2024.12.16

【カジュアル面談】準備は必要?本当に選考ではない?面談前に知っておきたい基礎知識

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転職活動を進めている中で、企業から「カジュアル面談」の提案を受けることもあるかもしれません。しかし「カジュアル面談って何?」「普通の面接と何が違うの?」「何を準備して臨めばいいの?」と疑問を持つ方も多いかもしれません。この記事では「カジュアル面談とは何か?」という基本的な解説から、必要な準備、守るべきマナーなどをご紹介。カジュアル面談の場をより有意義なものにするためにぜひお役立てください。

目次

1. カジュアル面談とは?

企業と求職者が選考とは関係なく、カジュアルに情報交換を行う場を「カジュアル面談」といいます。ここではその目的や通常の選考との違い、企業がカジュアル面談を行う理由について解説します。

1-1. カジュアル面談を行う目的

カジュアル面談とは、企業と求職者がリラックスした環境で相互に理解を深めることを目的とした面談のことです。企業は求人情報だけでは伝わりづらい経営や事業の方針、具体的な仕事内容、カルチャー・社風などを説明し、求職者に応募するかどうかの判断材料を提供。求職者は自身の転職における希望や今後のキャリアプランを示しつつ、自身の望む転職がその企業で実現できるのかを質問していきます。お互いにフィット感を確認するために、形式に捉われずざっくばらんな意見交換を行うのが大きな特徴です。

1-2. 面接とは何が違うのか?

通常の面接は評価と選考を目的としています。その内容は企業によって様々ですが、公式の場として礼儀やマナーが重んじられたり、一問一答形式で評価を行うための質問が行われたりと、緊張感のある雰囲気の中で行われる傾向があります。
一方で、カジュアル面談の目的はあくまで相互理解。企業もお互いに本音で話せる場を作るために、意図的にリラックスした雰囲気作りを心がけています。求職者としては、選考段階では聞きづらい質問などもしやすいので、応募するかどうか、入社するかどうかを判断するのに必要な情報を、企業から直接得ることができるのがメリットです。

1-3. カジュアル面談を行う企業の狙い

企業がカジュアル面談を行う狙いは、自社に合った人材と早期に関係性を作り、入社への意欲を高めていくことにあります。
労働人口の減少により各企業が人手不足に課題を抱える中、優秀な人材を採用するために企業はこれまでの枠に捉われないあらゆる採用手法を模索しています。そんな中で生まれたのが「カジュアル面談」。

例えば:

  • 気になる求人があるけど、応募しようかどうか悩んでいる。
  • 転職はまだ考えていないけど、この企業には興味がある。
  • 色んな企業の話を聞いてみて今後のキャリアを検討したい。

このような想いを持つ人がいた時、普通に募集を行っているだけでは応募をしない可能性が高いですが、「選考はしないけど、まずはお話してみませんか?」といった誘いであれば、繋がりを築ける可能性があります。このように、面接とは違う交流の場を設けることで、自社に興味を持つ人たちと積極的に繋がりを作り、自社への興味をより深めた上で応募に繋げていくのが、企業がカジュアル面談を行う狙いです。

カジュアル面談は選考が始まる前に設定され、企業に対する興味や理解を十分に促した上で選考へと進んでいくのが一般的ですが、企業によっては選考の途中にカジュアル面談を設け、本音で対話を行うことでより自社に興味を持ってもらったり、入社後の不安を払拭したりといった機会に繋げることもあります。

1-4. 誰と面談するのか?

カジュアル面談では、通常、採用担当者や人事部門の担当者、場合によっては現場で実際に働いている社員と面談することが多いです。現場社員と面談する場合、実際の仕事内容や職場の雰囲気をよりリアルに感じ取ることができ、求職者にとっては企業の内情を知る貴重な機会となります。一方、ベンチャー企業などでは、社長や役員が面談を行うことも珍しくありません。ベンチャー企業の場合、採用においてカルチャーのフィット感や事業への共感を重視する傾向も強く、より強いメッセージで求職者へのアプローチを行うために、経営陣が直々に面談を行うケースもあります。

1-5. カジュアル面談の一般的な流れ

カジュアル面談は、一般的に以下のような流れで行われます。

  1. 事前のスケジュール調整:日程調整や面談方法(対面、オンライン)の確認。
  2. 自己紹介:面談開始時に、簡単な自己紹介を行い、これからの面談の流れについて説明。
  3. 企業からの説明:企業の文化や理念、仕事内容についての説明。
  4. 求職者からの質問:求職者は企業に対して質問を行い、業務内容や企業の雰囲気について理解を深める。
  5. 応募意志の確認:面談に対する感想のヒアリングや選考に進む意思の確認。

非公式な場ではあるので、明確な流れが決まっているわけではなく、進め方は企業によって様々です。ご紹介した流れとは違う内容で進行される場合もあるので、あくまで参考に留めてください。

2. カジュアル面談で注意すべき点は?

「非公式でカジュアルな場」「選考要素がない」と聞くと、参加するにあたって気を抜いてしまう方もいるかもしれませんが、カジュアル面談においても、一定の節度やそこに臨むスタンスは必要です。ここでは、カジュアル面談に臨むにあたって注意しておきたいことを解説します。

2-1. 選考要素がないって本当?

カジュアル面談は選考を目的とはしていませんが、面談後に選考に進むことを想定する以上、多少なりとも相手から受ける印象は気になるものです。面談において求職者のスキルや価値観を厳しく見極めるわけではありませんが、例えば、企業についての下調べがまったくない、受け答えから企業への興味が感じられない、遅刻をしているにも関わらず事前の連絡や謝罪がないなど、明らかに消極的な姿勢が見えてしまう場合は、企業としても採用への意欲を下げてしまい、面談後に選考に進んだとしても、マイナス印象からのスタートになる可能性があります。

求職者としては、かしこまり過ぎる必要はありませんが、カジュアルとはいえ一定の礼儀やマナーを重んじ、受け身ではなく積極的な対話を心がけることが大切です。

2-2. 事前準備は必要?

カジュアル面談であっても、事前準備は非常に重要です。カジュアル面談は企業と本音で対話ができる貴重な機会。建設的な対話にするために、企業のことを事前に調べて質問を準備しておくことや、自分のキャリアプランや転職の希望を明確にしておくことで有意義な時間を過ごすことが出来ます。何の準備もなくカジュアル面談に臨み、質問ができなかったり、自分のことを話せずに終わってしまうと、お互いの理解が深まらず、その場の意味がなくなってしまいます。カジュアル面談の場を無駄にしないためにも、企業の情報や業界動向について予習しておくことはもちろん、面談で自分が伝えたいことを整理しておきましょう。

2-3. どのような服装で臨めばいい?

カジュアル面談では、あまり堅苦しい服装でなくとも問題はないでしょう。とはいえ、大人の初対面同士の場にふさわしくない、過剰にくだけすぎた格好は避けた方がいいかもしれません。基本的には清潔感のある服装を選び、業界や企業の文化に合わせて調整することが重要です。例えば、IT業界やスタートアップではカジュアルな服装が許容されることが多いですが、大手企業や金融業界では少しフォーマルな服装を選ぶ方が無難です。

2-4. 選考を断っても大丈夫?

カジュアル面談を通じて企業への理解を深めた結果、転職先として検討するのは難しいという感想を抱くこともあるはず。その場合、選考に進まず応募を辞退することは全く問題ありません。一方、選考を進めるかどうかに関わらず、カジュアル面談後は、ぜひ面談機会を設けてもらったことに対するお礼をメールなどで伝えましょう。本来、カジュアル面談とは、選考と別枠で、あなただけのために設けられた特別な機会です。貴重な時間を割いてもらったことに対する感謝の意を伝えることは、社会人として大切なマナーです。

3. カジュアル面談を有効活用するための事前準備

カジュアル面談という貴重な機会をより有意義なものにするためには、事前準備が必要です。その内容は、自己分析や企業研究など、普通の面接とさほど違いはありません。ここでは、必要な事前準備とその理由について解説をお伝えします。

3-1. 転職軸の整理

カジュアル面談を有効に活用するためには、自分の転職軸をしっかり整理しておくことが重要です。転職軸とは、自分が転職を決意した理由や、将来に求める職業的なビジョンです。

参考:転職の「軸」って何??仕事探しに必要な4つの視点をわかりやすく解説!-とこキャリ(tokon.co.jp)

通常の面接も同様ですが、カジュアル面談は企業と求職者のお互いが相互理解を深める場です。あなた自身も質問や自己開示を行いながら、企業の理念・ビジョンやカルチャーが自分に合致するか見極めていくことが大切であり、そのためには自分の軸を事前に定めておくことが重要です。企業はあなたの経歴を魅力的に感じた場合、採用まで繋げるために積極的に応募を促してくる可能性があります。その働きかけに流されるままに転職を進めてしまっては、十分な検討ができず転職を後悔してしまう恐れもあります。慎重な判断を行うためにも、転職軸を定めておくことは大切です。

3-2. 自己紹介

カジュアル面談において、面接のような形式ばった自己紹介を求められることはないかもしれませんが、だからこそ、伝えたいことを準備しておかないと、自分のことを話すチャンスを逃してしまう恐れがあります。面談においては、前述の転職軸も踏まえ、これまで経験してきた仕事や大切にしてきた価値観、今後のキャリアで実現したいことなどを語れるように準備しておきましょう。過去の経歴や今後のキャリアビジョンを話すことで「弊社でも近しい事業を行っていまして…」「弊社でそれを実現するとしたら、こういったキャリアパスがいいかもしれないですね。」といったように話が広がっていく可能性があり、より建設的な面談になる可能性があります。

3-3. 企業研究

カジュアル面談を有効活用するためには、ぜひ企業研究を行ってみてください。企業のウェブサイト、最新のニュース、SNS、口コミサイトなどを活用して、企業の文化や価値観、現在の事業内容をしっかりと理解しておきましょう。企業研究を行う際は、下記の観点を意識してみてください。

企業研究の観点:

  • 自身の経験が活かせるかどうか
  • 企業の理念やビジョンと、自分の価値観に重なる部分があるかどうか
  • 自分がその会社に転職して働けるイメージが持てるか
  • その会社での5年後、10年後の将来が描けるか?

まったくの0から面談を通じて理解をしていくより、事前の知識があり、ある程度企業と目線が揃った上で面談を迎えた方が、企業への理解は圧倒的に深まるはずです。

参考:企業研究が楽しくなる!転職に使える、企業理解を深める具体的なやり方 -とこキャリ(tokon.co.jp)

3-4. 質問準備

カジュアル面談は質問のチャンスです。企業研究をもとに気になったことを積極的に質問してみましょう。企業への理解を深める上では、下記の観点で質問をまとめておくと情報が整理されて質問がしやすくなります。

質問の観点:

  • 企業軸:企業理念、ビジョン、経営方針 など
  • 仕事軸:仕事内容、ミッション、仕事のやりがい/苦労 など
  • 組織軸:社風、カルチャー、社内コミュニケーション など
  • 条件軸:給与、待遇、福利厚生、休日休暇 など

また、質問ではなくても、企業の方針や事業内容に自身の経験や価値観と重なる部分があれば、それを感想として伝えてみることで話が広がるかもしれません。特に企業の理念やビジョン、社風・カルチャーなど抽象的な事柄については、ホームページなどを通じて文字で読むのと実際に当事者から話を聞くのでは印象も大きく変わるはず。話者の熱量から、経営方針への深い理解だけではなく企業カルチャーも感じ取ることができ、より共感が深まる可能性があります。

参考:転職を成功に導く逆質問のコツ:面接で役立つ「仮説思考」とは? ‐とこキャリ(tokon.co.jp)

4. カジュアル面談を設定してもらう方法

応募を進める前に企業と直接コミュニケーションを取り情報収集ができるカジュアル面談。求職者にとっては大きなメリットがあるカジュアル面談ですが、その機会を掴むにはどうすればいいのか?ここではカジュアル面談の機会を得るための方法について解説します。しかし注意して欲しいのは、すべての企業がカジュアル面談を導入しているわけではありません。カジュアル面談を行うかどうかは企業の意志に委ねられているため、これから紹介する方法を取ったからといって、カジュアル面談が必ず実施されるわけではないことにご注意ください。

4-1. 転職エージェントを利用する

転職エージェントは企業とのパイプを持っており、候補者を紹介する際にカジュアル面談を提案してくれることもあります。エージェントに自分の希望を伝えておくことで、より自分に合った企業との面談機会が得られる可能性が高まります。一方、利用するエージェントが必ずしも自分の気になっている企業とのパイプを持っているとは限りません。利用するエージェントの強みや得意領域が自分の希望と合致しているか、ある程度見極める必要があります。

4-2. リファラルを利用する

もし友人・知人が勤めている会社の中で気になる企業があれば、その伝手を辿って面談の機会を設けてもらうのも手段の一つです。企業内で働く人からのリファラル(紹介)であれば信頼性も高く、企業としても安心して面談の機会を設けやすくなります。一方、自身を紹介してもらう場合には、受け身ではなく積極的な姿勢を示すことが大切です。面談において積極性が見られない場合、自身の印象だけではなく、紹介者の信頼を損なってしまう恐れもあります。紹介を通じてカジュアル面談を行う場合は、紹介者の計らいに応える意味でも、自分がその企業のどこに興味を持ったのか、そこでどんな貢献ができそうかなど、事前に考えをまとめた上で面談に臨みましょう。

4-3. ネットワークを活用する

エージェントや知人に頼るのではなく自分自身で繋がりを築いていくことで、カジュアル面談の機会を自分から積極的に作ることができます。SNSや業界のコミュニティを効果的に活用すれば、企業の採用担当者や社員と直接つながることも可能です。

繋がりを築く方法:

  • SNSの活用方法
    LinkedInやX(旧Twitter)といったSNSは、企業の担当者と直接つながるための便利なツールです。自分のプロフィールを充実させ、興味のある企業の情報を発信している人をフォローしたり、メッセージで丁寧にコンタクトを取ることで、カジュアル面談の機会が広がります。また、オンライン上で企業の文化やトレンドについての情報を得ることもできます。
  • イベントやコミュニティでの出会い
    業界の勉強会やセミナー、キャリアイベントに参加することで、興味のある企業の社員や同業界で働く人と直接話す機会を得られます。その際には、挨拶や自己紹介を丁寧に行い、興味を持った企業についてカジュアル面談をお願いするアプローチをしてみましょう。

ネットワークを活用する際は、まず自分がその企業に興味を持っていることを明確に示し、相手に負担を感じさせないよう丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。相手から信頼を得られることで、相手も面談の機会を設けやすくなります。

5. まとめ

カジュアル面談は、単なる選考前の軽い会話という印象を持っている方も多いかもしれませんが、実際には自分のキャリアを見直し、企業のカルチャーを理解するための重要なステップです。本記事で紹介したように、カジュアル面談を有効に活用するためには、事前準備が不可欠です。転職軸を整理し、自己紹介や企業研究を行い、積極的に質問をすることで、面談を最大限に活かすことができます。カジュアル面談をうまく活用し、自分にとって最適なキャリアの選択を見つけましょう。

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