「カスタマーサポート」と「カスタマーサクセス」。よく聞く職種名だけど、実際にどんな違いがあるのかよくわからない。そんな疑問をお持ちではないですか?
似たような響きを持つこの2つの職種ですが、実は役割や目的、求められるスキルにおいて明確な違いがあります。本記事では、それぞれの職種の違いを丁寧に解説しながら、キャリアの選択を行う上でのヒントをお届けします。
ただし、本記事は「カスタマーサポート」と「カスタマーサクセス」のどちらがあなたに向いているか、ということを診断するものではありません。転職を考える上で職種は重要な要素ですが、本当に大切なのは自分に合った仕事を選ぶことであり、職種にとらわれすぎてしまうと、視野が狭まり、かえってミスマッチを招くこともあります。
この記事では、職種の違いを整理したうえで、「自分はどう働きたいのか」「どんな関わり方が心地よいのか」といったキャリアの軸を見つけるヒントをお伝えします。2つの職種に興味を持った今だからこそ、自分の価値観や志向を見つめ直し、納得感のあるキャリア選択につなげていきましょう。
目次
- 1. カスタマーサポートとカスタマーサクセスの違いとは?わかりやすく解説
1-1. カスタマーサポートとは?——困っている人を助ける仕事
1-2. カスタマーサクセスとは?——顧客の成功を共に実現する仕事
1-3. どんな役割が求められるか?目的・業務・関わり方で見る違い
1-4. 活かせるスキルと身に付くスキル
- 2. カスタマー系職種が気になる理由とは?その裏にある想いを探る
2-1. その関心の出発点は?気になった理由を言語化する
2-2. あなたが大切にしたい"関わり方"はどんなもの?
2-3. 「できそう」ではなく「どうありたいか」で考えてみる
- 3. カスタマーサポート・サクセス以外にも向いている仕事はある?
3-1. 困っている人を助けたい——"サポート精神"を活かせる仕事
3-2. 人の成長・成功を支援したい——"伴走力"が活きる仕事
3-3. 仕組みで支えたい、環境を整えたい——"裏方力"が活きる仕事
- 4. カスタマー職が気になるあなたへ|自分らしいキャリアの見つけ方
4-1. 「できるかどうか」「求められるかどうか」だけではなく「自分の意思」も大切にする
4-2. 働き方・条件の希望の裏にある、自分なりの“理由”を明確にする
4-3:5年後・10年後の「ありたい姿」に繋がる選択肢を選ぶ
1. カスタマーサポートとカスタマーサクセスの違いとは?わかりやすく解説
転職を考えるとき、「カスタマーサポート」と「カスタマーサクセス」という職種名を目にすることが増えています。どちらも「お客様」に関わる仕事であることは何となく想像がつくものの、具体的にどんな違いがあるのでしょうか。ここでは、それぞれの役割と目的を明確にした上で、業務内容や求められるスキル、キャリアパスまで詳しく比較していきます。
1-1. カスタマーサポートとは?——困っている人を助ける仕事
カスタマーサポートの役割は、お客様からの「助けて」という声に応えることです。たとえば、ネットショッピングで商品が届かないときに問い合わせた経験がある方も多いのではないでしょうか。そんなとき、状況を確認して対応策を伝えてくれるのがカスタマーサポートの仕事です。商品やサービスについてわからないことがあったり、トラブルが起きたりしたとき、お客様が安心して解決できるようにサポートします。
一見すると受け身の仕事のように思えるかもしれませんが、実際には会社の顔として、商品やサービスの印象を大きく左右する重要な役割を担っています。お客様との最初の接点となることも多く、信頼関係を築く“最前線の品質管理”とも言える仕事です。
1-2. カスタマーサクセスとは?——顧客の成功を共に実現する仕事
カスタマーサクセスは、お客様が商品やサービスを使って「成功」や「成果」を得られるように支援する仕事です。もともとはSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)の普及とともに生まれた職種で、継続利用やアップセルといった“契約後の成果”がビジネス成長の鍵となったことを背景に、近年急速に定着し始めました。
カスタマーサクセスは、問題が起きてから対応するのではなく、お客様が目標を達成できるよう、事前に働きかけていきます。たとえば、新しいソフトウェアを導入したお客様に対して、使い方を教えるだけでなく、そのお客様のビジネスがより良くなるような活用方法を一緒に考えていきます。長期的な関係を築きながら、お客様の成長をサポートする、パートナーのような存在です。
1-3. どんな役割が求められるか?目的・業務・関わり方で見る違い
2つの職種の最も大きな違いは、お客様との関わり方とタイミングにあります。カスタマーサポートは「困ったときに頼られる存在」として、お客様からの連絡を待って対応する受動的なスタンスが基本です。一方、カスタマーサクセスは「一緒に成果を作る存在」として、こちらから積極的にお客様にアプローチしていく能動的なスタンスが求められます。
比較項目 | カスタマーサポート | カスタマーサクセス |
---|---|---|
目的 | 顧客の「困りごと」を解決する お客様が抱える問題を迅速かつ正確に解決し、安心感を提供することが主な目的です。 | 顧客の「成功・成果達成」を支援する お客様が商品やサービスを通じて目標を達成し、ビジネスの成長を実現できるよう導きます。 |
アプローチ | 問い合わせに対応する「受動的」なスタンス お客様からの連絡を受けて、その都度適切な対応を行います。 | 成果に向けて働きかける「能動的」なスタンス こちらから定期的にお客様にアプローチし、課題の早期発見と解決を図ります。 |
関わるタイミング | 問題発生時に対応 お客様が困ったときに、迅速に問題解決のサポートを提供します。 | 導入直後・活用期など、事前・継続的に関与 商品導入の初期段階から継続的に関わり、長期的な成功をサポートします。 |
主な業務内容 | 問い合わせ対応、FAQ整備、トラブル対応など 電話やメール、チャットでの質問対応、マニュアル作成、システムの不具合対応などを行います。 | 導入支援、利用促進提案、定例MTG、リスク管理など 新規導入のサポート、活用度向上の提案、定期的な打ち合わせ、解約リスクの早期発見と対策を担います。 |
2つの職種の違いを理解することで、自分がどちらの働き方により魅力を感じるかが見えてくるでしょう。
1-4. 活かせるスキルと身に付くスキル
今後のキャリアを考える上では、今持っているスキルを活かせるか、将来的にどんな力を身につけたいかという視点も大切です。カスタマーサポートでは、人の話をしっかり聞いて共感する力や、冷静に対応する力が重宝されます。カスタマーサクセスでは、お客様の課題を見つけて解決策を提案する力や、長期的な関係を築く力が重要になります。自分がどんなスキルを伸ばしていきたいか、どんなキャリアを描きたいかを考えながら選択することで、より納得感のある決断ができるはずです。
観点 | カスタマーサポート | カスタマーサクセス |
---|---|---|
活かせるスキル | 傾聴力、共感力、冷静な対応力、文章力 相手の話を丁寧に聞き、気持ちに寄り添いながら、わかりやすく説明する能力が重要です。 | 論理的思考、提案力、課題発見力、関係構築力 データを分析して課題を見つけ、具体的な改善策を提案し、信頼関係を構築する力が求められます。 |
身に付くスキル | 応対品質向上、FAQ運用、ナレッジ整備、業務改善視点 効率的な対応方法の構築、情報の整理・共有、プロセス改善などのスキルが身につきます。 | 顧客戦略設計、プロジェクト管理、KPI運用、戦略的思考力 お客様ごとの成功戦略立案、目標管理、数値分析、長期的な視点での課題解決力が養われます。 |
キャリア展開の例 | QA、オペレーション設計、テクサポ、マネジメント職など 品質管理、業務設計、技術サポート、チームリーダーなどの道があります。 | アカウントマネージャー、CSマネージャー、導入コンサル、PMなど 顧客管理、チーム統括、コンサルティング、プロジェクト管理などへの発展が期待できます。 |
求められるマインド | 誠実さ、冷静さ、顧客への配慮 どんな状況でも冷静に対応し、お客様の立場に立って考える姿勢が大切です。 | 主体性、提案力、信頼関係を築く力 自ら課題を見つけて行動し、お客様と長期的なパートナーシップを築く意識が重要です。 |
このように比較してみると、両者は「お客様との関わり方」や「身につくスキル」において明確な違いがあることがわかります。どちらも価値のある仕事ですが、あなたがどんな働き方を望み、どんな成長を目指すかによって、選ぶべき道は変わってくるでしょう。
2. カスタマー系職種が気になる理由とは?その裏にある想いを探る
「カスタマーサポート」「カスタマーサクセス」という言葉に惹かれたとき、それは単に職種名に興味を持ったというよりも、その言葉が表す"働き方"や"価値提供のあり方"に何かしら共鳴している可能性があります。「なんとなく気になる」「自分でもできそう」といった最初の感覚を大切にしながら、なぜその職種に興味を持ったのかを一度立ち止まって考えてみませんか。この内省のプロセスは、職種選びだけでなく、あなた自身が大切にしたい価値観や働き方を見つける手がかりにもなります。
2-1. その関心の出発点は?気になった理由を言語化する
「なんとなくやってみたい」「自分でもできそう」という気持ちも、立派な関心の出発点です。営業は苦手だけど人に感謝される仕事がしたい、接客は好きだったけどもっと長期的に人と関わりたい、事務やコールセンターの経験を活かせる場所を探している——こうした想いは決して軽いものではありません。まずは自分の感覚を否定せず、「なぜそう思ったのか」を素直に振り返ってみることが大切です。そこにあなたらしい働き方のヒントが隠れているかもしれません。
2-2. あなたが大切にしたい"関わり方"はどんなもの?
「誰かの役に立ちたい」「喜ばれたい」「一緒に成長したい」といった想いは、どんな関係性の中で実現したいでしょうか。困っている人をその場で助けることに喜びを感じるのか、それとも長期的に相手の成長に関わることにやりがいを感じるのか。瞬間的な「ありがとう」が嬉しいのか、じっくりと関係を築いて信頼される方が心地よいのか。こうした関わり方の好みを知ることは、職種選びだけでなく、長期的なキャリア観を考える上でも重要な手がかりになります。
自分がどんな距離感で、どんなペースで人と関わりたいかを考えてみてください。
自分の関わり方を知るための問い:
- 誰かに感謝されたとき、どんな場面が特に印象に残っていますか?
- そのとき、どんな関わり方をしていたと感じますか?
- 「この人と信頼関係を築けた」と思えたのは、どんな瞬間ですか?
- 一人で黙々とやる作業と、人と関わって進める仕事、どちらにやりがいを感じますか?
- 長く寄り添う関係と、短くても密度の濃い関わり、どちらが心地よいと感じますか?
こうした問いに答える中で、自分の中にある“心地よい関わり方”の輪郭が見えてくるかもしれません。
2-3. 「できそう」ではなく「どうありたいか」で考えてみる
「自分にできそう」という視点だけで仕事を選ぶと、実際に働き始めてから「思っていたのと違う」と感じることがあります。もちろん現実的な判断も大切ですが、それと同じくらい、「自分はどうありたいか」「どんな価値を届けたいか」という視点も持ってみてください。仕事が終わったときに「今日は良い仕事をした」と思えるのは、どんなときでしょうか?
自分の強みや得意なことを、誰にどう役立てたいと思いますか?
自分らしい働き方を見つけるための問い:
- どんなときに「自分の力が発揮できた」と感じますか?
- 人から感謝された経験の中で、特に記憶に残っているのはどんな場面ですか?
- 「この仕事は向いているかも」と感じた瞬間は、どんな仕事をしていたときでしたか?
- 誰に、どんなことで頼られると嬉しいと感じますか?
- あなたが大切にしたい働き方の「スタンス」はどんなものですか?(たとえば:裏方で支えたい、相手と一緒に考えたい など)
こうした問いかけを通じて、表面的な条件ではなく、あなたの内側から湧き上がる動機を大切にした選択ができるようになります。
職種名に惑わされず、自分らしい働き方を見つけるための土台を作ることが、この段階では最も重要です。
3. カスタマーサポート・サクセス以外にも向いている仕事はある?
前のセクションで見えてきた「自分が大切にしたい関わり方」や「どうありたいか」という想い。実は、これらの志向や価値観を活かせる場所は、「カスタマーサポート」や「カスタマーサクセス」という職種に限られるわけではありません。「困っている人を助けたい」「人の成功を支援したい」「仕組みで人を支えたい」といった想いは、さまざまな職種や働き方で実現できます。ここでは視野を広げて、あなたの志向に合う可能性のある選択肢を幅広く見てみましょう。職種名に縛られることなく、自分らしい価値提供の形を見つけるためのヒントを提供します。
3-1. 困っている人を助けたい——"サポート精神"を活かせる仕事
「誰かの役に立ちたい」「感謝される仕事がしたい」という想いは、カスタマーサポートに限らず、さまざまな職種で活かすことができます。直接お客様と関わる仕事もあれば、社内のメンバーを支えたり、仕組みを整えたりするような仕事もあります。大切なのは、自分が“どんな形で”人を支えることに喜びを感じるのかを知ることです。
「誰かの役に立ちたい」気持ちを活かせる仕事の一例:
関わり方のタイプ | 活かせる職種例 | 特徴 |
---|---|---|
直接支える | カスタマーサポート、テクニカルサポート | 困りごとにすぐ対応して、相手の反応をダイレクトに感じられる |
提案で支える | 営業職、カスタマーサクセス、コンサルタント | 相手の課題に寄り添い、成果に向けて一緒に考える |
仕組みで支える | 事務職、カスタマーサポートの運用担当、バックオフィス系全般 | 正確さや効率化を通じて、社内外の“困りごと”を未然に防ぐ |
品質で支える | QA(品質保証)、情報システム、コンプライアンス関連 | トラブルや不具合を事前に減らし、安心して使える環境を整える |
「“ありがとう”と言われると嬉しい」という気持ちが、その場のやり取りにあるのか、仕組みや精度の裏にあるのか、それとも成果に繋がるプロセスにあるのか。自分にとって心地よい関わり方を見つけることで、職種にとらわれない、あなただけの選択肢が見えてくるかもしれません。
3-2. 人の成長・成功を支援したい——"伴走力"が活きる仕事
「人の成果や成長を後押ししたい」「成功に関わりたい」という想いは、カスタマーサクセスに限らず、さまざまな形で活かすことができます。お客様に限らず、社内の仲間や採用した人材、学習者など、関わる対象やシーンは多岐にわたります。長期的な関係の中で相手の変化を見守ることが好きなのか、知識やスキルを伝えてその人のステップアップを支援したいのか、それとも、課題を一緒に考えて成果に繋げることにやりがいを感じるのか——。
「伴走したい」という気持ちの輪郭を少しずつ見つけていきましょう。
「人の成長を支援したい」気持ちが活きる仕事の一例
対象 | 関わり方 | 職種例 |
---|---|---|
顧客 | 成果達成をサポートする | カスタマーサクセス、導入コンサル、営業(ソリューション型) |
社内の人材 | 成長を見守る・支援する | 人事(育成・制度設計)、メンター、マネージャー職 |
学習者やユーザー | 知識を伝える・教育する | トレーナー、カスタマーエデュケーション、講師職 |
全体の仕組み | ナレッジ共有・場づくりを担う | コミュニティ運営、社内アカデミー運営、ナレッジマネジメント |
「人の成長を支援したい」という想いがあるなら、どんな相手と、どんな関わり方をしたいかという視点で選択肢を広げてみると、より自分らしいキャリアが見えてくるかもしれません。
3-3. 仕組みで支えたい、環境を整えたい——"裏方力"が活きる仕事
「人と直接関わるのは少し苦手だけど、誰かの役に立ちたい」「情報や仕組みを整えることで支えたい」——そんな想いも、とても価値のあるものです。たとえば、効率的に仕事が進むようにルールを整えたり、わかりやすい資料を用意したり、みんなが迷わずに行動できるように環境を整えることで、多くの人の仕事をスムーズに支えることができます。
目立つ仕事ではないかもしれませんが、「誰かの困りごとを未然に防ぐ」ことにやりがいを感じる方には、ぴったりの働き方です。
「人を支える仕組みをつくる」想いが活かせる仕事の一例
関わり方 | 職種例 | 特徴 |
---|---|---|
情報をわかりやすく届けたい | 事務職、マニュアル作成、資料作成アシスタント | 必要な情報を整理して、人が迷わず動けるようにする |
日々の業務を支えたい | 総務、人事アシスタント、庶務 | 社内の環境や仕組みを整えて、社員の働きやすさを支える |
困りごとを減らしたい | カスタマーサポートの裏方業務、オペレーション管理 | 問い合わせが減るように仕組みを改善したり、対応をスムーズにする |
直接「ありがとう」と言われることは少ないかもしれませんが、多くの人がスムーズに働けたり、お客様が困らずにサービスを使えたりするのは、こうした“見えない支え”があるからこそ。
自分らしさや想いを発揮できる環境を求めるのであれば、職種名だけで判断するのではなく、自分にとって心地よく続けられる関わり方をヒントに考えてみるのも一つの方法です。
4. カスタマー職が気になるあなたへ|自分らしいキャリアの見つけ方
転職を考えるとき、「どちらがキャリアアップにつながるか」「自分にできそうか」といった判断軸を持つのは自然なことです。でも、それだけで選んでしまうと、あとから「なんだかしっくりこない」と感じることもあります。このセクションでは、「自分はどう働きたいのか」「何を大切にしたいのか」といった内側の視点にも目を向けながら、納得感のある選択をするためのヒントをお伝えします。
4-1. 「できるかどうか」「求められるかどうか」だけではなく「自分の意思」も大切にする
「未経験でもできそう」「キャリアアップにつながりそう」――そうした判断軸は、転職活動の中で自然と意識するものです。選択肢を現実的に絞り込むうえでも、大切な視点です。
でも、実際に働き始めてから問われるのは、「この仕事を続けたいと思えるか」「もっと頑張りたいと思えるか」といった、自分の内側にある意志です。
仕事選びにおいては、次の3つの視点がバランスよくそろっているかがカギになります:
視点 | 内容 |
---|---|
Can(できること) | 今の自分に合っているか、経験やスキルが活かせるか |
Must(求められること) | 市場や組織からのニーズがあるか |
Will(やりたいこと) | 自分がその仕事に前向きな気持ちを持てるか |
どれかひとつだけではなく、自分が納得して選べる「理由」を持てているかどうかが、ミスマッチを防ぎ、長く働ける選択へとつながります。
4-2. 働き方・条件の希望の裏にある、自分なりの“理由”を明確にする
「リモートで働きたい」「残業が少ない職場がいい」そうした働き方に関する希望も、立派なキャリアの軸です。ただ、それが単なる“条件”だけで終わってしまうと、表面的な求人情報に流されてしまったり、「思っていたのと違った」というミスマッチが起きやすくなります。だからこそ、「なぜその条件を重視したいのか?」を自分の言葉で整理しておくことが大切です。
たとえば:
- リモートワーク → 通勤のストレスがなく、自分のペースを保ちたい
- 定時で帰れる職場 → プライベートの時間も大切にしたい
- 安定した会社 → 仕事以外の不安を抱えずに働きたい
条件そのものが悪いのではありません。むしろ、その背景にある自分の価値観や生活スタイルに目を向けることで、より「自分にとって心地よい職場」を見つけやすくなります。
4-3:5年後・10年後の「ありたい姿」に繋がる選択肢を選ぶ
目の前の仕事に集中することも大切ですが、少し視野を広げて、「5年後・10年後、自分はどうありたいか?」を考えてみることも有意義です。
- 将来は、誰かの成長を支える立場になっていたい
- 専門性を高めて、プロフェッショナルとして信頼されたい
- 安定した環境の中で、仕事も生活もバランスよく続けていたい
こんなイメージが浮かんできたとしたら、その「ありたい姿」に繋がるようなキャリアの選択肢はどれか?を考えてみましょう。
今の選択は、キャリアの“スタート地点”にすぎません。目の前の業務だけでなく、その経験が自分の未来にどうつながっていくかという視点を持てると、より納得感のある選択ができるようになります。
5. まとめ
カスタマーサポートとカスタマーサクセス、それぞれの違いや魅力を知ることは、自分らしいキャリアを考える第一歩になります。しかし、最終的に大切なのは「どちらが正解か」ではなく、自分の価値観や働き方に合った選択ができるかどうかです。今はまだはっきりした軸がなくても構いません。気になる理由を言語化して、少しずつ自分の「ありたい姿」に近づいていくことが、納得感のあるキャリアを築くことにつながります。
選択肢はひとつではありません。あなたが「この道を選んでよかった」と思える日がくるように、焦らず丁寧に、あなた自身の道を探していってください。