転職や就職活動を始めるとき、まず悩むのが「どんな職種を選べばいいのか?」ということ。求人サイトを開けば営業、事務、マーケティング、エンジニアなど、たくさんの選択肢が並んでいて、どれも魅力的に見えるかもしれません。

でも実際には、職種は“自由に選べるもの”ではなく、“自分を理解して選び取るもの”です。
これまでの経験や得意なこと、そしてどんな働き方をしたいのか。その“自分の軸”を整理することで、はじめて「納得できる仕事の選び方」が見えてきます。

この記事では、職種選びに迷っている方に向けて、自分に合った仕事を見つけるための考え方をわかりやすく解説します。焦って決める必要はありません。あなたがこれまでに積み重ねてきた経験を活かしながら、これからのキャリアをどうつないでいくか――そのヒントを、一緒に探していきましょう。

※転職活動全般の情報は、ぜひこちらの記事をお役立てください。
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目次

1. そもそも職種ってどうやって選ぶの?

職種選びを始める前に、まずは「どのような選択肢があるのか」という現実を理解しておくことが大切です。求人情報を見ると、すべての職種が自由に選べるように感じられるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。ここでは、職種選びの前提となる考え方を整理していきます。

1-1. 職種は「自由に選べるもの」とは限らない

転職サイトや求人検索サービスを開くと、営業、事務、マーケティング、エンジニア、人事などさまざまな職種が並んでいます。しかし、特に未経験からの転職の場合、選択できる職種に限りがあるのが現実です。多くの場合、まずは営業、販売、カスタマーサポートといった現場業務を通じて、スキルや専門性を身につけられることが求められます。

マーケティングや人事、クリエイティブ職などの企画職や専門職の未経験募集もありますが、多くの場合はアシスタントとしての社内外の調整や、基礎的な運用業務からスタートすることがほとんど。将来的に第一線で活躍していくために、まずは現場で基礎を学び、仕事への理解を深めながら次のステップを繋げていく視点が大切です。

1-2. 「職種」と「業種」の違いを理解しておこう

どのように職種を選ぶかを考える前に、まず「職種」と「業種」の違いを押さえておきましょう。職種とは仕事の役割のことで、営業、人事、事務といった「何をする仕事か」を指します。一方、業種とは企業の事業内容のことで、IT、医療、不動産など「どんな業界で働くか」を指します。同じ営業職でも、IT企業の営業と食品メーカーの営業では、扱う商品やお客様、働き方が全く異なります。この違いを理解しておくことで、職種選びの視野が広がり、自分に合った働き方を見つけやすくなります。

1-3. 「どの職種に就けるか」のヒントは、過去の経験にある

転職市場では「これまで何をしてきたか」「入社後、どんな活躍ができるか」が問われる傾向にあります。そのため、まったくの未経験分野にチャレンジするより、過去の経験を活かす転職の方が成功率は高いです。

もちろん、未経験の職種への道が閉ざされているわけではありません。例えば、接客経験があれば営業職へ、データ集計の経験があれば事務職へ。これまでの経験が次のキャリアへの橋渡しとなります。なぜなら、職種が違っても、仕事に必要な『ポータブルスキル』は共通していることが多いからです。例えば接客で培った『相手の意図を汲み取る力』は、営業職でもそのまま通用します。このように経験してきた仕事の要素を分解して考えることで、未経験の職種も射程圏内に入ってきます。

完全に異なる職種へのチャレンジが不可能というわけではありませんが、自分の経験やスキルを次のキャリアに活かす視点を持つことで、選択の精度が高まり、転職の成功率も上がります。

1-4. 「自分を知ること」から始めよう

ここまで見てきたように、職種は自由に選べるものではありません。選べる道が限られているからこそ、やみくもに探すのではなく、まず「自分に合う道」を知ることが何より重要になります。自分の「できること」「やりたいこと」「目指したい姿」を深く理解することが、納得のいく職種選びの第一歩です。自己理解が深まれば、限られた選択肢の中でも納得のいくキャリアを築いていけるでしょう。

次のステップからは、具体的にどうやって自分を知り、職種を選んでいくかを見ていきます。

2. 職種選びに必要な「自分を知る」ための3つの視点

職種を選ぶ前に必要なのは、自分のことをきちんと理解すること。といっても、いきなり自己分析と言われても、何から考えていいのか分からない方も多いかもしれません。

ここでは、職種選びの前段階として押さえておきたい「自分を知る」ための3つの視点をご紹介します。この3つの観点をもとに自分を振り返ってみることで、自分に合った仕事のヒントが見えてくるはずです。

2-1. 「できること」から探る──これまでの経験と強み

まずは、自分が「どんなことができるか」を洗い出してみましょう。ここでいう「できること」は、資格や専門スキルだけではありません。これまでの仕事やアルバイト、部活動、学校生活など、どんな経験の中でも構いません。

たとえば、

  • 接客バイトでお客様と自然に会話ができた
  • チームのまとめ役として周囲の意見を調整してきた
  • イベントの準備で、スケジュール管理や細かい確認が得意だった

こうした経験には、あなたの“強み”が隠れています。
「自分には特別なスキルがない」と感じている人でも、具体的な行動を丁寧に振り返ることで、自分でも見落としていた得意なことに気づけるはずです。

2-2. 「やりたいこと」を探る──関心や価値観に目を向ける

「できること=やりたいこと」とは限りません。自分に合った職種を選ぶためには「やりたい」の視点も大切です。一方で、いざ考えようとすると「自分が本当にやりたいことって何だろう?」とうまく答えが出てこないものです。ここでは、やりたいことを見つける方法について2つのステップで解説します。

STEP1. 「心が動いた」「熱中した」経験を思い出す

過去を振り返り、「心が動いた瞬間」や「熱中できた体験」を丁寧に振り返ってみましょう。明確な夢や目標がなくても、過去の体験の中にヒントが隠れていることが実は多いのです。

たとえば――

  • 学生時代、サークルや部活動、アルバイトなどで「時間を忘れて打ち込んだこと」は何だったか?
  • 周囲から「なんでそんなに頑張れるの?」と言われた経験はあるか?
  • 成果が出たかどうかよりも、「自分が楽しいと思えた過程」はどんなときだったか?

こうした問いを通じて浮かんでくる経験には、あなたの関心が向かいやすい方向性や価値観が表れています。

STEP2. なぜを繰り返して「やりたいこと」を言語化する

浮かんできた過去の経験に対して「なぜ?」という問いを繰り返すことで、自分でも気づいていなかった価値観や関心を少しずつ言葉にすることができます。

たとえば、ある人が「大学時代に学園祭の実行委員をしていたこと」を振り返ったとします。

あのときは毎日のように準備で遅くまで残ってたし、本番前はめちゃくちゃ大変だったけど、なんか楽しかったんだよな……。

この経験を、さらに「なぜ?」で掘り下げてみましょう。

なぜ楽しかったのか?
→ みんなと協力して何か大きなことを成し遂げる感じがあったから。

なぜそれが自分にとって嬉しかったのか?
→ 自分が準備したことが、目の前で人を喜ばせているのが見えたから。

なぜ人に喜んでもらうことにやりがいを感じるのか?
→ 自分がやったことで誰かの役に立てた、って実感できるのが嬉しいから。

じゃあ、その実感を得られる瞬間って、他にどんなときにあった?
→ アルバイトでも、お客さんに「ありがとう」って言われたとき、ちょっと似た気持ちがあったかもしれない。

このように、表面的には「楽しかった」としか感じていなかった出来事でも、掘り下げていくことで、
「自分は人の役に立っている実感を得られることにモチベーションを感じるタイプなんだ」というように、やりたいことの“方向性”や、自分の価値観の傾向が言葉になってきます。

Point.「すごいこと」を思い出す必要はない

ここで大切なのは、「立派な経験」や「すごい成果」を思い出そうとしないことです。誰かから見てすごいことである必要はありません。あなた自身が自然と熱中できたこと、夢中になった場面にこそ、やりたいことの“原石”があるのです。

やりたいことは、どこか遠くにある“探しに行くべき何か”ではなくて、これまでのあなたの中に、すでに何度も顔を出していたものかもしれません。

2-3. 目指したい姿を考える──5年後、10年後の理想の自分を考える

「できること」と「やりたいこと」に加えて、もうひとつ大切な視点があります。それは、「これから自分はどうなりたいか?」という未来の視点です。

職種選びに迷っているとき、多くの人は「今の自分にできそうか」「やりたいと思えるか」という“現在”の基準で選ぼうとします。しかし、選んだ仕事の5年後、10年後先に、どんな自分がいるかという未来の視点を持つことも大切です。

ここでは、未来の「理想の自分」と「今の自分」を結びつけるための3つのポイントを解説します。

Point1. 「どんな自分でありたいか?」を考えてみる

ここで考えてみてほしいのは、「将来どんな働き方をしたいか?」や「どんな自分でありたいか?」という問いです。

たとえば――

  • 出世したい/責任あるポジションを目指したい
     → 成果を出して評価されやすい職種や環境に身を置く必要がある。
     → 自分が成果を出しやすい仕事とは何か? できることや得意分野を見極める。
  • 将来的に田舎で暮らしたい/会社に縛られない働き方をしたい
     → 独立やフリーランスを視野に入れ、ビジネススキルや専門性を高める。
     → その力がつく仕事とは何か? 自立につながる環境を選ぶ。
  • 30代で子どもを3人育てたい/家庭を大事にしたい
     → ライフイベントと両立できる働き方を実現する。
     → 柔軟に働くために、スキル・経験を今のうちに積みポジションを確立しておく。

このように、「こう生きたい」「こんな暮らしがしたい」といった未来像から考えることで、目の前の職種選びが単なる“仕事選び”ではなく、“生き方の設計”につながっていきます。

Point2. 明確なゴールがなくても、「方向性」を持つだけでいい

といっても、「5年後にこうなっていたい」という明確な目標が見えない方も多いはず。キャリアは、経験や環境の変化によってどんどん変わっていくものです。だから、今の時点で“正解”を決める必要はありません。

大切なのは、「なんとなくこの方向に進んでいきたい」というぼんやりとした未来像を持っておくこと。それがあるだけで、今どの職種を選ぶか、どんな経験を積むべきかといった目の前の判断が、ブレにくくなります。

Point3.「その仕事がどう自分を育ててくれるか?」という視点を持つ

職種は、あくまでキャリアのスタート地点にすぎません。選ぶ仕事が、未来の自分をどう育ててくれるか? どんなスキルや経験を得られるか?そうした“成長の視点”で選ぶことで、たとえ今の職種が理想と少し違っていたとしても、将来につながる意味のある選択になります。

たとえば――

  • 営業職で「伝える力」や「折衝力」を磨く
  • 事務職で「段取り力」や「正確性」を培う
  • アシスタント職で「調整力」や「支援スキル」を積み重ねる

こうしたスキルは、のちのキャリアチェンジや専門性の構築にもつながる、「持ち運べる力(ポータブルスキル)」として役立てることができます。

これまで見てきたように、自分を知るプロセスを経て初めて職種選びの土台が整います。「できること」「やりたいこと」「目指したい姿」を丁寧に言葉にすることで、自分が進むべき道を明確にしていきましょう。

3. 実際に自分に合う職種を導き出すには?

ここまでのステップで、「できること」「やりたいこと」「目指したい姿」の3つの視点をもとに、自分自身を深く掘り下げてきました。いよいよここからは、それらをつなぎ合わせて、“自分なりの職種のヒント”を見つけるフェーズです。いきなり完璧な答えを探す必要はありません。「今の自分にしっくりくる仮の答え」を見つけ、前に進みながら軌道を整えていくことが大切です。

ここでは、実際の職種に落とし込むイメージをいくつか紹介していきます。

3-1. 3つの視点をつなぎながら、自分なりの職種のヒントを見つける

まずは、これまでの振り返りを軽く整理してみましょう。

視点質問例自分の答え(例)
できること今までどんな経験や強みがあった?接客の経験があり、人の話を聞くのが得意
やりたいことどんな瞬間に心が動いた?相手の悩みを聞いて「ありがとう」と言われたとき
目指したい姿どんな人生・働き方を実現したい?将来的に、時間や場所に縛られずに働けるようになりたい

この3つの情報を並べてみると、たとえばこんな職種選びのヒントが見えてきます。

ケース1

  • できること:接客経験があり、聞き上手だとよく言われる
  • やりたいこと:誰かの相談に乗るときにやりがいを感じる
  • 目指したい姿:将来は子育てと両立できる、柔軟な働き方をしたい

→ 職種のヒント「人と接する仕事が得意でやりがいも感じられる。さらに将来的に在宅や時短などの働き方を選びやすい職種が良さそう」

職種の選択例:

  • カスタマーサポート職(オンライン中心・在宅OKな企業も多い)
  • 人材系のキャリアアドバイザー(面談・ヒアリングが中心)
  • カスタマーサクセス職(SaaS企業などで、リモート比率が高い)

聞き上手、相談相手になることへのやりがいを活かしつつ、働き方への柔軟性も選択していくイメージです。

◆ケース2

  • できること: 数字に強く、Excelやデータ分析が得意
  • やりたいこと: コツコツ情報を整理して、物事の仕組みを理解するのが好き
  • 目指したい姿: 将来はスキルを武器にして、自立したキャリアを築きたい

→ 職種のヒント「分析や整理が得意で、集中して取り組める業務にやりがいを感じるタイプ。専門性の高いスキルを身につけて、将来的に“自分の力でキャリアを切り拓ける”職種が向いていそう。」

職種の選択例:

  • マーケティング アシスタント(広告運用、数値分析)
  • 業務改善系の事務職(社内データの整備や効率化など)
  • Webアナリスト アシスタント(データから施策を考える仕事)

専門性と数字スキルを活かし、「キャリアの武器になるスキルが得られる職種」として現実的な仮説が立ちます。

◆ケース3

  • できること: 人前で話すのが得意。周囲から「説明がわかりやすい」とよく言われる
  • やりたいこと: 何かを伝えて、人の理解を助けたり、行動を後押ししたい
  • 目指したい姿: 影響力のある仕事を通じて、自分の成長も実感していたい

→ 職種のヒント「人に“伝える力”を活かしながら、誰かの変化や行動を支援するような仕事が合いそう。影響力を持って働くために、言葉・説明力・表現力が武器になる職種が向いている。」

職種の選択例:

  • 営業職(商材を通じて課題解決の提案ができる)
  • 講師職・研修担当(教育業界や企業内研修)
  • 広報・インストラクター(人に伝える・動かす仕事)

ここでは、「伝える力」「人に働きかける力」を軸に職種が見えてきます。

このように、3つの要素を掛け合わせることで、職種の選択に説得力が増し、自分自身でも納得できるキャリアを選択することができます。

3-2. 「完璧な正解」はなくていい。必要なのは“仮の答え”

大切なのは、この時点で“これが一生の仕事だ”と決める必要はまったくないということです。今の自分の状態に照らして、「この方向なら頑張れそう」と思える選択肢をひとつ出してみる。それが、職種選びにおける“仮の答え”です。

キャリアは、実際に働いてみないと分からないことの連続です。だからこそ、まず仮の答えを持ち、実際に動いてみる。その中で経験を積み、視野を広げ、必要なら方向転換していけばいいのです。

3-3. 「今はこれでいい」と思えるかどうかが、実は一番大事

自分の軸に沿って考えたうえで出した答えなら、それが後に変わったとしても、自分で考えて選んだという事実が経験になります。どこかで聞いた“正しそうな選択肢”ではなく、「これが、今の自分にはしっくりくる」と思える職種の仮説を、ぜひ自分の言葉でつくってみてください。

あなたのキャリアは、いつでも上書きできます。今の自分に合った第一歩から始めてみましょう。

4. 職種を限定せずに仕事を探す方法

もし、ここまでのやり方で職種を絞りきれなかったり、決めることに不安を感じたりするなら、あえて職種にこだわらない探し方もあります。ここでは「自分に当てはまる職種が見つからない」「職種を絞って可能性を狭めたくない」という方に向けて、職種にこだわらない探し方という代替案をご紹介します。

4-1. 「職種」はラベルに過ぎない

仕事探しを行う上で知っておいてほしいのは、「職種」とはあくまで仕事をカテゴリー分けするための「ラベル」に過ぎないということ。それが仕事の中身を必ずしも正確に表しているとは限りません。

たとえば、広告業界では「営業」の仕事を「アカウントプランナー」と呼ぶことがあります。クライアントの課題をヒアリングし、最適なメディアプランを提案する――仕事内容は限りなく営業に近いのに、求人上の職種名は「営業」ではありません。
また、一言に「営業」といっても業務範囲は様々。A社の営業はアポイントから契約締結までに特化した役割、B社では契約後の納品対応まで含めて営業のお仕事、といったような違いもけっして珍しいことではありません。業界や企業によって職種の呼び方や意味が変わることがあるので、職種名だけで仕事を理解しようと「思っていた仕事と違う」とギャップを感じてしまう危険があります。

職種を軸に仕事を探すのは効率的で便利です。しかし、本当に自分に合った仕事を見つけるためには、職種にとらわれない視点を持つことも大切です。

4-2. 転職エージェントを活用して、職種に縛られない視野を得る

職種にとらわれない仕事探しの方法として、転職エージェントを利用するという選択肢があります。転職エージェントは、スキル、経験、志向性を整理してくれる専門家です。自分では気づかない「活かせる職種」を提案してくれるケースも多くあります。

職種名をベースに探すのではなく、「こういう働き方をしたい」「こういう価値を提供したい」と壁打ちをしながら自分の希望を言語化していくと、職種をまたいだ提案が得られやすくなります。特にコミュニケーション力、調整力、問題解決力といったポータブルスキルがある人は、職種を限定しないキャリア設計が可能です。一人で悩むよりも、プロの視点を借りることで視野が広がることもあります。

4-3. キーワードやスキルで仕事を探してみる

求人検索では「職種名」ではなく、「得意なこと」「やりたいこと」をキーワードにする方法もあります。たとえば、「人と話す」「文章を書く」「数字を扱う」「調整」「サポート」などのキーワードで検索してみましょう。これにより、想定外の職種や業界との出会いが生まれます。自分のスキルセットから逆算して仕事を探すことで、職種に縛られない「スキルドリブン」なキャリア設計ができます。固定観念にとらわれず、柔軟に探してみることで、意外な適職に出会えるかもしれません。

4-4. 「職種」ではなく「スキル」を育てるキャリアもある

今後の時代は、「職種」よりも「スキル」を中心にキャリアを考える流れが強まっています。どんな職種でも、身につけたスキルは別の職種に転用できるポータブルスキルになります。たとえば、営業で培った課題解決力や交渉力は、コンサル職やカスタマーサクセスに応用可能です。事務職で身につけた正確性や調整力は、人事やアシスタント職へ活かせます。「スキルを育てる」視点で考えれば、職種に縛られず、キャリアの可能性を広げていけます。一つの職種にこだわるのではなく、スキルを軸にキャリアを描くという選択肢もあることを知っておきましょう。

職種は、あなたのキャリアを考える「入口」のひとつにすぎません。「自分の強みや志向性を活かす」という視点を持てば、職種の枠を超えて道は広がります。職種にこだわらず、スキルや価値観を軸にした柔軟なキャリアの探し方を意識してみましょう。

5. まとめ

職種の選び方に迷ったとき、大切なのは「自分を知ること」から始めることです。できること、やりたいこと、目指したい姿という3つの軸を丁寧に整理し、それらが重なる部分に目を向けてみてください。完璧な答えを探す必要はありません。今の自分に合う「仮の答え」を見つけ、そこから一歩を踏み出すことが何より大切です。職種選びはゴールではなく、キャリアを育てていくスタート地点にすぎません。将来の自分を少しイメージしながら、焦らず、自分のペースで進んでいきましょう。あなたらしい働き方は、これからのあなたの選択と行動で、必ずつくっていけます。