「転職したいけど、次にやりたいことが見つからない」「希望業種・職種も定まっていないのに、転職を考えてはダメ?」そんなお悩みを抱えていませんか?現職に行き詰まりを感じ「辞めたい」と思っていても、次のキャリアに進むポジティブな理由がないと、転職も考えづらいかもしれません。しかし、仕事観は人によって様々。すべての人が必ずしもやりたいことを実現するために転職をしているわけではありません。
この記事では「やりたいこと」にこだわらず、「在りたい姿」を軸としたキャリアの考え方をご紹介します。「やりたいこと」が定まっていない状況でも、自分らしいキャリアを見つけるためのヒントをお伝えします。
目次
1. やりたいことがなくても転職は可能か?
『やりたいことがないと転職をしてはいけないのでは?』と思うかもしれませんが、そんなことはありません。ここでは、企業の採用基準を踏まえ、やりたいことがなくても転職ができる理由をお伝えします。
1-1. 企業は個人のやりたいことではなく、自社への貢献性を評価する
やりたいことが明確でなくても、転職は十分に可能です。企業が採用で重視するのは、応募者が「何をやりたいか」ではなく、「どれだけ自社に貢献できるか(活躍できるか)」という点だからです。
もちろん、意欲が全く評価されないわけではありません。企業は応募者の意欲を通じて、その人材が成長できるかどうか、また入社後に長く活躍できるかを見極めています。しかし、企業の方向性と応募者のやりたいことが一致していない場合、意欲だけでは採用につながらないことが多いのも事実です。
最終的に企業が求めるのは、「短期的に即戦力となれるか」または「中長期的に成長し、価値を提供し続けられるか」という視点。そのため、以下のようなポイントが実際の評価基準となります:
- これまでの実績や成果
過去の成功事例や具体的な数字を示すことで、貢献可能性をアピールできます。 - 業務に関連するスキルや資格
即戦力として活躍できる能力は、企業にとって非常に重要なポイントです。 - コミュニケーション能力や協調性
チームでの働き方が一般的な職場では、特に重視されます。
やりたいことが明確でなくても、自分のスキルや経験が活かせる企業を見つけることができれば、転職は実現可能です。
1-2. 仕事の価値観は人それぞれ
すべての人が「やりたいこと」を軸に仕事を選んでいるわけではありません。仕事の目的や意義は人それぞれです。「生活を支えるため」「得意を活かすため」「社会に貢献するため」など、その価値観によって働き方や職選びの基準も大きく変わります。こうした多様な価値観を理解することは、自分に合ったキャリアを見つけるためにとても重要です。
仕事に対する価値観の例:
- 生活の手段として捉え、プライベートの充実を重視する考え
- スキルや経験を活かす場として捉え、パフォーマンスの発揮を重視する考え
- 社会との関わりの場として捉え、人との繋がりを重視する考え
仕事に対する価値観は変化することもあります。「やりたいこと」にこだわるのではなく、今の自分にとって何を大切にしたいかを考えることで、キャリアの方向性が明確になり、より納得のいく選択ができるようになります。
1-3. やりたいことが適職とは限らない
「やりたいこと」を軸に仕事を選ぶのは魅力的ですが、それが必ずしも自分にとっての適職になるとは限りません。好きなことや興味があることを仕事にすることで、かえって苦労やストレスを感じてしまう場合もあります。
「やりたいこと」を仕事にするリスク:
- プレッシャーの増加:
好きなことを仕事にすると、その分結果を求められるプレッシャーが増します。仕事としての責任が重くなることで、楽しみがストレスに変わる可能性があります。 - 期待とのギャップ:
実際に仕事として取り組んでみたときに、「思っていたのと違う」と感じることも珍しくありません。仕事には成果を求められる側面があるため、純粋に楽しむことが難しくなることがあります。 - 安定性や収入の問題:
「やりたいこと」がニッチな分野や市場ニーズが低い職種の場合、十分な収入やキャリアの安定性を確保するのが難しいこともあります。
好きなことや興味のあることは、必ずしも仕事で実現する必要はありません。副業や趣味、ボランティア活動など、仕事以外の場でやりたいことを楽しむことで、充実した生活を送ることも可能です。
「やりたいこと」を追求するのは素晴らしいことですが、それが見つからない時は、何を軸にキャリアを考えればいいのか。次のセクション以降で詳しく説明しますが、転職に追いては「やりたいこと」よりも「在りたい姿」を軸にした方が、より納得度の高い転職を実現できる可能性があります。
2. 転職を進める前に考えたいこと
やりたいことがなくても転職は可能ですが、転職を進める前に立ち止まって、自分が本当に望むことを整理することが大切です。このセクションでは、転職理由を整理しつつ自分の「在りたい姿」に注目することの大切さや、転職以外の選択肢を検討することの重要性をお伝えします。
2-1. なぜ転職したいのか考える
転職理由は次のキャリアを考える上での起点になります。転職を考えている理由を整理することで、自分が今どんな課題を抱え、解消するために何をすべきなのかを具体的に考えることが出来ます。
次の4つの軸に基づいて、自分の気持ちを掘り下げてみましょう。
- 企業軸:会社の方向性に共感できない:
・自分の価値観と会社のビジョンが一致していない。
・「この会社で成長したい」「出世したい」と思えない。 - 仕事軸:現状の業務に合わない
・今の仕事が自分の得意分野や興味に合っていない。
・成長や達成感が得られず、モチベーションが低下している。 - 組織軸:社風や人間関係に不満がある
・職場の雰囲気や価値観が自分に合わない。
・上司や同僚との関係にストレスを感じている。 - 待遇軸:収入や働き方に不満がある
・現在の給与がスキルや業務内容に見合っていないと感じる。
・ワークライフバランスが取れず、プライベートの時間が確保できない。
この4つの軸を基に、自分の不満を明確にすることで、転職の必要性を冷静に判断する材料が得られます。また、単なる感情的な不満ではなく、根本的な課題が整理されることで、自分にとって次に何をすべきかの方向性が見えてきます。一度時間を取って、自分の気持ちを深掘りしてみましょう。
2-2. 「やりたいこと」ではなく「在りたい姿」に注目する
転職を検討する理由の裏には「理想の自分」と「現実の自分」にギャップがあるのではないでしょうか?
理想と現実の自分にギャップを感じる例:
- 「他者を支える人間でありたい」のに、今の仕事で人の役に立てているという実感が持てていない。
- 「仕事もプライベートも全力で楽しむ人間でありたい」のに、仕事に忙殺されてプライベートが充実していない
- 「好奇心のままに色んなことにチャレンジする人間でありたい」のに、収入面での余裕のなさから自分をセーブしてしまっている
転職を検討する背景には「やりたいこと」ではなく、実現したいあなたの「在りたい姿」があるかもしれません。そして、その「在りたい姿」を実現したいという願望や、それが叶わないことへのストレスが、転職を考える引き金になっているのではないでしょうか?「在りたい姿」は仕事も含めたあなたの生活全体を形作る軸となり、キャリア形成の上でも大事な観点です。まずは、自分の心に素直になり、自分がどうありたいのか、価値観を掘り下げてみましょう。
エクササイズ:在りたい姿を描いてみよう
次の質問に答えることで、自分がどう在りたいかをより具体的にイメージできます。
- どんな場面で自分らしさを発揮できていると感じますか?
- あなたが憧れる人物や生き方はどのようなものですか?
- 10年後、自分が周囲からどんな言葉で評価されていたいですか?
これらの答えをもとに、自分が目指すべき在りたい姿のヒントを探してみましょう。
2-3. 転職以外の選択肢も考えてみる
「在りたい姿」が明確になったら、それを実現するための方法も考えてみましょう。理想の自分を叶える手段は、転職が全ての悩みを解決するとは限りません。もしかしたら、現在の職場でも自己実現できる可能性もありますし、仕事とは違う文脈にそれを実現する道があるかもしれません。たとえば、下記のような選択肢が考えられます。
- 社内異動の検討
職務適性やモチベーションの低下など仕事軸での課題を感じている場合、現在の会社内で部署や職種を変更することで解消できる可能性があります。また、人間関係など組織軸の悩みも、部署の異動などで改善されるかもしれません。 - 現職場での改善交渉
給与や労働条件など待遇面の不満は、会社に相談してみることで改善する可能性もあります。人手不足が深刻な労働市場。待遇改善や職場環境の改善に取り組む企業も増えているので、まずは声を上げてみることも大切です。 - 副業やスキルアップ
ビジョンへの共感といった企業軸の不満や、給与面の不満などを抱える場合は、副業などを通じて新しいチャレンジをしてみるのも手段の一つです。転職のリスクを負うことなく、将来の選択肢を増やすことができます。
転職以外の道を検討することは、リスクを抑えながらキャリアを前進させる選択肢にもなります。
2-4. 転職のメリットとデメリットを知る
転職には良い面もリスクもあるため、どちらも理解した上で行動することが重要です。メリットとデメリットを把握することで、より現実的な判断ができるようになります。転職の主なメリットとデメリットを見てみましょう。
メリット
- 望んだ職場環境やライフスタイルの実現
収入や働き方の改善により、現在よりも理想的な仕事/生活を実現できる可能性があります。 - 新しい環境での成長機会
違う企業文化や業務に触れることで、スキルアップや視野の拡大が期待できます。
デメリット
- 収入面でのリスク
期待していたほど収入が上がらなかったり、一時的な減少が発生する可能性もあります。 - 新環境への適応負担
新しい職場のルールや人間関係に慣れるまで、ストレスや負担がかかることがあります。 - キャリアの連続性に影響する可能性
これまでのスキルや経験が十分に活かされないと、長期的なキャリア形成に影響を及ぼすこともあります。
メリットとデメリットを整理し、自分にとって譲れない条件や優先したいポイントを明確にすることで、転職活動をスムーズに進めることができます。一度立ち止まって、冷静に判断することが大切です。
3. 「やりたいこと」を軸とせず転職先を探す方法
やりたいことが明確でなくても、「在りたい姿」が明確であれば、それを転職活動の軸にすることができます。在りたい姿に基づいた転職活動は、やりたいことが定まっていなくても、納得感のあるキャリアを築く助けになります。ここでは、「在りたい姿」を基に転職先を探す具体的な方法を紹介します。
3-1. 「在りたい姿」を基に転職の優先順位を定める
転職を考えるとき、「在りたい姿」や「転職理由」を基準に転職において実現すべきことの優先順位を決めることで、自分が本当に解決したいポイントと妥協できるポイントを明確にし、求人選びの軸を作ることができます。以下のステップで整理してみましょう。
STEP1. 転職理由を4つの軸で整理する
在りたい姿をイメージしながら、現状に対する不満を以下の4つの軸に沿って洗い出します:
- 企業軸:会社の方向性やビジョンに共感できない。成長性や将来性に疑問を感じる。
- 仕事軸:業務内容や役割が自分に合っていないと感じる。
- 組織軸:社風や人間関係が合わない。
- 待遇軸:収入や労働条件に不満がある。
転職理由は複合的なものかもしれません。すべての軸で自分の考えを整理して、不満に感じることや、逆に満足していることを明確にしましょう。
STEP2. 転職の優先順位を定める
4つの軸で現職への満足・不満を整理したら、転職において実現すべきこと、妥協できることを明確にし、優先順位をつけましょう。
- 優先順位が高い部分=転職理由の中核
4つの軸のうち、不満の要因が大きいものについて優先順位を高く置きます。これらは「どうなれば理想か」を具体的にイメージし、在りたい姿に照らして理想的な職場を考えます。
例:「もっと成長できるミッションに挑戦したい」「柔軟な働き方が可能な職場でプライベートも充実させたい」。 - 優先順位が低い部分=妥協できるポイント
現状維持でも問題がない、あるいは大きな改善を必要としない軸は優先順位を低くします。これらは求人選びの際に妥協可能な条件として整理します。ただ、妥協できるといっても限度はあるはずです。最低限求める条件もできる限り言語化しましょう。
例:「職場の雰囲気は現状維持で問題ない」「給与は年収マイナス●●万円までなら妥協可能」。
STEP3. 求人選びの基準を作る
優先順位が明確になったら、それを基に求人選びの基準を具体化します。優先順位の高い条件を軸に求人を探し、優先順位の低い条件を妥協ポイントとして柔軟に対応します。
- 優先順位が高い条件を求人選びの軸にする
理想とする環境や働き方に基づいて求人を絞り込みます。
例:「自分の裁量で進められるプロジェクトが多い企業を選ぶ」「多様な業務経験を積める職場を重視する」。 - 妥協ポイントを整理して選択肢を広げる
優先順位の低い条件は柔軟に考え、選択肢を広げます。
例:「勤務地は通勤が1時間以内なら許容範囲とする」「福利厚生の充実度は大きな条件ではない」。
在りたい姿を基に転職理由を整理し、不満の優先順位を明確にすることで、自分に合った求人の条件が見えてきます。理想と妥協をバランスよく考えながら、納得感のある転職活動を進めていきましょう。
3-2. 経験・スキルを棚卸しする
「1-1. 企業は個人のやりたいことではなく、自社への貢献性を評価する」でお伝えした通り、転職活動では、企業への貢献性を示すことが求められます。そのためには、自分の経験やスキルを棚卸しすることで、それをどのように活かせるかを明確にする必要があります。
棚卸しの方法:
- 過去の業務内容を振り返る
これまで担当してきた業務をリスト化します。具体的には、プロジェクト名や担当範囲、成果物などを記載します。たとえば、「チームリーダーとして〇〇プロジェクトを成功に導いた」など、できるだけ具体的に書き出します。 - スキルを分類する
技術的なスキル(ハードスキル)と、対人能力やマネジメント力など(ポータブルスキル)に分けて整理します。
・テクニカルスキル:Excelデータ分析、プログラミング、マーケティング戦略立案など。
・ポータブルスキル:チームビルディング、リーダーシップ、問題解決力など。 - 成果を数値化する
実績を具体的な数値で示すことで、説得力のあるアピールが可能になります。たとえば、「売上を〇%増加」「業務効率を〇%改善」など。 - 他者の評価を取り入れる
上司や同僚から得たフィードバックを振り返り、自分が評価されたポイントを把握します。これにより、自分が気づかなかった強みに気づくことができます。
いくら実現したい「在りたい姿」があっても、企業から評価される経験・スキルやポテンシャルがアピールできなければ、転職は実現できません。自分の強みを再確認し、求人選びや自己PRに役立てることで、納得感のあるキャリア形成が可能になります。一度じっくりと時間をかけて、これまでの経験を整理してみましょう。
参考:「転職したいけどスキルがない」という方必見!自分の強みを見つけ道を切り開く方法!‐とこキャリ(tokon.co.jp)
棚卸しした経験やスキルは、次のステップである求人探しの重要な基準となります。それらを基に、どの職種や業界で自分が活躍できるかを具体的に検討していきましょう。
3-3. 定めた優先順位と棚卸しした経歴をもとに求人を探す
優先順位を定め、経験やスキルを棚卸ししたら、それを基に自分の能力や経験を活かせるフィールドを探しましょう。
求人を探す方法:
- 転職サイトの検索条件を設定する
優先順位の高い条件を基に検索条件を絞り込みます。職種や勤務地、年収だけでなく、企業規模や働き方(裁量性、成長機会など)を条件に加えると、理想に近い求人が見つかりやすくなります。 - 転職エージェントを活用する
転職エージェントに相談し、自分の経験やスキルに合った求人を紹介してもらいましょう。エージェントは業界や職種ごとに特化した知見を持っており、求人票に書かれていない情報や、応募の際のアドバイスも受けられるため、よりマッチ度の高い選択が可能になります。 - 企業の採用ページを直接確認する
興味のある企業があれば、公式サイトの採用情報を確認することで、求人サイトでは見つからないポジションを発見できることもあります。特に企業の理念や方針を深く知るきっかけにもなるため、応募先をより理解した上で選ぶことができます。
優先順位と棚卸ししたスキルを基に求人を探すことで、自分が納得できる転職先が見えてきます。求人情報を分析し、自分に合う職場環境や業務内容を見つけることで、在りたい姿に近づくキャリアを築いていきましょう。焦らず、自分のペースで取り組むことが成功への近道です。
4. やりたいことを見つけるにはどうすればいいか?
ここまで、「やりたいこと」がなくても「在りたい姿」を明確にできればそれがキャリア選択の軸になることを説明してきました。とはいえ、やはり「やりたいことがない」自分に対して、焦りや不安を抱いてしまうこともあるかもしれません。このセクションでは、「在りたい姿」を出発点にしながら、自分に合ったやりたいことを模索する具体的な方法をお伝えします。
4-1. 「やりたいことを見つけなければ」という焦りの正体
やりたいことが見つからないとき、焦りや不安を感じる理由はどこにあるのでしょうか?その背景を理解することが、気持ちを軽くする第一歩です。
- 社会的プレッシャーと他者との比較:
「夢を持つべき」「やりたいことを見つけて努力すべき」という価値観や、周囲にいる目標に向かう人々と自分を比較してしまう心理が、焦りを生むことがあります。 - 自分の価値への不安:
やりたいことがないと、「自分には情熱が欠けているのでは」と感じ、自己評価を下げてしまいがちです。 - 時間への焦り:
特にキャリアの節目や転換期に差し掛かると、「今やりたいことを見つけないと手遅れになるのでは」というプレッシャーを感じることがあります。
これらの焦りは、「より良く生きたい」という前向きな気持ちから生まれるものです。しかし、やりたいことがない状態も自然なことであり、そこに囚われすぎる必要はありません。まずは焦りや不安を手放し、気長にやりたいことを探していく気持ちを持ちましょう。
4-2. 「在りたい姿」を基に行動のテーマを決める
「在りたい姿」は、やりたいことを考える上での重要な道しるべです。やりたいことが明確でない場合でも、在りたい姿を出発点にすれば、自分にとっての「やってみたいこと」や「挑戦すべき方向性」を見つけることができます。以下の手順を参考に、具体的な行動テーマを導き出してみましょう。
STEP1. 在りたい姿を再確認する
まずは、セクション2で掘り下げた「在りたい姿」をもう一度振り返り、それに関連する行動のテーマを考えてみましょう。重要なのは、自分が目指す理想の生き方や価値観に基づいて行動を考えることです。以下のようなプロセスを進めてみてください。
在りたい姿と、それに関連する行動の例:
- 「人を支える存在でありたい」→ 教育や福祉分野の活動に参加してみる。
- 「好奇心を満たし続ける人間でありたい」→ 未経験の業界や職種の情報収集を始める。
- 「仕事とプライベートをバランスよく充実させたい」 → 働き方の改善を意識してみる。
行動は大きな目標を設定する必要はなく、興味を持ったり、小さな挑戦ができそうなものからで構いません。
STEP2. 「やりたいこと」の候補を出す
次に、在りたい姿を基に「やりたいこと」や「やってみたいこと」の候補を具体的に挙げてみましょう。ポイントは、完璧に明確な目標である必要はなく、「興味がある」「試してみたい」と感じるものを自由に挙げることです。具体的なアクションや体験をイメージしながら書き出すと良いです。
例:
- 「人を支える存在でありたい」 → ボランティア活動に参加してみる。
- 「好奇心を満たし続ける人間でありたい」 → 新しいスキル(プログラミング、デザインなど)を学んでみる。
- 「仕事とプライベートを両立させたい」 → 有給休暇を使ってみる。
候補が複数出てきたら、自分の関心度や取り組みやすさに応じて優先順位を付けます。まずは気軽に取り組めるものから始めると、行動に移しやすくなります。
こうしてリストアップした「やりたいこと」や「やってみたいこと」を基に、実際に行動を起こしてみましょう。例えば、気になる業界のイベントに参加したり、副業やボランティアで新しい分野に触れることで、少しずつ興味や方向性が明確になるはずです。焦らず、小さな一歩からスタートすることが、やりたいことを見つけるための最良の方法です。
4-3. 無理に見つけようとしないマインドセットを持つ
「やりたいことが見つからない」ことに焦る必要はありません。やりたいことは、考えてもすぐに明確になるものではなく、行動を通じて少しずつ見えてくるものです。以下のような柔軟な考え方を取り入れることで、ストレスを減らしながら進めることができます。
「やってみたいこと」を起点にする
完璧な「やりたいこと」を見つけようとすると、かえってプレッシャーを感じてしまうことがあります。その代わり、「少し興味がある」「とりあえず試してみたい」と思えることを大切にしてみましょう。
例:
- 「昔から興味があったけど挑戦していなかった分野に触れてみる」。
- 「日常生活の中で楽しいと感じることを深堀りしてみる」。
試行錯誤を恐れずに、楽しみながら新しいことに挑戦してみることが大切です。
「やりたいことは変化する」ことを受け入れる
やりたいことは人生のステージや環境によって変わるものです。一度決めたことに固執せず、今の自分に合った選択肢を柔軟に探してみましょう。
例:
- 「これまでとは違う業界や働き方に興味を持つのは自然なこと」。
- 「家族やライフスタイルの変化に伴い、新しいキャリアの形を模索する」。
現時点の自分に合うことを見つけられれば十分です。無理に長期的な目標を設定しなくても問題ありません。
やりたいことを見つけるためには、頭の中だけで考え込むのではなく、小さな行動を通じて試行錯誤することが大切です。また、「やってみたいこと」や「興味があること」から始める柔軟な考え方を持つことで、無理なくキャリアの方向性が見えてくるはずです。焦らず、自分のペースで進めていきましょう。
5. まとめ
やりたいことが見つからないことに不安や焦りを感じるのは、ごく自然なことです。しかし、その焦りに囚われる必要はありません。自分が「どう在りたいか」を見つめ直すことで、やりたいことの輪郭が少しずつ見えてくるはずです。焦らず、小さな行動を積み重ねながら、経験を通じて自分の可能性を探ってみましょう。どんな一歩も無駄にはなりません。
あなたのペースで、自分らしいキャリアと生活を築いていけることを心から応援しています。あなたの未来は、これからの選択でいくらでも変えていけます。一歩ずつ、自分を信じて進んでください。