転職エージェントを利用すると、まず最初に「キャリア面談」が行われます。
しかし「キャリア面談」といっても、具体的にイメージが湧かない方も多いのではないでしょうか?

キャリア面談は転職エージェントとの面談を差します。
エージェントが求職者の希望や経歴を理解すると同時に、求職者がエージェントから求人の紹介やキャリアアドバイスを受ける場がキャリア面談です。

面談では、どのような流れで、どんな質問がされるのか?
面談前に準備しておくべきものはあるか?

今回は、キャリア面談が事前にイメージできるように、その内容と準備についてお伝えします。

キャリア面談の流れ

エージェントによって面談の形式は様々。
以前は対面面談が多かったですが、コロナ禍によって、電話面談、Web面談を主流とするエージェントが増えました。

面談の流れ、質問内容は変わるので一概に言うことはできませんが、以下のような流れが一般的です。

エージェントによる自己紹介

まずはエージェントの略歴や、会社・個人としての特徴、強みなど、簡単な自己紹介があります。

転職活動の状況のヒアリング

スピード感を持って転職活動を進めたいのか、じっくり検討したいのかといった意向を確認するために、転職意欲や活動状況(応募活動の有無、選考状況、何社くらい受けているかなど)についてのヒアリングがあります。

経歴のヒアリング

経験・スキルの把握はもちろん、人柄、興味関心、意思決定の軸、組織での立ち位置など、適性、志向性を理解するために、これまでの職務経験や人生の歩みについてインタビューがなされます。

希望のヒアリング

これまでの歩みを踏まえ、現在どのようなことに課題を感じているのか、次はどのようなキャリアを歩みたいのかを確認します。
職種や業種、収入など具体的な希望がある場合はもちろん、希望が定まっていない場合でも、転職の理由、動機をもとに次のキャリアについて考えていきます。

キャリアアドバイス

ヒアリングをもとに、転職市場の動向やキャリアコンサルティングの観点から、次にどのような一歩を踏み出すべきか、アドバイスを受けます。

求人の提案

キャリアアドバイスに即して、具体的な求人案件の提案を受けます。
その場で提案を受ける場合もあれば、キャリアアドバイスの結果を踏まえ、求人を探し、後日改めて提案を受けることもあります。

今後の進め方の確認

提案を受けた求人に応募する際の今後の流れについての確認や、追加面談の提案、今後の連絡手段など、次回のアクションを具体的に決めていきます。

面談前に準備しておくこと

面談に必要な準備は、紹介会社によって違います。
履歴書や職務経歴書の提出が必要な場合もあれば、何も準備がいらない場合もあります。
ただ、せっかく時間を割いて話を聞くのであれば、有意義な時間にしたいですよね。
そのためにはどのような準備をすればいいか、考えましょう。

相談の目的を明確にする

なぜエージェントとの面談を希望したのか、面談においてどんな話を聞きたいのか…
目的意識を明確に持って面談に臨むようにしましょう。

エージェントは企業と求職者のマッチングを行うことが仕事なので 、基本的には求人に応募をしてもらいたい、紹介した企業に入社をしてほしいと思っています。

しかし、あなたが面談を受ける目的は、必ずしも求人への応募だとは限らないはず。
「そもそも転職をするかどうか相談したい」
「転職市場の相場を理解して動き方を考えたい」
「 今の自分にどんなキャリアの選択肢があるのか把握しておきたい」
など、エージェントに求める要望は人それぞれ。

その要望をエージェントに伝え、目的の目線合わせをすることが大切です。
目線が合っていれば、話が目的から逸れてしまっても軌道修正することができますが、目的意識がないとエージェントが一方的に話を進めてしまい、興味のない求人に応募させられてしまうなど、望まない着地になることもあります。

目的も曖昧でどう説明すればいいかわからない場合は、素直に現状の悩みや転職を考えている理由などを伝えれば、エージェントもそれに合わせたキャリアアドバイスを提示してくれます。

受け身にならず、主体的に面談の方向性を示すことが重要です。

自分のことを話せるようにしておく

面談では仕事上の経歴や、プライベートのことなど、様々なことを聞かれます。
面談を行う前に、簡単で構いませんので、自分が仕事でどんなことをしてきたのか、生活において何を大切にしているのかなど、振り返ってみるといいかもしれません。

お仕事の紹介は、履歴書や経歴書だけを見て経験が合致すれば応募できる、というわけでもありません。
仕事に向き合うスタンス、価値観、生活との兼ね合い、人柄など、総合的に見てマッチする求人をエージェントは提案します。

そのため、自分という人間を分かりやすくプレゼンする力が高い人ほど、紹介求人も探しやすく、マッチングもしやすくなります。

面談においてある程度エージェントがリードしながらインタビューをするので、難しく考える必要はありませんが、この機に自分自身と向き合ってみるのも、転職活動においては大事なプロセスです。

履歴書・職務経歴書の準備をする

面談するエージェントによっては履歴書、職務経歴書の提出を求められます。
提出が必須ではないにしても、事前に書類を提出しておくとあなたの経歴もよりイメージしやすく、面談におけるお話も早いので、準備はあるに越したことはありません。
とはいえ、0から書類を作るのは手間もかかるし、取り掛かるのも気が重いですよね。

いきなり完璧な書類を作る必要はありません。
最初は穴だらけでも大丈夫なので、とにかく土台を作ってみることが大事です。
エージェントのほとんどは書類作成にアドバイスをくれたり、添削をしてくれたりするので、
土台があればその後の作成もスムーズに行うことができます。

尚、書類はWordやExcelでの作成・提出がお薦め。
編集可能なドキュメントファイルをエージェントと共有すれば、エージェントも直接書き込めるので、添削もスムーズになります。

求職者とエージェントは対等な立場

エージェントサービスのほとんどは無料で利用できるので、気軽に相談をすることができます。
しかし、忘れてはいけないのは、求職者とエージェントはどちらが上、下ということはなく、対等な立場であるということ。

変に気を使い過ぎたり、気後れしてしまったりしてエージェントの言いなりにならないように、自分の意志を明確に持つことが大切です。
どんなキャリアアドバイスを受けようが、最終的に転職を決めるのはあなた。
エージェントの言うことも参考にしつつ、自分の意志を見失わないように気をつけましょう。

また、逆も然りで、求職者はエージェントにとって上というわけでもありません。
かしこまり過ぎる必要はありませんが、社会人として最低限のマナーを大事にやり取りを行うべきです。
エージェントは取引企業との信頼関係のもと、求職者の推薦を行います。
そのため、社会人としてのマナーが備わっていないと、どんなに優秀なスキル・経歴を持っていたとしても信頼をおけない方であれば推薦は難しくなります。

「連絡を返す」「約束は守る」「都合が悪くなったら連絡・相談する」
当たり前のことではありますが、日々の忙しさや、転職意欲によって、優先順位が下がってしまい、対応が疎かになってしまうこともあるかもしれません。

しかし、エージェントは大事に関係性を築けば、強い味方になってくれる存在。
せっかく利用するのであれば上手く味方につけて、納得の転職を実現させましょう。

株式会社トーコンでは、キャリアに関するご相談を承っております。
転職をするかしないか、というお悩み相談から、具体的な求人案件の提案まで、一人ひとりの目的に合わせた最適なキャリア支援を心がけています。
あなたの今後のキャリア形成に寄り添い、納得のいく転職を実現するお手伝いができればと思いますので、 ぜひお気軽にご相談ください。