転職を行うにあたって必要になるのが、履歴書、職務経歴書などの応募書類。
一般的に転職における書類選考の通過率は30%~50%と言われています。
つまり半数以上は書類選考で不合格となる狭き門であり、選考の土台に立つためには、応募書類の作成にも手を抜くことはできません。
折角興味を持って応募した企業なのに、書類で不採用となってしまっては悔しいですよね。
今回は、履歴書や職務経歴書を作成するうえで押さえたいポイントについて、考えていきたいと思います。
履歴書の役割
応募書類は主に「履歴書」「職務経歴書」の2つが必要となります。
そのうち、履歴書は名前・年齢・住所等の基本情報、学校卒業から現在に至るまでの経歴、趣味・特技などのパーソナリティ、応募企業への志望動機などを要約したものです。
担当者は履歴書を通じて「経歴」「志望動機」はもちろん「ビジネスマナー」もチェックします。
ポイント①「経歴」
経歴からは、あなたが人生をどのように歩んできたかが読み取れます。
あくまで情報の一端なのでそこですべてが分かるわけではありませんが、学校名、学部、就職先、在籍期間など、様々な情報をもとに、あなたの興味関心や人柄、性格まで想像を膨らませます。
概要なので事細かに記す必要はありませんが、例えば学校名を記す際は専攻分野まで記載したり、会社名だけでなく、配属部署・役職・職種も記載したりと、何をやっていたのかが伝わるように記載した方が、相手の想像もより明確になります。
ポイント②「ビジネスマナー」
人事担当者は、履歴書の内容からビジネスマナーの習熟度も読み取ります。
たとえば、文字の丁寧さや書式の統一性。
手書きで作成する場合は、適切な大きさで丁寧に文字を書くなど、相手が読めるような気遣いが必要です。
今はPCなどデータで書類を作成される方が主流ですが、データ作成の際も、フォントや文字の大きさが統一されているかといった配慮が求められます。
また、写真は書類の中で真っ先に目に触れる箇所。
見た目で採用を行うわけではありませんが、身だしなみが整っているか、清潔感はあるか、表情は暗くなっていないかなど、最大限印象を良く見せる努力も必要です。
今はスマホなどで簡単に写真も撮れますが、自撮り写真は目線や体勢などでわかってしまうもの。
証明写真機で構わないので、正式な書類に使う写真を用意すべきです。
不備がなく、提出相手に気を配った書類を作成することは、社会人として身に着けるべきマナー。
これが備わっていないと、担当者は入社後の社内外のコミュニケーションに不安を感じてしまいます。
ポイント③「志望動機」
志望動機は、応募企業向けに作られたものかどうかが見られます。
一つの理由を使いまわすのではなく、応募企業への理解を進めた上で、自分との共通項やその会社でやりたいことをイメージしながら、志望動機を考えましょう。
志望動機は応募企業によって変える部分になるので、まずはその他の項目を作成しベースを整え、志望動機のみ応募企業に合わせて変えていく形で作ると効率的です。
職務経歴書の書き方
職務経歴書では、履歴書よりも詳細に職務経歴を伝えていきます。
その会社でどんなことをしたのか、どんな実績を上げたのか、どんなスキルを持っているのかなど、経験・能力をプレゼンテーションするのが職務経歴書の役割です。
人事担当者は職務経歴を通じて、スキルや能力、仕事のスタンスといったポイントに注目します。
大事にしたいのは、実績や成果だけではなく、それを裏付ける取り組みやスタンスまでしっかり言語化できていること。
優秀な実績があればもちろんそれは明確なアピールポイントですが、なぜその成果を出すことができたのか、それを示すことができないと、次の会社でも同じように活躍できるという可能性は見出せません。
「トップセールス」「社長賞受賞」などの輝かしい肩書ではなく、企業は自社で活躍できる人材を採用したいのです。
成果はもちろん大事ですが、その成果を出すに至るプロセスまできちんと振り返り、自身の仕事のスタンスや特性まで伝えることが重要です。
職務経歴書は基本的には「職務要約」、「職務経歴」、「活かせる経験・知識・技術」、「資格」、「自己PR」の順でまとめます。(フォーマットによって多少の違いはあります)
職務要約
これまでの社会人としての歩みを簡潔にまとめ全体像を示します。
「職務経歴」の項目で詳細を記載するので、「職務要約」は3~4行程度でまとめるのが最適です。
どの会社で、どれくらいの期間、何を経験したかが分かれば問題ありません。
就職や転職など、それぞれの転機で何がきっかけだったのかを記載すると、キャリアの流れがよりイメージしやすくなると思います。
職務経歴
在籍企業ごとに、どれくらいの期間、どのポジションで、どんなことをやってきたのかをまとめていきます。
具体的には、下記3点に焦点を絞ります。
・会社内での役割、ミッション
会社からどんなことを任されていたのか、業務として何を行っていたのかを記載します。
たとえば営業であれば商材、顧客属性(大手・中小、既存・新規など)、顧客数、単価、営業手法などが分かるとよりイメージも湧きます。
・実績(達成率、成果など、達成難易度なども分かれば)
売り上げや目標達成率などの定量的な成果、顧客や社内への影響など定性的な成果といった軸で実績を記します。
併せて成績順位や社内評価、表彰歴、社内外からの声なども分かると、仕事の難易度や相対的な評価も分かり、その成果の凄みが伝わります。
・実績を出すにあたり工夫した点
その成果に至るまでにどのような課題があり、どのように思考し、行動した上で壁を乗り越えたのか、プロセスまで言語化することができれば、仕事のスタンスや行動特性など、ビジネスパーソンとしてのあなたの人となりが伝わります。
KPIが設定されている場合は、KPI達成に対する取り組みや達成率まで記載することで、よりプロセスが可視化されます。
活かせる経験・知識・技術
ビジネスにおいて自身が活かせる経験・スキルを棚卸し、箇条書きでもいいので記載していきましょう。
ポイントとしては、業界・職種ごとの専門性を有する「テクニカルスキル」、業界や職種に限らず幅広く活かすことができる「ポータブルスキル」という2つの軸で考えると整理しながら考えることができます。
- テクニカルスキル:資格、業界知識、専門ツール・ソフトウェアの使用経験、市場理解 など
- ポータブルスキル:PCスキル、語学力、マネジメント力、論理的思考力、企画力 など
自己PR(強み、特性)
これまで整理した職務経歴やスキルを踏まえ、転職後、いかに戦力として活躍できるか、応募企業に貢献できるかをアピールします。
活かせる強み、特性を見出しに置き、それをアピールできるような具体的なエピソードを示せば、より説得力が高まります。
また、企業理解や求人情報から、募集ポジションにて求めている人物像を把握しており、自身に合致する部分があるのであれば、それを重点的にアピールすると効果的です。
書類作りを通じて、自分のできることを明確にしよう
履歴書、職務経歴書作りを通じて自分の人生や仕事を整理して言葉にすることができれば、面接の場で自分のことを聞かれた際にも明確な答えが準備できるため、自己PR力が高まります。
転職の一つ一つのプロセスはあなたの血肉になり、自己成長に繋がるはず。
大変な作業ではありますが、ぜひ前向きに取り組んでいただければと思います。
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