転職活動を進める上で、多くの人が頭を悩ませているのが「職務経歴書の作成」。
履歴書と比べると自由記入の項目が多く、文章力や情報を整理する力が必要となるため「どう書けばいいかわからない」と悩む方も少なくありません。また「アピールできるような経歴がない」「経験が浅くて書くことがない」など、自分の経歴に自信がない場合は、そもそも何を書けばいいのかわからないと思います。

この記事では、職務経歴書が書けないとお悩みのあなたに、その原因に合わせた具体的な対処法を紹介し、書類のクオリティに自信を持てるようになるためのステップを解説します。

目次:

1. そもそも職務経歴書とは?まずはその役割を理解しよう

職務経歴書は、履歴書では伝えきれない業務内容や成果、仕事に向き合うスタンスや価値観を企業に伝えるための重要な書類です。特に中途採用では、職務経歴書を通じて過去の経験やスキルが企業の求めるものと合致しているかが重視されます。このセクションでは、職務経歴書の基本的な役割や、企業が注目するポイントを解説し、なぜそれが重要なのかを明確にします。

1.1 職務経歴書の役割

履歴書では企業の在籍歴などを示すことが出来ますが、そこで日々どんな仕事に取り組んできたか、内容を詳細に伝えることはできません。それを補うのが職務経歴書の役割。履歴書に書かれた在籍企業の中で、日々どんなことに取り組んでいたのかを具体的にイメージできるように、職務経歴書の内容を整えていきます。また、お仕事をする中では、意識してきたことや想いを持って取り組んできたこともあると思います。そういった仕事に向き合うスタンスや価値観も示しながら、あなたの社会人としての人間像を伝えていくのが職務経歴書です。

1.2 企業が職務経歴書で見るポイント

企業は職務経歴書を通じて、あなたの経験・スキルのレベルや仕事への姿勢が、自社の求める人物像と合致点がありそうかどうかを判断します。その合致点は募集するポジションによって様々。優秀な実績があるからといって必ずしも求人企業のニーズに合致するとは限りません。また、目立つ実績や特別な経験がなかったとしても、あなたの日々の業務経験がその企業が求めるものであったり、仕事に向き合うスタンスが企業の大事にしている価値観と合致しているものであったりすれば、評価に繋がる可能性もあります。企業が見たいのはあなたの社会人としての等身大の人間像です。職務経歴書を作成する際は、自分を過小評価して経歴を控えめに書いたり、逆に過大評価して誇張して書いたりすることをせず、等身大の自分を伝えるつもりで、作成に臨んでください。

2. 職務経歴書の基本的な書き方

職務経歴書は通常、次の5つの要素で構成されます。

  1. 職務要約
  2. 職務経歴
  3. 活かせる経験・知識・技術
  4. 資格
  5. 自己PR

フォーマットによっては若干の違いがあるかもしれませんが、一般的にはこのような構成が求められます。それぞれのセクションについて、詳しく解説していきます。

2.1 職務要約

職務要約は、あなたのキャリア全体を短くまとめたものです。どの会社でどのような職務に就き、何年程度その職に携わってきたか、そこでどんな成果を上げてきたかを、3~4行程度を目安に簡潔に記載します。後に続く職務経歴のパートで具体的な業務内容や実績、取り組みなどを詳細に記載するので、ここではあくまで全体像を伝えることに徹しましょう。特に、複数の企業を経験した、幅広い業務を経験してきた方であれば、そこに一貫したテーマやポリシーがあればその関連性が伝わると良いでしょう。あなたが社会人としてどんな道を歩んできたのか、そのストーリーを伝えるイメージで作成してみてください。

伝えるべきポイント:

  • キャリアの流れ:社会人スタートから現在に至るまでのキャリアの流れを時間軸に沿って簡潔に伝えます。
  • 在籍企業の事業や自分の役割:どんな企業で何をしていたのかを、読み手がイメージしやすいように伝えます。
  • 実績や取り組み:売上や成績、もしくは意識して取り組んできたことなど、その業務における実績を伝えます。
  • キャリアの変遷:昇進や転職など、キャリア変更があれば、背景にも触れつつ説明します。

記載例:

20XX年、○○大学卒業後、ITソリューションを提供する株式会社○○に入社し、法人営業職として従事。新規顧客開拓を中心に営業活動を行い、入社2年目で売上目標を150%達成。社内表彰を受ける。その後、更なる成長機会を求め20XX年に株式会社○○へ転職し、主にBtoBマーケットの大手企業向け営業を担当。顧客ニーズに合わせた提案営業を行い、年間契約数を20%増加させた。20XX年に営業リーダーに昇格し、チーム全体の営業戦略を策定しながら、メンバーの育成に注力。プレイヤーとしても成果を上げ、チーム全体の成績向上に貢献している。

2.2 職務経歴

職務経歴では、各職場での経験を具体的に説明します。以下の3点に焦点を当て、詳細に記述しましょう。

  • 企業情報:在籍している(していた)会社の社名と在籍期間を記載します。従業員数や事業内容なども併せて記載すると、どんな会社に在籍していたのかがより明確に伝わります。
  • 会社での役割やミッション:配属部署の詳細や、そこでどんなミッションを与えられ、日々どのような業務を担当していたかを記載します。たとえば、営業職であれば、取り扱った商品やターゲットとした顧客層、営業手法などを具体的に説明すると、より具体的な仕事のイメージを伝えることが出来ます。
  • 実績と成果:成績や達成率、プロジェクトの成功など、定量的に評価できる実績を強調します。具体的な数値情報があれば、それも必ず記載しましょう。数値目標がない仕事や、アピールできるような実績がない場合は、仕事を行う中で取り組んできたことや、自分の関わりによる職場の変化、お客様や社内の評価などを記載しましょう。
  • 成果を達成するための工夫:その実績を達成するためにどのような工夫をしたか、どのような困難を克服したか、なぜその取り組みを実践したのかなど、そこに行きつくまでのプロセスも記述します。背景となる情報やその時の自分の想いを明記することで、あなたの仕事に対する姿勢や取り組み方が伝わります。

2.3 活かせる経験・知識・技術

ここでは、あなたが持つスキルや知識をリストアップします。仕事を通じてできるようになったことや、自己研鑽により身に付けたスキルを振り返ってみましょう。
尚、「スキル」というと専門的な技能や知識をイメージされる方もいるかもしれませんが、スキルには業界や職種に特化した専門スキル(テクニカルスキル)と、あらゆるビジネスシーンで役立つ汎用的なスキル(ポータブルスキル)の2種類があります。自分のスキルに自信がない方もこの2つの観点で自分のスキルを見つめ直してみてください。

テクニカルスキルの例:

  • 業界知識
  • 専門ツール・ソフトウェアの使用経験
  • 市場理解 など

ポータブルスキルの例:

  • マネジメント力
  • 論理的思考力
  • 企画力 など

2.3 資格

取得している資格をリストアップし記載します。応募求人に関わりがある資格があれば明確なアピールポイントになりますが、一見応募求人とは関係ないような資格であっても、記載しておくことで、知識習得に意欲的な姿勢を示すことが出来たり、「なぜその資格を取ろうと思ったのか」といったように読み手が興味を持つきっかけになったりする可能性もあります。

2.4 自己PR

自己PRは、あなたの強みや特性を効果的に伝え、応募企業に自分がどのように貢献できるかを示す重要なセクションです。これまで記載してきた職務経歴やスキルをもとに、応募企業にどのように貢献できるのかをアピールします。活かせる強みや特性を最初に強調し、実績や成果を交えて1〜2つのエピソードを短くまとめて伝えることが出来れば、より説得力が高まります。もし、募集ポジションにて求めている人物像と自分自身に合致する部分があるのであれば、それを重点的にアピールすると効果的です。

自己PRの例①:

潜在ニーズにアプローチする営業力

私は、顧客の潜在ニーズにアプローチする営業力を重視し、顧客との信頼関係を構築することを心がけてきました。前職では、主に法人向けのITソリューションを提供する営業職に従事し、新規顧客開拓を中心に活動してきました。1社1社の顧客に対して、徹底したヒアリングを行い、潜在的な課題やニーズを把握することで、顧客に最適な提案を行うことを心掛けてきました。その結果、ある大手製造業のクライアントで、大規模なソフトウェア導入プロジェクトを成功させ、年間契約額を150%達成することができました。この成果により、社内でも営業表彰を受けることができました。さらに、営業リーダーとしてチーム全体の営業戦略を立案し、メンバーの育成にも注力してきました。個々のメンバーの強みを活かした戦略を実施することで、チーム全体の成績向上にも貢献しています。今後は、私の顧客対応力とリーダーシップを活かし、貴社の新規市場開拓や既存顧客との関係強化に貢献したいと考えています。

自己PRの例②:

着実な業務遂行力

私は、仕事に取り組む上で、正確さと着実さを大切にしています。特に、チームがスムーズに業務を進められるようにサポートする役割を意識し、日常業務に取り組んできました。

前職では、事務職としてデータ入力や書類整理などの細かな業務を担当していましたが、ミスなく確実にこなすことでチームの業務効率を高めることに貢献してきました。例えば、繁忙期には先を見越して必要な準備を整え、全メンバーが本来の業務に集中できる環境作りを率先して取り組みました。この結果、チーム全体の仕事がスムーズに進むようになり、上司や同僚からも「サポートが助かっている」と感謝の言葉をいただくことができました。

私は、目立つ役割や大きな成果ではなく、裏方としてのサポート力やコツコツとした仕事の積み重ねを強みにしています。今後も、この着実さを活かして、貴社の業務をサポートし、チームの生産性向上に貢献していきたいと考えています。

3. 職務経歴書が書けない4つの原因と具体的な対処法

職務経歴書がうまく書けないという悩みには、いくつかの共通する原因があります。ここでは、その代表的な4つの原因を取り上げ、それぞれに対する具体的な対処法を解説します。

3.1 原因①:アピールできる実績がない

「目標を達成した」「売上を●●%伸ばした」「社内で表彰された」といったわかりやすい実績があれば、職務経歴もアピールしやすいかもしれません。しかし、そういった実績がなく、職務経歴書に何を書けばいいのか悩む方も多いでしょう。ですが、企業が職務経歴書で確認したいのは、あなたの社会人としての「等身大の姿」です。仕事を通じて経験してきたこと、挑戦してみたことを振り返り、それを丁寧に伝えることが大切です。

具体的には、以下のポイントを意識してみてください。

会社のことや自分の役割を丁寧に伝える

どんな事業を行っている会社で、自分がどんな役割を任され、日々どんな業務を行っているのか、その意味や背景などを伝えるだけでも、あなたの貢献を相手にイメージさせることができます。当たり前のことのように思えるかもしれませんが、この基本ができていない方も意外と多いです。たとえば、優秀な営業実績を持つ方が「目標に対して200%の利益を達成しました」「誰よりも早く昇格しました」とだけ書いたとしても、どんな業界でどんな商材を扱っていたのか、営業スタイルはどうだったのか、新規顧客と既存顧客の割合はどのくらいか、さらには周囲の営業メンバーがどれくらい目標を達成していたのか、といった前提情報がなければ、その実績を正しく評価することはできません。
まずは前提となる情報を正確に伝え、読み手と目線を揃えることが重要です。そうすることで、企業も正確な判断ができるだけでなく、自分の役割や経験を客観視できていることや、丁寧に情報を伝える配慮がなされていることに魅力を感じ、好印象を持つ可能性があります。

自分なりにこだわってきたことを伝える

仕事の中で自分が特にこだわってきたことがあれば、ぜひ振り返ってみてください。仕事をしている中で楽しさを感じた瞬間や、夢中になって取り組んだことがあれば、それはあなたが強くこだわっていた部分かもしれません。たとえば、日々のルーティン業務でも「もっと効率的にできる方法はないか?」と常に考え、改善策を模索していたことや、チームの一員として周囲をサポートし、一体感を大切にして仕事を進めていたことも、十分に誇れるこだわりです。また、顧客とのコミュニケーションにおいて「信頼関係を築くため、細やかな対応を心がけた」といった姿勢も、自分の価値観や仕事への取り組みを伝える素晴らしいアピールポイントとなります。

こうした姿勢やこだわりは、たとえ小さなことでも、あなたの人柄や誠実な働き方を企業に伝える大切な要素です。大きな実績に結びついていなくても、日々の取り組みや楽しさを感じた瞬間を振り返ることで、あなたの価値観や働き方の強みをしっかりとアピールすることができます。企業は、こうした積み重ねから得た経験やスキルにこそ注目しています。

課題や問題を起点に自分の成果を振り返る

仕事をする中で、何らかの課題や問題に直面することは珍しくありません。思い当たることがあれば、ぜひそのことを振り返り、その時、自分が問題にどう対処したのかを思い出してみてください。その経験を伝えることが出来れば、あなたの問題解決力や適応力をアピールできる可能性があります。

たとえば、自分がいる部署の業務が忙しく、仕事が回っていない場面があったとします。その時に、業務改善を提案し全体の生産性を向上させた、チームメンバーの連携不足を感じ積極的に他メンバーと話し合った、率先して業務を引き受け他メンバーをフォローした、といったエピソードがあれば、その事象から課題解決意識の高さや、問題解決力などを示すことができます。

また、その課題と向き合う姿勢からあなたの仕事に向き合うスタンスをアピールすることが出来ます。そのスタンスが企業の求める人物像に合致すれば、あなた自身はアピールするほどの実績ではないと考えていたとしても、企業にとっては評価点となるはずです。

3.2 原因②:職務経験が浅い

「入社歴が浅く、実績と呼べるものがない」「アルバイト経験しかなく、正社員としての仕事の経験がない」など、職務経験が浅いと感じている方は、アピールできる内容が少ないと不安に思うかもしれません。しかし、企業が職務経歴書を通じて判断したいのは、あなたが入社後にどのように活躍できるかです。つまり、職務経験が浅くても、入社後の成長や貢献の可能性を示せれば、高い評価を得られるかもしれません。そこで重要なのは、わずかな経験でも、その中で何を学び、どのように成長したのかを丁寧に伝えることです。

まず、短い経験であっても、「どのような業務を担当していたか」「その業務を通じて何を学び、どう成長したか」を具体的に整理することが大切です。たとえば、配属されたばかりであっても、研修期間中に学んだことや新たに習得したスキルを伝えることで、学習意欲の高さや職場環境への順応力をアピールすることができます。

確かに、職務経歴が長ければ、それだけ多くの経験を積む機会がありますが、大事なのは経験の長さではありません。重要なのは「経験から何を学び、それが今どのように活かされているか」「あらゆる課題にどう対応し、どんな結果を出したか」です。自分なりの視点や努力を具体的に伝えることで、職務経験が浅くても、信頼感や成長意欲をしっかりとアピールできるはずです。

3.3: 原因③:経験や内容が整理できない

総合職として多岐にわたる業務を経験していたり、転職を通じてあらゆるポジションを経験してきた方の場合、どの経験をアピールすべきか迷い、すべての内容を詰め込んでしまうことがあります。しかし、あれもこれもと盛り込みすぎると、読み手にとっては焦点がぼやけてしまい、結果的にあなたの強みが伝わりにくくなってしまいます。

まずは、自分のキャリア全体を振り返り、「自分が今後どのようなキャリアを築きたいのか」を明確にすることが大切です。その上で、そのキャリア目標に照らし合わせて、どの経験がアピールすべき要素なのかを選び取ります。たとえば、キャリアチェンジを目指している場合には、これまでの職務経験の中で「新しい職種で活かせるスキル」に焦点を当てることで、読み手にとってより関連性の高い内容に絞り込むことができます。

例:

Before:
「総合職として、営業、マーケティング、人事、そして経理まで、さまざまな業務を経験しました。それぞれの部署で日常業務をこなし、必要なサポートを提供してきました。」

After(営業/マーケティングのキャリアを伸ばしていきたい場合):
「総合職として、営業、マーケティング、人事、経理の各部門で業務を経験しました。それぞれの部門で成果を上げつつも、特に強みを発揮できたのが、マーケティングと営業です。マーケティング部門では、デジタルキャンペーンを主導し、Webサイト訪問数を30%増加させ、営業では新規顧客の開拓を担当し、年間売上を前年比120%まで拡大しました。

After(バックオフィスのキャリアを伸ばしていきたい場合):
「総合職として、営業、マーケティング、人事、経理など幅広い業務に携わってきましたが、特にバックオフィス業務において、自分の強みを発揮できると感じています。人事部門では、新卒・中途採用の書類選考から面接設定までのフローを見直し、全体の処理時間を20%短縮しました。また、経理業務では、月次決算や予算管理を担当し、正確な財務報告を通じて経営陣の意思決定に貢献しました。これらのバックオフィス業務での経験に加え、営業部門では顧客対応の重要性を学び、マーケティング部門ではデータを活用した戦略的な判断力を身に付けました。これらの経験から、他部署との連携や全体的な業務の理解を深め、バックオフィスの役割として、より効果的に会社全体のサポートができると感じています。」

このように、自分が軸としてこれから伸ばしていきたいキャリアに焦点を絞った自己PRを行うことで、読み手に自分のキャリア形成における意志を伝えることが出来ます。

3.4: 原因④:文章作成に自信がない

文章を書くのが苦手だと感じる方も多いですが、職務経歴書は「読み手にわかりやすく伝える」ことが一番大切です。高度な文章力や特別な書き方を求められるわけではありません。むしろ、シンプルで明快に伝わることが評価されます。

まずは、基本的なフォーマットやテンプレートを活用して、自分の職務経歴を整理してみましょう。形式が整うだけで、読み手にとっては視覚的に分かりやすくなりますし、書き手にとっても文章を書く際の心理的なハードルを下げることができます。本記事でここまでに記載してきた例文を活用しても構いませんし、ネット上を調べてみると、自分のシチュエーションに合ったテンプレート・例文を見るけることも可能です。

もし書き進めるうちに行き詰まったら、一度第三者に読んでもらい、感想をもらうことも効果的です。第三者の視点から「分かりやすいかどうか」を確認することで、自分では気づかない改善点が見つかることがあります。書くことに自信が持てない場合でも、丁寧に文章を整えることで、しっかりとした職務経歴書を作成することができます。

4. プロのサポートを活用しよう

ここまで職務経歴書作成のコツをお伝えしてきましたが、それでも実際に作成を進めていくと行き詰まることもあると思いますし、作成できてもその内容に不安を感じることもあるかもしれません。そんな時は、プロのサポートを活用するのも一つの有効な手段です。転職エージェントやキャリアコンサルタントは、職務経歴書の添削や棚卸しを手伝ってくれるため、書類の質を大幅に向上させることができます。

4.1 職務経歴の棚卸し

転職エージェントやキャリアコンサルタントを活用することで、まず行われるのが職務経歴の棚卸しです。棚卸しとは、これまでのキャリアや業務内容を整理し、自分自身の強みやアピールポイントを明確にする作業です。自分では気づかないスキルや経験の価値をプロの視点から見つけ出してもらうことができ、職務経歴書に反映させることが可能です。

たとえば、日常業務では当たり前のように行っていたことでも、企業にとっては非常に貴重なスキルである場合があります。そうした部分を掘り下げ、どうやって企業にアピールすべきかを整理してくれるのが職務経歴の棚卸しのメリットです。特に、実績や経歴に自信がなく、何をアピールすればいいのかわからない方にとっては、棚卸しを通じて新たな発見を得られる可能性があります。

4.2 書類添削

職務経歴書がある程度完成したら、プロによる書類の添削を依頼することも非常に有効です。書類添削では、文法や表現の改善だけでなく、どのように内容を強化し、より企業に響く職務経歴書に仕上げるかをアドバイスしてもらえます。特に、自分のアピールポイントや強みが的確に伝わっているか、企業が求める人物像に合致しているかをチェックしてもらうことが重要です。

書類添削のポイントは、「読み手にとってわかりやすいかどうか」、「具体的な成果や実績が明確に示されているか」、そして「あなたの個性や強みがしっかり伝わっているか」です。プロの視点から客観的なフィードバックをもらうことで、自信を持って提出できる書類を完成させることができます。

4.3 その他、転職の総合的なサポート

職務経歴書の作成だけでなく、転職活動全体に関わる総合的なサポートを受けることも大きなメリットです。転職エージェントやキャリアコンサルタントは、あなたの希望やスキルに合った求人の紹介や、面接対策、条件交渉のサポートまで幅広く行っています。特に、転職市場の動向や企業の内部事情に詳しいエージェントを活用することで、自分では見つけられない優良求人に出会えることもあります。

また、面接に向けたアドバイスや模擬面接の実施、さらに内定後の条件交渉や入社までのサポートを通じて、転職の成功率を大幅に高めることができます。プロのサポートを活用することで、自分の強みや経験を最大限に生かしながら、スムーズな転職活動を進めることができるでしょう。

5. まとめ

職務経歴書は、あなたの経験やスキルを企業に伝える大切な書類です。自分の経験を振り返り、アピールすべきポイントを整理することで、より効果的に自分を伝えることができます。たとえ実績が少なくても、成長や学びを丁寧に示すことで、企業にあなたの姿勢や可能性を伝えられます。書き進める中で迷った場合は、客観的なアドバイスを受けることも検討しつつ、自分の言葉で等身大の自分を伝えることを大切にしてください。