「この不安定な時代に転職ってリスクが大きいのでは…?」
「今の会社を長く続けた方が安泰なのかも…?」
転職は先の見えない未来を自分で切り開く行為。
どんなに情報を集めても不安はぬぐい切れないかもしれません。
しかし、リスクを恐れすぎて何もアクションをしないのも、それはそれで危険なこと。
悩み続ける中で最適なタイミングを逃してしまい、結果後悔する可能性もあります。
大切なのは、転職するリスク、転職しないリスクを正しく理解すること。
今回は、キャリアの選択に伴うリスクについて考えていきたいと思います。
転職をするリスク、しないリスク
どんな選択をして、どんな道を歩んでも、行く先々には多かれ少なかれリスクはあります。
まずは転職に伴うリスクや、転職をしない場合のリスクがどういったものか、考えていきましょう。
転職をするリスク
・新しい環境、ミッション、風土や条件へのミスマッチが発生するリスク
求人情報や企業ホームページを見たり、面接で説明を聞いたり…、
といった情報収集をいくら行っても、実際に働いてみると「思っていたイメージと違う」ということは、 多かれ少なかれ発生します。
転職を決断する前に、イメージできない部分や引っかかりを感じる懸念点は、 できる限り下調べや情報収集を行いクリアにしておくべきです。
・経歴に傷がつき、社会人としての心象が悪くなるリスク
先述のように「入社したもののイメージと違う」ということは可能性としてはあり得る話ですが、 だからといってキャリアの選択においては、合わなければまた次を探せばいいというものでもありません。
転職を繰り返せば、その分、履歴書に書くべき経歴は増えていきます。
その履歴書が、次の転職活動で応募企業にどう見られるかは考えるべきです。
求人企業の多くは採用において長期的に活躍いただける人材を求めています。
そんな中、経験企業数が多かったり、入社から間もない退職が記載された履歴書は 「定着しない、続かない人」と思われてしまう可能性が高いです。
もちろん、企業側の説明不足によってミスマッチが発生することもあり、一概にどちらが悪いとは言えませんが、 履歴書の内容が荒れてしまうと、社会人としての心象も悪くなってしまうということは、把握しておくべきポイントです。
転職をしないことのリスク
・会社の将来性は大丈夫か?
社会情勢が不安定な現代、今は大手だから、中小だからという理由で企業の安定は判断できなくなっています。
自身がいる業界は成長しているのか、それとも衰退しているのか?
その成長/衰退の流れを受けて、自社はどんな取り組みを行い事業を存続させていくのか?
たとえば成長産業に身を置いているとしても、自社が新たな取り組みを何もしていなければ、 競合にシェアを奪われて衰退していく可能性もありますし、 衰退産業と言われる業界でも、独自に新規事業などを展開している企業であれば、 活路を見い出して成長していく可能性があります。
自分が今どんな状況に身を置いているのか、 少し俯瞰で見ながら考えてみると、そこに居続けるリスクの大小も見えるのではないかと思います。
・成長できる環境かどうか
会社の将来性と共に考えたいのが、その会社に在籍し続けたときの自分の将来性です。
現時点で会社がいくら安定していたとしても、将来的にどうなるかは見えないもの。
また、ご自身のライフイベントなどを機に、転職を検討しないといけないタイミングが来るかもしれません。
その時に、ちゃんと次のキャリアに繋がるような成長を描けているか、成長機会がある環境かどうかも気にするべきポイントです。
先の見えない時代だからこそ、企業は時代の変化に柔軟に対応し、 主体的に未来を切り開いていけるような人材を求めています。
ルーティンワークしか与えられない、キャリアアップの道が見えないと感じる環境であれば、 今は良いとしても、長い目で見た時にその環境に満足してしまうことは危険です。
リスクへの対策
先述のリスクは、転職前の事前準備や普段の行動で最小限に抑えることもできます。
キャリア形成におけるリスクにどのように対処すればいいかを考えましょう。
ミスマッチのリスクを防ぐ転職準備
求人情報や企業ホームページは企業の魅力的な部分ばかりを切り取っていることが多く、それだけを鵜吞みにしてしまうとミスマッチが発生する可能性が高いです。最近は「openwork」「ライトハウス」などの企業口コミサイトに従業員の本音が書かれていることもあります。
口コミサイトは退職者によるネガティブな意見が書き込まれていることが多く、実態に沿わない口コミや情報が古いものも多々あります。
あまり真に受けても危険ですが、情報の取捨選択ができれば、社風や企業体質を知るための有効なツールにもなり得ます。
そういったサイトを参考に転職候補の企業情報を集めるのも、ミスマッチのない転職には有効だと思います。
また、企業によっては選考が進む中で、人事や上長だけではなく、配属部署の社員との面談がセッティングされたり、内定段階で企業側からオファー面談の機会が設けられたりする場合もあります。
事前情報で仕事のイメージを固めつつも、イメージし切れない部分、疑問に思う部分などは、そのような場を利用して遠慮せずに質問するなど、疑問を一つ一つクリアにしてから転職を決断することが大事です。
スキルや他者との信頼関係を築き、社会人としてのブランドを高める
転職を繰り返すと社会人としての心象が悪くなるというお話をしましたが、一方で、社会には何回転職をしても企業から選ばれ続ける人材もいます。
近年は「人材流動化」「ジョブ型雇用」という考えが広がっているように、1社に留まらず、プロジェクトやミッションを軸に企業に参画し、役目を果たしたら別の企業へ移るような転職を繰り返す方も存在します。
このようなキャリア形成が実現できるのは、企業に必要とされるスキルを持っているからこそ。
専門スキルや、どんな環境でも通用するポータブルスキルを磨くことで、求人企業に求められる人物であり続けることができれば、履歴書の経歴に捉われない、柔軟な転職が可能になります。
また、転職の方法として昔から根強いのが、人づての紹介で入社をする「リファラル採用」。
自社の社員や知り合いを通じての紹介なので信頼性があり、こちらも書類に捉われず転職を実現できる可能性が高まります。
分かりやすい言葉を使うと「人脈」かもしれませんが、確かな信頼がなければ仕事の紹介には繋がりません。
浅く広く顔を売るのではなく、自分という存在を認めてもらえるよう一人ひとりと丁寧に関わっていけば、仕事のチャンスが舞い込む可能性も高まるかと思います。
チャンスに積極的に飛び込む
転職のタイミングが「今」ではないとしても、いつそのタイミングが訪れるかはわかりません。
会社の財政状況や、辞令による望まぬ転勤や部署異動、ライフイベントなど、予期せぬきっかけで転職を迫られる可能性もあります。
その時に備えて、現職でも成長志向を持ちキャリアを築き続けることが大事です。
任されるのがルーティンワークだけであっても、業務改善や効率化の起案など、今の立場でもできることはあるかもしれませんし、その結果、業務が改善され使える時間が増えれば、その分、違うことに挑戦できる可能性も高まります。
また、会社によっては社内プロジェクトのメンバーを公募することもあると思います。
そういったプロジェクトに飛び込むことで、定型業務以外のスキルを身につけたり、他部署や上層も巻き込んでプロジェクトを推進していくようなヒューマンスキルを高めることもできます。
今後訪れるかもしれない転職の機会に備え、職務経歴書にかけることを増やすようなイメージで、色々なことにトライしてみると良いと思います。
自分の決断に誇りを持とう
キャリアの選択を決めるのは自分自身。
どんな選択にもリスクはありますが、何が正しい、何が間違っているといった正解はありません。
大切なのは、自分の踏み出した一歩を自分自身で正解に繋げていくこと。
楽観的になり過ぎず、かといって悲観的にもならず、リスクと正しく向き合い、今できることを積み上げていきましょう。
株式会社トーコンでは、キャリアに関するご相談を承っております。
あなたが正しくキャリアを築いていけるように、転職やキャリア形成におけるリスクも明確にお伝えした上で、最善の選択肢を一緒に考えていきます。
あなたの今後のキャリア形成に寄り添い、納得のいく転職を実現するお手伝いができればと思いますので、ぜひお気軽にご相談ください。