「転職」というキャリアの選択が一般的になっている昨今。
社会の動きに呼応するように人材紹介会社の数も増えており、転職サイトに登録をすると、たくさんのエージェントからスカウトを受け取るかと思います。
たくさん声がかかるのは嬉しいこと。
しかし、どのエージェントに頼るべきか、比較の基準がないと判断は難しいですよね。
一見すると違いも分かりにくく、人と人なので、相性が合うかどうかといった問題もあります。

そこで今回は、どの会社のどんなエージェントに相談するのがベストなのか、見るべきポイントや比較の基準について考えていきたいと思います。

紹介会社を選ぶ

人材紹介会社には企業によって様々な特徴がありますが、大きく分けると「大手 or 中小」「総合型 or 特化型」と切り分けることができます。
まずはそれぞれにどのような特徴があるか見ていきましょう。

大手か、中小か

大手紹介会社

大手の人材紹介会社で有名なのは、「リクルートエージェント」や「マイナビエージェント」など。
大手エージェントの大きな特徴は、企業規模も大きいため、それだけ求人案件もたくさん保有していることです。
求人案件が多ければそれだけ選択の余地があるということなので、応募できる求人も多くなります。

また、大手の場合、多くは面談を担当するキャリアアドバイザーと、企業に対する営業で分業体制を取っています。
これによりキャリアサポートにおいては安定した質を期待することができます。

中小紹介会社

大手と比較すると、中小紹介会社は案件数に限りがあり、応募できる求人は限られてくるかもしれません。
しかし、企業と独自のつながりを持っており、大手では紹介できないような案件を持っている場合もあるので、案件が少ないからといって一概に劣っているとは言い切れません。

また、大手が分業体制を取っているのに対し、中小の場合、一人のエージェントがキャリアアドバイザーと営業を兼ねている場合が多いです。
求職者、企業双方に対する理解が深いからこそ、マッチングの精度が高かったり、選考突破力も高かったりと、力を発揮する場合があります。

大手の方がムラなく安定的なサービスを受けられますが、痒い所に手が届くといった点で中小の方が力を発揮することもあり、一概にどちらが良いというわけではありませんので、どちらも利用してみた上で比較をしてもよいのではないかと思います。

総合型か、特化型か

総合型

総合型は職種や業種にとらわれず、幅広い求人を提案することが可能です。
幅広い求人を扱っているので、やりたいことが明確に定まっていない方や、業界・職種ではなく「成長志向」「ワークライフバランス志向」など、志向をもとに幅広く検討したい方には総合型があっているかもしれません。

特化型

特化型は職種、業界、年収帯など、特定の属性に特化した求人を扱っています。
やりたいことが明確にある方、経験を活かしたキャリアアップを目指している方であれば、特化型の紹介会社に相談をした方が話は早く、マッチングの可能性も高いかもしれません。

エージェントを選ぶ

エージェントサービスは人を介して成り立っています。
人と人なので相性の問題もあり、同じ紹介会社のエージェントであっても、人が違えばサービス内容や質も変わります。
自分のためになってくれるエージェントを選ぶために、最低限どのようなポイントを注意して見ればいいかを考えましょう。

1.キャリアについて幅広く相談をしてくれるかどうか?

エージェントとの面談を希望するといっても、その目的は人によって違うと思います。
「すぐにでも転職したいので、求人を提案してほしい」という人もいれば
「転職には興味があるけど、今すべきなのかわからない」という人もいるでしょう。

一方で、転職エージェントは企業に人を紹介することで利益を得るお仕事。
利益のことだけを考えるならば、一人でも多く、応募をさせて、入社させたいというのが正直なところ。

エージェントの仕事に就く方の多くは「人のためになりたい」という想いを持つ方が多く、目先の利益にとらわれることなく、すぐの転職ではなくてもフラットに悩みを聞いてくれる方が多いです。

しかし、中には利益重視で、こちらの気持ちが固まっていないのに転職ありきで話を進めようとするエージェントも。
迷っているときに背中を押すのもエージェントの役目ですが、こちらの気持ちを理解せずに、強引に話を進めようとしてくるエージェントには注意です。

2.人柄、価値観まで掘り下げて面談をしてくれるかどうか?

エージェントとの面談では、仕事の話以外にも、プライベートの話や学生時代の話、家族の話まで踏み込んで聞かれたり、一つ一つの事柄に「なぜ?」と深堀りされたりすることもあると思います。
もしかしたら「転職とは関係ないのでは…」と思うかもしれませんが、こういったインタビューはその人の根底にある価値観や適性を理解する上でとても重要です。

人柄や価値観まで深く掘り下げてインタビューを行うエージェントは、経歴やスキルといった側面だけではなく、企業理念や企業文化、社風といった側面でもマッチングするような求人を提案しようとしている可能性が高いです。

どんなに条件が良くても、考え方や価値観の合わない組織ではその人らしさを活かせない場合が多く、入社後の活躍には繋がりません。
入社が目的ではなく、入社した後も気持ちよくその会社で働いていけるか。
そういったことも見越して面談を行うエージェントは、信頼できると思います。

3.求人の提案に納得感はあるか

先述のように人柄や価値観まで掘り下げた面談がなされれば、「やってみたい」「面白そう」と思えるような、納得感のある求人の提案を受けられると思います。

しかし、表面的な希望のヒアリングやスキルの確認だけで面談が終わってしまうと、「とりあえず希望に合っている求人」「とりあえず応募ができる求人」の提案しか受けられません。

エージェントによっては、とりあえず応募可能な求人を大量に紹介して、片っ端から応募を促すような提案をすることもありますが、それでは、エージェントを使う意味はあまりなく転職サイトを見て自分で応募するのと変わりません。

エージェントの提案に納得感がないときは、「なぜこの求人を紹介しようと思ったのか」まで掘り下げて聞いてみて、そこに明確な意図があるかどうか確認をしましょう。

4.適切に連絡が取れるか

面談後、求人に応募を進める場合は、書類の作成や面接日の調整、面接対策など、エージェントとのやり取りも密になっていきます。
その際に、こちらの事情を考慮した上で適切な連絡が取れるかどうかも、話を進めていく上では重要になります。

たとえば、伝達事項の概要はメールで行い、電話可能な時間帯を把握した上で詳細は電話で伝達。
緊急性の高い連絡はメールだけではなく、着信とショートメールを残す。
こちらからの質問や要望に、すぐ返答を行う、など。

むやみやたらに連絡してくることもなく、連絡が滞ることもなく、適切な頻度、タイミングでやり取りができるエージェントはビジネスパーソンとして信頼を置くことができます。

逆に面談でいかに話しやすく印象が良くても、連絡のやり取りがうまくいかないエージェントだと、転職活動を委ねるにも不安が生じます。

決断をするのはあなた

エージェントサービスは、プロの知見を借りながら、自分では自覚できていなかった自分の適性・価値観を見つけたり、自分だけでは出会えなかった仕事と出会うのに有効なサービス。
転職エージェントはあなたのキャリア形成を後押ししてくれるパートナーのような存在です。

様々な提案をしたり、背中を押してくれたりしますが、最終的に決断をするのはあなた自身。

相手はキャリアのプロだとはいえ、主導権はあなたにあります。
後悔がない転職を実現させるためにも、エージェントに委ねるのではなく、エージェントをうまく利用しながら、自分の決断でキャリアを築いていきましょう。

株式会社トーコンでは、キャリアに関するご相談を承っております。
転職自体をゴールとせず、入社後の活躍も見据え、最高のマッチングを実現するために 転職活動をご支援いたします。
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