学校を卒業し、就職してまだ3年未満で転職を考える、所謂「第二新卒」と言われる方々の中には「自己分析は意味がない」「新卒の時にやったから大丈夫」「自分のことは自分がわかっている」などと思う方もいるのではないでしょうか？しかし、実は第二新卒こそ、転職活動を行う上では自己分析がとても大切です。本記事では、第二新卒ならではの自己分析の重要性と具体的な方法、そして転職活動への活かし方を詳しく解説します。
目次
- 1. 第二新卒こそ自己分析が必要な理由
- 2. 自己分析は転職活動にどのような影響を与えるか
- 3. 自己分析のゴールとは？
- 4. 自己分析の効果的なやり方
- 5. 自己分析をどうやって転職活動に活かすか？
- 6. 自己分析のクオリティをより高めるためにできること
- 7. まとめ
1. 第二新卒こそ自己分析が必要な理由
なぜ第二新卒の転職において、自己分析が大切なのか？ここでは、その理由を様々な角度から解説します。
1.1 新卒時の自己分析の再検証が必要となる
新卒で就職活動を行う際、多くの方が自己分析を行い、それを踏まえて自分に合った職場を探し、そこで働く決意をした上で入社をしているのが現状です。しかし、結果として第二新卒という早期のタイミングで転職を検討しているということは、その職場が自分に合っていなかった可能性が高いということになります。
早期に転職を検討することになった原因は、自己分析という観点で見ると以下のようなことが考えられます。
- 新卒の就職活動時に行った自己分析が不十分であったり、誤った方法で行われた結果、自分に合う職場を見極められていなかった
- 働く中で自身の価値観に変化が生じ、違う環境でチャレンジがしたくなった
もちろん、早期の転職の理由は自己分析だけが原因ではなく、入社前の説明と入社後の実態に相違があったなど、企業側の問題もあるのかもしれません。特に近年はコロナ禍など社会環境の大きな変化があり、それに伴いあらゆる企業が経営方針の転換などを余儀なくされたため、目指していたキャリアが途絶えてしまった方も多いかと思います。
いずれにせよ、当初思い描いていた社会人生活と実際の社会人生活にどのようなギャップがあったのか、それにより自分のどのような価値観や要望が表面化したのか、冷静に振り返ることが、次のキャリアを築くための第一歩となります。
1.2 第二新卒は定着懸念を抱かれる可能性がある
社会的に人手不足が深刻化する中、若手人材は長期的な活躍が期待されるため、転職市場で高い需要があります。一方で、入社1～3年程で転職をするということから「定着するかどうか」の懸念を持たれることもあります。そのため、長期活躍の可能性を示すためにも、自己分析を通じて自分の価値観や強みを明確にした上で、自分がその企業にふさわしい人材であることをアピールする必要があります。
また、ミスマッチによる転職を繰り返し、キャリア形成の機会を失ってしまうリスクを避けるためにも、転職は慎重に検討すべきです。自身にとって最適な職場環境を選定するためにも、自己分析を通じて自分の価値観やキャリアの軸を再確認し、ミスマッチを防ぐことが大切です。
1.3 早期の離職とどう向き合うかが問われる
先述の通り、企業は早期の転職に対して定着への懸念を抱くため、キャリアの選択に対する整合性が問われます。早期離職は必ずしも悪いことではありませんが、「なぜ早期に転職を決断したのか」「その決断にどう向き合うか」を説明できることが重要です。今まさに転職について悩んでいる方の中には「転職ってもしかしたら"逃げ"なのでは？」「転職が本当に正しいキャリアの選択なのか？」と次の一歩を踏み出せない人も多いはず。しかし、現状に疑問を持ち、より良い選択肢を模索していくその過程こそ、自分の人生と真剣に向き合い課題を乗り越えていこうとする非常に価値のある取り組みです。悩み抜いた上で出した決断は、キャリアを前に進める強い原動力となります。
1.4 成長のポテンシャルが武器になる
第二新卒の場合、即戦力というよりは将来的な成長ポテンシャルに期待が寄せられることが多いです。そのため、たとえ短期間の社会人経験であっても、その中でどのような学びを得て成長したかを意識することが、次のキャリアを形作る上で非常に重要です。例えば、「慣れない事務作業の中で、業務フローを見直して少しでも効率化できる方法を提案した」「マニュアル通りではなく、お客様の表情や声から心情を察し、一人ひとりに合わせた対応を行った」といった、実績に繋がらずとも自分なりにこだわって動いた自発的な取り組みも、立派な成長の証です。「短い経験だから何も得られていない」と諦めるのではなく、たとえ小さな経験でもそこから得た気づきや成長ポイントを整理し、どのような形で次に活かすかを考えましょう。
20代はまだ社会人としての価値観を形成する段階の時期でもあるので、企業も人材の評価が難しく採用を慎重に検討する傾向にあります。自分自身でもまだ価値観を明確にしづらいタイミングかもしれませんが、環境の変化に柔軟に対応しつつも自分のぶれない価値を少しずつ見つけていきましょう。
2. 自己分析は転職活動にどのような影響を与えるか
自己分析は、転職活動全体に大きな影響を与えます。具体的には以下の3つの面で効果を発揮します。
2.1 企業選び・職種選びに自信を持てるようになる
自己分析を通じて自分の価値観や強みを明確にすることで、自分に合った企業や職場環境、仕事内容が見えてきます。「どんな募集に応募すべきか（応募しないべきか）」が分かることで、転職活動を効率的に進めることが可能です。「たくさんの選択肢の中から自分に合った募集を探す」というやり方もあるかもしれませんが、いたずらに応募を行い多くの選考を受ける中で神経をすり減らすよりも、的を絞った転職活動を行う方が、自分らしく輝ける選択肢を見つけられるはずです。
2.2 志望動機や自己PRに説得力が増す
自己分析で見つけた自分の価値観や強みをベースに応募企業を選定し志望動機を語ることで、一貫性のあるメッセージを伝えられます。「なぜこの企業を選んだのか」「どのように貢献できるか」を論理的に説明できるようになり、企業に対して、自分を採用する理由やメリットを力強い説得力で伝えることが可能になります。
2.3 転職先での「ギャップ」を防ぐ
自己分析を怠ると、入社後に「想定していた業務と違う」「環境が合わない」といったミスマッチが生じることがあります。自分の価値観や得意に合った職場かどうか、自己分析を通して見極めることで、転職後の定着率が高まります。転職はキャリア形成のための手段のひとつであり、それ自体が目的化されるべきではありません。自分に合った職場環境で定着して活躍することが、結果として長期的なキャリア形成につながるのです。
3. 自己分析のゴール：Will・Can・Mustの明確化
「自己分析って何をやればいいの？」「どこまでやればゴールなの？」そんな疑問をお持ちの方も多いと思います。本記事では、自己分析のゴールを「Will（やりたいこと）、Can（できること）、Must（不足している要素）を明確にすること」と定義します。これらを整理することで、自分の強みや課題、そして目指すべき方向性が見えてきます。
3.1 Will（自分がやりたいことを見つける）
Willは、自分が何を実現したいのか、どんな仕事にやりがいを感じるのかといった夢や目標を指します。例えば、「人に感謝される仕事がしたい」「社会課題を解決するような仕事に携わりたい」「成長を実感できる環境で働きたい」「裁量のある仕事で自分の力を試したい」「とにかく収入を上げたい」といったことが挙げられます。
短期的な要望ももちろん大切ですが、長期的なキャリアの展望を描くことも重要です。5年後、10年後にどうありたいかをイメージし、今の転職がその目標にどうつながるかを考えましょう。例えば、「将来はリーダーとしてチームをマネジメントしたい」「専門スキルを磨いてプロフェッショナルになりたい」といったように、自分のありたい姿をイメージしてみましょう。
Willは転職活動において、キャリア選択の軸を明確にし、自分の価値観や目標に合った企業や職種を選ぶ指針になります。 自分の理想像や働きがいを意識することで、短期的な判断にとどまらず、長期的に満足感のあるキャリアパスを描く助けとなります。
3.2 Can（自分ができることを整理する）
Canは、自分がこれまでの経験を通じて身につけたスキルや成果、提供できる価値など、自身の能力を指します。例えば、営業で培ったコミュニケーション力、チームでのプロジェクト推進力、ITスキルなどが挙げられます。
第二新卒の場合、スキルや経験がまだ少ないかもしれませんが、短期間の就業経験や、時には仕事以外の側面にも着目しながら、具体的なエピソードを準備することが重要です。「未経験ながらも新規顧客を5件獲得」「業務効率化のアイデアを提案し、実現された」など、具体的な成果を示すことで、自分の強みをアピールできます。または上司や取引先から投げかけられた具体的な言葉や発言を紹介することも、客観的に自分が周囲からどのような評価を得ていたかを表す材料になったりします。
Canは転職活動において、自己PRの基盤となり、企業に自分の強みや戦力としての魅力を伝えるために重要です。 自分のスキルや実績を整理することで、応募先企業にどのような価値を提供できるかを具体的に伝えられます。
3.3 Must（不足している要素を明確にする）
Mustは、「Will(やりたいこと)」を実現するために、今の自分に必要なもの・不足しているもの・強化していくべきことを指します。たとえば、リーダーやマネージャーになる目標を実現するためにチーム運営や意思決定のスキルを磨いたり、特定領域のプロを目指して専門知識の習得や実務経験を積んだり、こうした「Must(やるべきこと)」を明確にしていくことも自己分析では大切です。
Mustは転職活動において、今後の成長に必要なスキルや経験を把握し、自己成長のための具体的な計画を立てる手助けをしてくれます。目標達成に向けて何を補うべきかを明確にすることで、転職後も持続的に成長できるキャリアを構築しやすくなります。
4. 自己分析のやり方
自己分析を効果的に行うためには、Will（やりたいこと）、Can（できること）、Must（やるべきこと）の3つの観点から自分を見つめ直すことが重要です。ここでは、それぞれの具体的なアプローチ方法を紹介します。
4.1 Will（やりたいこと）の分析
Willの分析は、自分がどんな仕事や環境で働きたいか、どのようなキャリアを実現したいかを明確にするプロセスです。以下の方法を試してみましょう。
- 転職理由の振り返り： 現在の職場で感じている不満や違和感を具体化し、次に求めるものを明確にします。例えば、「裁量がなかった」という不満は「自分で意思決定できる環境に挑戦したい」というWillに変換できます。
- モチベーショングラフの作成： 過去の経験を振り返り、どんな仕事や場面でモチベーションが上がったかを可視化します。これにより、自分がやりがいを感じる要素が見えてきます。
- 価値観リストの作成： 仕事において大切にしたい価値観（例：チャレンジ、安定性、社会貢献など）をリストアップし、優先順位をつけます。
自分の価値観や目標を明確にすることで、キャリアの方向性が定まり、ブレない軸を持った転職活動が可能になります。
4.2 Can（できること）の分析
Canの分析は、これまでの経験を振り返り、自分が提供できる価値を整理するプロセスです。短い経験でも具体的なエピソードにすることで強みに変えられます。
- スキルの棚卸し： 業務で身につけたスキルや、成果を上げた経験を具体的に列挙します。尚、スキルには専門性が伴う「テクニカルスキル」と、どんな環境でも発揮できる「ポータブルスキル」の2種類があり、まだ専門性が乏しい第二新卒では「ポータブルスキル」に注目した棚卸しが特に重要です。
- フィードバックの活用： 上司や同僚からもらった評価やフィードバックを振り返り、他者から見た自分の強みを把握します。
- 成功体験・失敗体験の分析： 特に印象に残っている成功や失敗の経験を分析し、そこから学んだことや身についたスキルを整理します。
自分のスキルを客観的に理解し、企業にどのように貢献できるかを整理することで、より効果的な自己PRにつなげられます。
4.3 Must（必要な要素・不足している要素）の分析
Mustの分析は、Will（やりたいこと）を実現するために、現時点のCan（できること）では不足している要素を認識し、今後より強化すべきことを理解するプロセスです。
- WillとCanのギャップ分析： 自分のやりたいことと現在のスキルを比較し、足りない部分を明確にします。例えば、「リーダーになりたい（Will）」が「プロジェクト管理の経験が不足している（Can）」といった具合です。
- 市場ニーズの調査： 興味のある業界や職種で求められるスキルや経験を調べ、自分に不足している要素を特定します。
- 具体的な行動計画の立案： 特定した不足要素を補うための具体的な計画を立てます。例えば、「オンライン講座でITスキルを学ぶ」「次の職場でチームリーダーに挑戦する」などです。
不足している要素・強化すべき要素を認識し、計画的に成長することで、転職後もスムーズにキャリアアップを目指す準備が整います。
4.4 Will・Can・Mustが見つからない場合
ここまで自己分析の方法をお伝えしましたが、人によっては「Will（やりたいこと）がわからない」「Can（できること）が見つからない」「Must(必要な要素・不足している要素)がイメージできない」というお悩みもあるのではないでしょうか？そんな時は以下のアプローチを試してみましょう。
- 「やりたくないこと」から考える： 「何をやりたくないか」をリストアップし、その逆の要素からヒントを得ます。例えば、「単調な作業は嫌だ」という気持ちから「自分で工夫できる仕事をしたい」というWillが見えてくるかもしれません。
- 「ありたい姿」に注目する： 「どんな仕事がしたいか」が見えなくても、「どのような自分でありたいか」を考えることで、Willのヒントが得られます。例えば、「周囲から信頼される人になりたい」「家庭と仕事を両立する自分でありたい」といった理想像から、適した仕事や環境が見えてくるかもしれません。
- 小さな挑戦から始める： Will・Can・Mustがすぐに見つからなくても、できることはあるはずです。例えば、「まずは新しいスキルを学ぶ」「人と話す仕事に挑戦する」といった小さな行動から始めてみると、自分の好き/嫌い、得意/不得意などが少しずつ見えてくる可能性があります。
自己分析は一度で終わるものではありません。少しずつ進めながら気づきを重ねることが大切です。また、転職の機会に限って行うものでもなく、自分の将来や成長感に悩みが生じたら、取り組んでみることで道が開ける場合があります。焦らずに、自分のペースで取り組んでいきましょう。
5. 自己分析の活かし方
自己分析の結果は、転職活動の様々な場面で活用できます。ここでは、自己分析の結果を効果的に活用する方法を紹介します。
5.1 応募企業の選定に活かす
自己分析の結果は、自分に合った企業を選ぶ際の重要な指標となります。ここでは、Will・Can・Mustがそれぞれ求人の選定にどのように活かせるのかを解説します。
Will・Can・Mustが重なる求人が理想
Will（やりたいこと）が実現でき、Can（できること）を活かせ、Must（すべきこと）の経験が積めるような求人があれば非常に理想的であり、応募すべき求人と捉えることができます。一方ですべての要素が揃う求人を探すのは難しいことです。そんな時は、Canを軸に、Will、Mustで転職の方向性を決めるのがお薦めです。
Canは求人選定の軸となる
第二新卒歓迎、未経験歓迎の求人であっても、企業は応募者が募集ポジションで活躍する可能性があるかどうかを慎重に判断します。たとえば「人とコミュニケーションを取ることが苦手」という方を営業職として採用するのには不安がありますし、「コミュニケーションは上手だけど正確な作業が苦手」という方では、事務職としては採用されにくいはずです。
求人企業が求めるCanと、自分が有するCanがずれてしまうと、それがどんなにやりたい仕事であっても採用される可能性は低いです。
そのため、まずは自身が有するCanを明確にし、自分が応募できる求人を明確にする必要があります。
Willを叶えるか、Mustを補うか
転職活動では、Can（できること）を満たすことが前提となりますが、すべての求人が自分のWill（やりたいこと）とMust（すべきこと）を同時に満たせるわけではありません。そのため、求人選びでは「Willを優先するか」「Mustを重視するか」の判断が必要です。
Willを優先することでモチベーション高く働ける可能性はありますが、特に第二新卒の段階ではアピールできるCanが少ないため、理想通りの求人が見つからないこともあります。そのような場合は、将来的にWillを実現するために、Canを増やす観点でMustを重視する求人を選ぶことも重要です。例えば、今は希望通りの職種でなくても、必要なスキルや経験を積むことで次のステップにつなげられます。
どちらか一方に偏りすぎる必要はなく、完全ではなくても一定のWillが満たされる求人や、理想的でないとしても少なくとも今よりMustを積める求人を選ぶなど、バランスを意識して選択することが大切です。
Canを軸にWillやMustを見つける
明確なWillやMustが見つからない場合は、Canを軸にキャリアを築き、その過程の中でWillやMustを見つけていく選択肢もあるはずです。「置かれた場所で咲く」という言葉があるように、与えられた環境の中で職務を一所懸命に全うすることで、初めて視界が開け自分のやりたいこと、やるべきことが見つかる可能性もあります。一方、その場合もCanを満たせればどこでもいいというわけではなく、組織風土や職場の人間環境、ワークライフバランスなどを考慮し、どんな環境であれば自分が無理なく働けるかを慎重に検討する必要があり、やはりWill(どうありたいか)をできるだけ明確にすることが大切です。
5.2 応募書類や面接で自己PRを行うに反映する
自己分析の結果を履歴書や職務経歴書に反映させたり、面接時に自己PRとして伝えることで、効果的な自己アピールを行うことができます。
- Can（できること）をエピソードで伝える： 自分のスキルや経験を具体的なエピソードを交えて伝えます。
※例：「前職で未経験のプロジェクトに参加し、○○の成果を上げました」など。 - Will（やりたいこと）を明確に伝える： 自分の目標や志望動機を伝え、入社後の意欲を示します。
※例：「御社の〇〇に携わり、〇〇の分野でプロフェッショナルになりたいです」など。 - Must（すべきこと）を補う姿勢を示す： 今後の成長のために何を学びたいか、どのような挑戦をしたいかを伝えます。
※例：「プロジェクト管理スキルを高めるために、リーダーシップを磨きたいです」など。
これらの要素をバランスよく伝えることで、自分の強みと将来の可能性をアピールでき、企業に「共に成長できる人材」としての魅力を伝えることができます。
5.3 転職後の活用
自己分析の結果は、転職後のキャリア構築にも活用できます。
- 転職後の業務にCanを活かす： 自分の強みを発揮できる仕事の進め方を模索し、成果を上げることで、新しい環境での早期適応を目指します。
- Willを見失わないようにする： 忙しい業務の中でも、将来の目標を意識し、適切な行動を取り続けます。定期的に自己分析の結果を振り返り、自分のキャリアの方向性を確認しましょう。
- Mustを補う計画を実行する： 転職後も成長を続けるために、自己成長に向けた学びを継続します。新しい環境で得られる機会を最大限に活用し、スキルアップを図りましょう。
転職はゴールではなく、新しい環境で自己成長を続けるためのスタートです。自分の強みを活かしながら計画的に成長することで、理想のキャリアに一歩ずつ近づけます。
6. より自己分析のクオリティを高めるためにできること
自己分析の質を高めることで、より正確な自己理解と効果的なキャリア選択が可能になります。ここでは、自己分析の質を向上させるための方法を紹介します。
6.1 フィードバックを積極的に取り入れる
他者からの客観的な意見は、自己分析の質を大きく向上させます。以下の方法を試してみましょう。
- 上司、同僚、友人からのフィードバック： 自己分析と他社からの評価は往々にしてズレが生じるものです。自己分析を自分だけで完結せず、普段から交流のある他者からのフィードバックも受けながら、そのギャップを明確にしていきましょう。その結果、自分では気づけなかった強みや課題が見えてくる可能性があります。
- 壁打ち相手を見つける： 自分の考えを言語化し、誰かに話すことも自己分析においては有効なアプローチです。話す過程で自分の価値観や志向が整理され、キャリアの方向性が見えやすくなることがあります。知人や転職エージェントに相談することも有効ですし、Chat型のAIツールを使ってみるのも手段の一つです。
- 転職エージェントの活用： プロの視点からのアドバイスを受けることで、自分のスキルが市場でどう評価されるか、キャリアの可能性はどこにあるかを客観的に把握できます。また、転職エージェントによっては求人の紹介や選考対策など総合的なキャリア支援を提供しているため、自己分析から一貫した転職サポートを受けることが可能です。
6.2 日常の中で気づきを積み重ねる
自己分析は一度きりのものではなく、日々の気付きの積み重ねが重要です。作業的に終わらせるのではなく、日々自分の心の機敏にアンテナを張りながら気付きを積み重ねていきましょう。
- 日常業務の振り返り： 毎日の仕事の中で、どんな場面でやりがいを感じ、どの場面でストレスを感じるかを意識します。
※例「顧客対応が楽しかった」「ルーチン業務でモチベーションが下がった」など。 - 外の世界とのつながり： 積極的に外の世界と関わり、アンテナを張ることで自己理解が深まります。業界研究や企業研究を通じて、自分の興味やスキルが活かせる領域を見つけましょう。例えば、OB・OG訪問でリアルな職場の雰囲気を知ったり、新たな業界トレンドに触れて自分が挑戦したい分野を見つけたりすることができます。
- 気づきのメモ化： 日々の気づきをメモに残し、定期的に振り返ることで、自己分析をブラッシュアップします。スマートフォンのメモアプリやノートを活用し、その日に感じたこと、学んだこと、挑戦したいと思ったことなどを記録しましょう。
7. まとめ
自己分析は、第二新卒にとって転職成功への重要な鍵となります。過去の経験を振り返り、現在の自分を見つめ直し、将来の目標を設定することで、より自信を持って転職活動に臨むことができます。
ここで重要なポイントを再度確認しましょう：
- Will（やりたいこと）、Can（できること）、Must（すべきこと）を明確にすることが自己分析のゴールです。
- 自己分析の結果は、応募企業の選定、履歴書・職務経歴書の作成、面接での自己PR、そして転職後のキャリア構築に活用できます。
- フィードバックを積極的に取り入れ、日常の中で気づきを積み重ねることで、自己分析の質を高めることができます。
- 自己分析は一度で終わるものではなく、継続的なプロセスです。焦らず、自分のペースで進めていくことが大切です。
自己分析は過去の経験や外部からのフィードバック、日常の気づきを積み重ねながら進めていくプロセスです。自分のペースで焦らず進めていけば、必ず自分らしいキャリアの道が見えてきます。転職はあくまで新たな一歩です。今の自分を信じて、一つひとつの選択を大切にしながら前に進んでいきましょう。
最後に、自己分析は完璧を目指すものではありません。むしろ、自分自身との対話を通じて、継続的に成長し続けるための取り組みと考えてください。第二新卒はまだキャリアを柔軟に組み立てることが出来る貴重な時期。自分らしさを大切に自信を持ってキャリアを築き上げていってください。
