「今よりもいい職場に転職して年収アップさせたい!」
転職を考えている人であれば誰もが多かれ少なかれ考えることだと思います。
実際に、転職関連の情報に触れていると年収アップの事例は多く目に留まり、それを動機に転職活動を行う方も多いことでしょう。

しかし、本当に転職によって年収アップは実現できるのでしょうか?
また、あなたにとって年収を上げることはどれくらい大事なことでしょうか?
転職市場を正しく理解しつつ、理想の自分をしっかり持っていないと、数字に振り回され、最適な転職に繋がらない恐れがあります。

今回は転職における年収との向き合い方を考えていきたいと思います。

年収は業界・企業・スキルの3つの要素で決まる

転職をすれば必ず年収が上がるということはなく、むしろ下がる可能性もあります。
まずは、どんな要素によって年収が決まるかを正しく理解することが大事です。
年収が決まる要素は「業界」「企業」「スキル」の3つと言われています。

業界要素

成長産業であれば、業績も伸びており、事業拡大に向けて人材への投資を行う傾向も強いので、収入は平均的に高くなります。
たとえば少子高齢化が進む中、ヘルスケアを担う医療分野、人手不足を解決する人材分野、
業務の自動化・効率化を実現するIT分野などは成長分野と呼ばれており、社会的ニーズによって業界の成長ポテンシャルも大きく変わります。

また、利益率の高い業界では、平均年収も上がります。
専門性の高さや、担う役割の大きさ、有形商材か無形商材かなど、ビジネスモデルが違えば利益率も変わります。
たとえば、専門知識を用いてビジネスに上流から携わり、モノを保有せずノウハウを提供するという点でコンサルティング業界や金融業界は利益率も良く、年収も高い傾向にあります。

企業要素

同じ業界の中にある企業でも、組織体制や業務フローが変われば利益率も変わりますし、評価制度や労働分配率が違えば、給料の上り幅や上げる方法も変わってきます。

たとえば、同じ仕事でも、一人による一気通貫型で行うか、複数人による分業型で行うかで、
得られる成果や生産性、利益率などは異なります。
また、得られた利益をどれくらい社員に還元するかや、何を頑張れば給料がアップするかなどは、企業の思想や経営方針によって変わる部分です。

評価制度や労働分配率などはなかなかオープンにならない部分だと思うので検討は難しいかもしれませんが、従業員数や売り上げ規模、仕事内容の詳細、大事にしている価値観や社員の行動指針(クレド)など、興味を持った企業であればホームページや求人情報から情報を拾い、想像を膨らましてみるといいかもしれません。

スキル要素


当然ながら専門性の強いスキルは希少なので、高く評価する求人企業も多く、必然的にオファー年収も高くなります。

顕著なのはITや建設のスキル。
DX推進や公共インフラの改修など、社会的に強く求められているにも関わらず、スキルの保有者が希少なため、専門スキルがある方は高額オファーによる転職が実現するケースが多いです。

また、いわゆる「ポータブルスキル」と言われる、どんな環境でも活かすことができるビジネススキルも転職市場で役に立つ傾向が強いです。
仮説思考や交渉力、集団をまとめる力などは、どんなビジネスシーンにおいても求められる能力。
このようなスキルを保有していると、組織内での立ち位置や役割も明確にイメージできるため、企業から重宝され、高額オファーに繋がる可能性が高まります。

数字に捉われず、自分にとっての最適解を考えよう

ただ漠然と「年収を上げたい」とだけ思って転職をしても、上手く行かない可能性が高いです。
目先の収入の上がり下がりに捉われず、何を手に入れるための転職なのかを考えましょう。

キャリアチェンジの場合は、収入ダウンになることも

先述の通り、年収は業界、企業、スキルという3要素の掛け合わせで決まりますが、キャリアチェンジとなると、業界知識やスキルではなく、ポテンシャルに期待を込めた採用となるため、給与提示は新卒初任給 + α程度の提示になることがほとんどです。
転職先の業種や企業次第で収入が上がることもありますが、スキル・経験の積み上げがない若手の転職ではあまり年収アップに期待しすぎない方がよいでしょう。

額面に捉われない

給与額は転職を考える上で大事な要素ですが、求人情報は総合的に見ていくことが大切です。
たとえば、給与自体はそこまででも、住宅手当、家族手当、資格手当など、福利厚生が充実している企業であれば、そのような要素で収入をカバーできる可能性があります。
また、残業代を含め給与額が高まっているような場合もあり、自分が望むワークライフバランスが取れるかどうかも考慮していく必要があります。
求人情報は、転職後の自分の生活をイメージしながら、なるべく隅から隅まで眺めてください。

何のための転職かを考える

年収や休日日数といった数字は求人を見る上での大事な数字ですが、そもそも「何を実現するための転職なのか」は常に念頭に置き、軸をブラさないことが大切です。これを忘れてしまうと数字に左右されて本来の目的を見失い、転職を実現できたとしても「思っていたのと違う…」という後悔が残る恐れがあります。

現状改善したいのは、収入なのか、成長スピードなのか、人間関係なのか、ワークライフバランスなのか…。
それを改善した先にどんな生活があるのか。

転職は自分の現実と理想を埋めるための手段です。
それを埋める要素は何なのか、ぜひ転職活動中は常に考え続けていきたいことです。

自分に合った年収UPを考える

収入はお仕事を考える上で大事なもの。
生活をより豊かにしていくために収入を上げていきたいのは当然のことであり、自身の成長や成果に対して収入が見合っていなければ、働く意義も感じられません。
だからこそ、ただ数字だけを捉えるのではなく、社会人としての成長と収入UPを持続的に実現できる環境ややり方を見つけることが大切だと思います。

株式会社トーコンでは、キャリアに関するご相談を承っております。
あなたの長期的なキャリア形成、持続的な成長に向けて、一人ひとりの志向性や適性に合わせた転職サポートをご提供いたします。
ぜひお気軽にご相談ください。