どのような働き方をしたいのかをはっきりさせるも大事な転職のプロセスです。

3.2 自己分析の具体的な方法

自己分析を通じて、自分の転職の目的や方向性を明確にするためには、以下のプロセスを経ることが有効です。まずは、自分自身に対して質問を投げかけ、次にその回答を元に自分のキャリアの「軸」を定めるステップを踏んでいきます。

転職の目的を明確にする

最初に、自分がなぜ転職を考えているのか、その根本的な理由を明確にします。以下の質問に答えることで、転職の目的を具体化していきましょう。

  • なぜ転職をしたいと思ったのか?現職での不満が原因か、新たなチャレンジを求めているのかを整理します。たとえば「現職では成長の機会が少ない」と感じている場合、成長できる環境を求めているという目的が明確になります。
  • 次の転職で実現したいことは何か?キャリアアップ、ワークライフバランスの改善、新しい業界での挑戦など、どのような結果を求めているのかを考えます。
  • 理想の働き方とは何か?自分がどういう働き方を理想としているかを明確にしましょう。たとえば、フレキシブルな働き方やチームワークを重視する職場、あるいは裁量が大きい仕事を求めているのかなどを確認します。

自己評価と強みの分析

次に、過去の経験や評価を基に、自分の強みや特性を分析します。これは自分の転職先を選ぶ軸を定めるために不可欠です。先に挙げた質問に答えたあと、以下のプロセスを踏んで自己評価を行いましょう。

  • 過去の成功体験を振り返るこれまでのキャリアで一番達成感を得られた瞬間や、周囲から高く評価された経験を思い出し、それがどのようなスキルや特性を活かして達成されたのかを考えます。たとえば、チーム内でサポート役を務め、スムーズにプロジェクトが進行した経験があれば、協調性やサポート力が強みであることが分かります。
  • 苦手な業務や不満に感じた点も振り返る一方で、これまでに苦手だった業務や、うまくいかなかった経験も振り返りましょう。何が自分に合わなかったのか、何が原因で不満を感じたのかを理解することで、次の転職先で避けたい要素が見えてきます。たとえば、職場のコミュニケーションが乏しくそれをストレスに感じていた方であれば、転職先を選ぶにあたって、社風や人間関係も大事な要素になると思います。

キャリアの「軸」を定める

これまでに振り返った自己分析の結果を基に、自分が次に選ぶべきキャリアの「軸」を定めます。この軸を持つことで、転職活動の中で迷わずに進むことができ、ミスマッチを防ぐことができます。

  • 自分の強みと職場環境の一致を見つける自己分析の結果、自分の強みが見えてきたら、その強みが発揮できる環境を考えます。たとえば、メンバー間の調整やサポートを得意とするのであれば、チーム全体のサポートを行いながら進捗管理ができる役割が適しています。
  • 価値観と企業文化の一致を重視する仕事の内容だけでなく、企業文化や価値観の一致も重要です。たとえば、チームワークを重視する人が、個人プレーが求められる職場に入ると、ミスマッチが生じる可能性が高くなります。自己分析を通じて、自分の価値観や求める職場文化を明確にしておきましょう。
  • 短期的な目標と長期的なキャリアプランをつなげる最後に、次の転職が短期的なキャリアアップの手段であるだけでなく、長期的なキャリアプランにどうつながっていくかを考えます。短期的なゴール(例:スキルアップ、年収アップ)と、長期的な目標(例:特定の役職に就く、自己実現を達成する)を意識してキャリアの軸を決めることが、後悔しない転職を実現するカギとなります。

自己分析を通じて、これまで気づかなかった自分の強みや価値観が見えてくることで、より自分に合った転職先を選ぶ軸が定まります。スキルの棚卸しと自己分析を組み合わせることで、培ってきた経験・スキルと共に自分らしさを発揮できる職場と出会うことが、転職活動における大切なことです。

4. 求人の探し方とミスマッチを防ぐためのポイント

ここまで実践してきたスキル棚卸しと自己分析を、どのように活かすか。転職活動を成功させるためには、単に条件の良い求人に応募するだけでなく、自分のスキルや価値観に合った職場を見つけることが重要です。このセクションでは、ミスマッチを防ぎ、納得のいく転職を実現するための求人の探し方を解説します。

4.1 スキル棚卸と自己分析をもとに、転職の軸を定める

まずは、スキル棚卸と自己分析を通じて、自分の強みや価値観を明確にした上で、転職の軸を定めることが大切です。転職の軸とは、自分が転職で何を重視するのかという指針のことです。例えば、スキルアップを目指すのか、ワークライフバランスを大切にするのか、どのような社風や業界で働きたいのかを明確にします。この軸が定まっていれば、求人を選ぶ際に迷うことが少なくなり、転職後のミスマッチを防ぐことができます。

具体的な方法:

  • 自分のこれまでの経験から、どんなスキルが活かせるかを確認
  • 転職先に求める条件や理想の働き方をリストアップ
  • 自分の価値観や目指すキャリアに合致した求人を探す

4.2 条件に合致する求人をチェックする

転職の軸が定まったら、それに基づいて求人情報をチェックしていきましょう。求人サイトや企業のホームページでは、多くの募集が公開されていますが、条件が良さそうに見える求人でも、細かく確認することで自分の軸に合わないものが見えてくることがあります。

求人票を見る際に確認すべきポイントは以下の通りです:

  • 仕事内容: 自分のスキルや経験を活かせる内容か、またはチャレンジしたい分野であるか
  • 雇用形態・待遇: 正社員か契約社員か、給与や福利厚生、昇給の可能性などが自分の希望と一致しているか
  • 勤務地・勤務時間: 通勤時間やリモートワークの可否、働き方の柔軟性が自分の生活スタイルに合うか
  • 社風や企業理念: 企業の掲げる価値観が、自分の価値観と調和しているか

これらの要素を自分の転職軸や優先順位に照らし合わせながら、条件に合致する求人をピックアップしていきましょう。

尚、求人を探す際は、転職サイト毎の特性や機能を理解しておくと、より効率的な活動が可能となります。
多くの転職サイトは「職種」や「業種」をもとに検索を行うことができるので、自身のスキルや志向からやりたい仕事が絞れている場合は、職種や業種で検索をおこなうことが有効です。また、サイトによっては「未経験歓迎」「土日休み」「リモート有」といった特定条件で求人を探すことも可能なので、転職の目的に応じてこういった機能を使うこともお薦めです。また、近年は「Indeed」のようなキーワード検索によって求人を探す、求人検索エンジンも増えています。転職先に求める条件が言語化できるものであれば、それをキーワードに探す方法もあります。
その他、「企業理念」など価値観を軸にお仕事を探す場合は、企業のパーパスやカルチャーを表現することに特化した「Wantedly」などの求人サイトもお薦め。
このように、転職の目的や重視したいポイントによって転職サイトの使い方や選び方も変わってくるので、色んなサイトに触れてみながら、自分に合った転職活動のスタイルを見つけてみてください。

4.3 求人企業の情報を収集する

気になる求人をいくつか見つけたら、企業の情報をさらに詳しく調べていきます。企業の公式サイトや採用サイトが主な情報源となりますが、より詳しく調べるのであれば、代表者のインタビューや、SNS、社員の口コミサイトなどを探してみましょう。これらの情報源を通じて、企業の価値観や組織風土、働き方や制度などを把握していきましょう。

情報収集のポイント:

  • 企業の歴史やミッション: 企業の理念や事業内容、長期的なビジョンが自分の価値観と合致しているかを確認
  • 働き方の実態: 残業時間や有給取得率などの具体的数値や従業員の声をもとに、働き方の実態をチェック
  • 成長機会: 教育制度やキャリアパス、評価制度などを把握し、自分の望むスキルアップやキャリア成長が実現可能かどうかに注目
  • 業界の将来性: 業界のトレンドや企業のポジションを理解し、長期的に成長が見込める企業かどうかを検証

こうした情報を集め、自分の転職の軸に照らし合わせることで、より現実的な転職先の選択が可能になります。

4.4 面接を通じてより深く企業を理解する

面接は企業が求職者を一方的に評価する場ではありません。求職者も企業のことを深く理解した上で職場環境を評価し、そこで働くべきかどうかを検証していくことが大切です。面接において企業に好印象を与えられるよう振る舞うことも大事かもしれませんが、そこに縛られ過ぎず、積極的に質問をしたり働く上での不安や懸念を正直に伝えたりといったことも行いながら、相互理解を深め、要望をすり合わせていくことが大切です。

4.5 転職エージェントなど外部サービス活用のススメ

転職活動を進める上で、転職エージェントやキャリアカウンセラーなど、外部の専門家のサポートを受けることも有効です。転職エージェントは、個々の求職者のニーズに合った求人を紹介してくれるだけでなく、キャリア相談や応募書類のアドバイス、面接対策なども行ってくれます。

転職エージェントを活用するメリット:

  • スキルの棚卸しや自己分析のサポート
  • 定めた転職軸に合わせた求人企業の紹介
  • 応募企業の詳しい内部情報の提供
  • 書類添削や面接対策などの選考フォロー
  • 応募企業との各種調整や交渉

スキルの棚卸しや自己分析では、自分自身を客観的に見つめ直す必要があります。自分のことは自分が一番わかっているつもりでも、他者からの評価と自己評価には意外と乖離があるもの。そんな乖離を解消し、自分自身を正しく見つめ直す意味でも専門家のアドバイスを受けるのは有効な手段です。これらのサービスの多くは無料で相談ができるので、ぜひ転職活動に悩みがあるときは、気軽に利用してみてください。

5. まとめ

誇れるような実績やスキルがないと自信が持てない方でも、適切なアプローチによって自分の経歴や価値観を見つめ直すことで、自覚することができなかった自分の魅力に気付くことが出来るもしれません。後悔のない転職を実現させるためには、スキルの棚卸しと自己分析を行い、自分の強みと転職の軸を明確にしていくことが大切です。現時点で強みや軸が見つかっていない方も、時には第三者の手も借りながら、焦らずに自分の軸やそれに合った職場を探してみてください。あなたの転職が、次のステップで輝くキャリアに繋がることを応援しています。