「キャリアの棚卸しをしましょう。」
転職活動を進める中で、こんな言葉を耳にすることもあるのではないでしょうか?
しかし、「具体的に何をすればいいのか?」「なぜ必要なのか?」と疑問に感じる方も多いはずです。キャリアの棚卸しとは、これまでの経験やスキル、実績を整理し、転職活動に活かすための準備作業です。ただ職歴を並べるのではなく、「自分は何ができるのか?」「どんな価値を提供できるのか?」を言葉にすることで明確にしていくことが目的です。これをしっかり行うことで、自分に合った仕事を見つけたり、履歴書や職務経歴書の作成や面接の場で自己PRができるようになることにも繋がります。
この記事では、キャリアの棚卸しとは何か、なぜ必要なのかをわかりやすく解説し、具体的なやり方や転職活動での活かし方まで詳しく紹介します。「キャリアの棚卸しってどうすればいいの?」と思っている方も、この記事を読めばスムーズに進められるはずです。ぜひ最後まで読んで、転職活動の準備を整えましょう。
目次
- 1. キャリアの棚卸しとは?
1-1. キャリアの棚卸しとは何か?
1-2. なぜキャリアの棚卸しは重要か? - 2. キャリアの棚卸しのやり方
2-1. キャリアの棚卸しのゴールとは?
2-2. 職務経験の振り返り方
2-3. 成果・実績の振り返り方
2-4. 得意なスキル・強みの整理方法
2-5. 活かせる資格の整理方法 - 3. キャリアの浅い人、経験に不安がある人はどうすればいいか?
3-1. キャリアが浅くても棚卸しはできる
3-2. 経験が少なくてもできる職務経験の整理
3-3. 成果が少なくてもできる実績の振り返り方 - 4. キャリアの棚卸しの活かし方
4-1. 求人選びへの活用
4-2. 履歴書・職務経歴書への反映方法
4-3. 面接におけるキャリア棚卸しの活用
4-4. スキルアップと学び直しへの活用 - 5. 転職エージェントを活用して、キャリア棚卸しをもっと効果的に!
5-1. 転職エージェントによるキャリアの棚卸し
5-2. エージェント活用のポイント - 6. まとめ
1. キャリアの棚卸しとは?
転職活動を始めるにあたって、多くの人が「自分には何ができるのか?」「どんな仕事が向いているのか?」という悩みを抱えています。そんな時に必要になるのが「キャリアの棚卸し」です。
1-1. キャリアの棚卸しとは何か?
キャリアの棚卸しとは、これまでの経験・スキル・実績を整理し意味づけをすることです。単に職歴を羅列するのではなく、自分の経験やスキルを他人にわかりやすく説明できるようにすることが目的です。また、自分のキャリアを言語化し、その背景や意図を再認識することで、自分の価値観や強みを整理する機会にもなります。特に転職活動では、面接官に自分の強みや実績を効果的に伝える必要があり、そのための重要な準備となります。
1-2. なぜキャリアの棚卸しは重要か?
キャリアの棚卸しが重要である理由は、主に以下の3つです:
- 「自分は何をできる人か?」を明確にするため
転職活動では、企業の採用担当者に「この人を採用すると、どんなメリットがあるのか?」を示すために、自分の強みや貢献できることを言語化する必要があります。 - 自分の経歴を魅力的に伝えるため:
いきなり履歴書や職務経歴書を書こうとすると、何をどう書けばいいのか分からないものです。過去の経験・スキルを整理することで、「何をどう伝えるべきか?」が明確になります。 - 自分に合う仕事を明確にするため:
転職活動では「自分に合う会社・仕事」を見極めることも重要です。キャリアの棚卸しを行うことで、「経験が活かせる仕事」「強みや特性・価値観に合った仕事」も明確になります。
キャリアの棚卸しは、単に職歴や実績を羅列すればいいというわけではありません。所属する会社のことや自分に与えられたミッションなどの背景情報や、成果を出すまでに至ったプロセスまで整理することで、自分自身の仕事のことや自分らしい考え方を自分自身でしっかりと理解・自覚し、説明ができる状態にすることが大切です。棚卸しを行わないまま転職活動に臨むと、面接で「自分は何ができる人か?」を明確に伝えられず、うまく自己PRできない可能性が高まります。
自分の価値を自分自身で示すために、自分の歩みをしっかり整理することがキャリアの棚卸しを行う意義です。
2. キャリアの棚卸しのやり方
「キャリアの棚卸し」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、適切な方法で取り組むことで、誰でも効果的に整理することができます。ここでは、順を追って具体的な方法を解説していきます。
2-1. キャリアの棚卸しのゴールとは?
キャリアの棚卸しのゴールは、自分の経験やスキルを他人に分かりやすく説明できる状態になることです。具体的には、以下の4つの項目を明確にしていきます。
- 職務経験(どんな会社で、どんな役割を担ったか?)
- 成果・実績(どんな課題をどう解決し、どんな結果を出したか?それはなぜ出来たのか?自分らしさはそこにどう紐づくか?)
- 得意なスキル・強み(どんなスキルを有し、何をすることができるか?)
- 活かせる資格(知識やスキルの裏付けとなる資格や、それを取得するまでの学習経験)
これらの項目を整理することで、転職活動での自己アピールや面接対策に活用できる情報が揃います。
2-2. 職務経験の振り返り方
職務経験の振り返りは、単なる業務内容の列挙ではなく、その仕事の背景や環境まで含めて整理すると、より具体的に自分の仕事を説明することが出来ます。自分の仕事について振り返る前に、まずは自分が働いている会社のことを整理してみましょう。
会社情報の整理例:
項目 | 内容(例) |
---|---|
業界 | IT業界(SaaS企業、BtoB向けクラウドサービス) |
市場環境 | SaaS市場は成長中、競争が激化している |
会社の立ち位置 | 業界3位のシェア、スタートアップから急成長中 |
事業フェーズ | シリーズB調達後の成長フェーズ |
ビジョン・ミッション | 「日本の企業DXを推進する」 |
その上で、自分自身の職務や役割について振り返ってみてください。
職務情報の整理例:
項目 | 内容(例) |
---|---|
職種 | 営業 |
期待されたミッション | 「新規開拓で月10件の商談を獲得」「既存顧客の解約率5%以下に抑える」 |
担当業務 | 新規顧客開拓、既存顧客フォロー、提案資料作成 |
期間 | 2019-2024 |
配属部署 | 営業部 |
役職 | チームリーダー |
自分の日々の仕事だけではなく、自分が身を置く会社や業界など取り巻く環境のことも振り返ることで、自分の仕事や立ち位置を俯瞰して見つめ直すことができ、他社に説明する際も、よりイメージしやすく伝えることが出来ます。
2-3. 成果・実績の振り返り方
成果や実績を整理する際は、結果だけを並べるのではなく、「状況」「課題」「行動」「結果」の流れに沿って、成果に至るまでのプロセスも振り返ることが大切です。そうすることで、成果を生み出せた理由を具体的に説明できるようになり、転職後も同じように成果を出せる再現性の高いスキルを持っていることをアピールできます。
成果・実績の振り返り例:
項目 | 質問(自分の考えを深めるための視点) | 内容(営業職の例) |
---|---|---|
状況 | どんな環境・背景のもとで仕事をしていたか? | 新規営業部に配属。既存顧客ゼロ、競争が激しい市場。 |
課題 | その状況の中で、どんな課題を見つけたか?なぜその課題が重要だと考えたのか? | 顧客開拓が進まず、売上が伸び悩んでいた。新規開拓手法が確立されていなかったため、早急に仕組み化が必要だった。チームリーダーとしてこれは自分が着手すべきだと思ったため上司に任せてほしいと提案した。 |
行動 | その課題に対して、どのように考え、行動計画を立てたか? 計画を立てる際に意識したことは? | まず、業界の営業手法をリサーチし、成果が出ている企業の事例を分析。効率的にアポを取るために「テレアポ×SNSマーケティング」を組み合わせる戦略を立てた。 |
実行 | 計画をどのように実行したか?工夫したポイントは? | テレアポのスクリプトを改善し、ターゲットごとにパターンを作成。SNSでは専門的な情報発信を継続し、DMから商談につなげるフローを確立。 |
結果 | どんな成果が出たか?どのような評価を得たか? | 3ヶ月で新規顧客20件獲得。チームにもノウハウを共有し、営業部全体の商談数が30%増加。その変化にメンバーの意欲も高まった。 |
このように整理することで、単なる結果だけでなく、「どのように考え、どう行動したか」までしっかりと伝えることができます。
尚、成果を示す場合は、周囲と比較した時の相対評価を示すことも意識してみましょう。その成果や実績が周囲と比べて優れたものなのかどうかは、社外や業界外の人には判断が難しいです。実績の高さを示すために、その難易度を示す指標や、社内外における相対評価を示す数値があれば併せて振り返りましょう。もし数値化が難しい場合は、上司や同僚など関係者の反応や満足度などを具体的に伝えることも有効です。
2-4. 得意なスキル・強みの整理方法
スキルを整理する際に大切なのは、「どのように可視化するか?」 という視点です。
「自分には特別なスキルなんてない」と思っている人も、正しく振り返ることで「意識していなかったスキル」を発見できることがあります。
時間軸でのスキル比較例
入社当時の自分と現在の自分を比較することで、新しく身に付いたスキルや苦手を克服したことなどを明確化することが出来ます。
時間軸での振り返りを通じたスキルの棚卸し:
入社時 | 現在 | 成長したスキル |
---|---|---|
お客様との商談に自信がなかった | プレゼン・交渉が得意になった | 提案力・プレゼン力 |
マーケティング知識がなかった | 競合分析や市場調査を実施するようになった | 市場分析・戦略立案力 |
業務プロセスを振り返る
1つの業務を完遂するまでの一連の流れを振り返り、成し遂げるまでにどんなことを行っているか振り返ってみましょう。中には無意識に対応しているものの、一定のスキルが求められるような業務もあるかもしれません。
業務プロセスの振り返りを通じたスキルの棚卸し:
業務内容 | 意識的に行っていること | 無意識に出来ていること |
---|---|---|
クライアントとの打ち合わせ | 事前に課題をリサーチし、仮説を立てる | 相手のリアクションを見ながら提案をアレンジ |
チームの進捗管理 | 進捗確認の際に、細かいタスクを具体化 | メンバーが動きやすいように声をかける |
日々、あなたは身に着けた様々なスキルを活用しながら仕事に臨んでいるはずです。ぜひ、一度自分の業務を振り返り、そこで発揮しているスキルに目を向けてみてください。
スキルを分類する
スキルには、大きく分けて 「テクニカルスキル(専門的な技術)」と「ポータブルスキル(汎用可能な技術)」 の2種類があります。スキルの可視化ができたら、そのスキルを分類してみてください。
スキルの分類:
スキル種別 | 具体例(営業職) |
---|---|
テクニカルスキル | パワーポイント操作、個別の業界毎の商習慣や専門知識 |
ポータブルスキル | コミュニケーション力、リーダーシップ、課題解決力 |
スキルを分類することで自分の強みを的確に把握し、転職先でどのスキルが活かせるのかを判断しやすくなり、キャリアの選択肢を広げることにもつながります。たとえば、テクニカルスキルが備わっていれば、現職の経験を活かしつつ、さらに専門性の高い仕事に挑戦できる可能性があります。一方で、ポータブルスキルが備わっていれば、業界や職種を超えてチャレンジの幅を広げることが可能です。
2-5. 活かせる資格の整理方法
自身が保有している資格についても振り返ってみましょう。持っている資格を列挙するのは簡単ですが、業務に活かせる資格や、自発的に取得した資格については「なぜ取得したのか?」「どのように活かしたか?」 までを振り返り、明確にしてみてください。資格取得の動機や学習プロセスを振り返ることで、自身の学習スタイルや強みを認識し、転職活動での自己PRにつなげることができます。
以上の手順で整理した内容は、後述する履歴書作成や面接対策に活用することができます。また、自分のキャリアを振り返ることで、自分の成長度合いやキャリアの方向性を可視化することができるため、今後のキャリア構築を考える上での指針にもなります。建設的なキャリア構築において、キャリアの棚卸しは不可欠な作業です。
3. キャリアの浅い人、経験に不安がある人はどうすればいいか?
キャリアの棚卸しを行う中で「キャリアが浅い」「実績が少ない」と、書くことに悩む方も多いでしょう。しかし、大切なのは経験の長さやアピールできるような著しい実績の有無ではなく、これまでの経験から何を学び、どう成長したかです。ここでは、経験が浅い方でも実践できる具体的な棚卸し方法をご紹介します。
3-1. キャリアが浅くても棚卸しはできる
経験が浅く自分の経歴に自信がない場合でも、以下の観点を意識して、キャリアの棚卸しに挑戦してみてください。
- 短期間でも「学んだこと・成長したこと」は必ずあるはずです。
- 短期間で習得できたスキルや知見があれば「吸収力・成長力」を示すことが出来ます。
- 正社員としての就業以外の多様な経験(アルバイト・ボランティア・学校の活動)も1つのキャリアです。ただし、数をアピールし列挙するのではなく、今の自分にどうつながっているのかという紐づけも重要です。
大切なのは「経験が少ないから何もない」と諦めるのではなく、「今あるものをどう活かすか」を考えることです。特に、2-4でお伝えしたような「ポータブルスキル」は職務経験だけではなく、学校活動などのあらゆる業務経験の中で習得しているケースも多いので、無意識のうちに習得しているスキルがあるかもしれません。ぜひ前向きに棚卸しに取り組んでみてください。
3-2. 経験が少なくてもできる職務経験の整理
キャリアの浅さや実績のなさに悩む方は、下記の3つの観点で職務経験を整理してみましょう。
学び・チャレンジ・成長を通じた経験の棚卸し:
視点 | 質問 | 記入例(新卒1年目の営業職) |
---|---|---|
学んだこと | これまでに学んだことは? | ビジネスマナー、提案書の作り方、顧客対応 |
チャレンジしたこと | 初めて取り組んだことは? | 初めての営業プレゼン、社内プロジェクト参加 |
成長を感じたこと | できるようになったことは? | アポの取り方が上手くなった、社内報告がスムーズに |
「何を学び、どう成長したか?」にフォーカスすると、経験が浅くても職務経験を整理することができます。
3-3. 成果が少なくてもできる実績の振り返り方
目標の達成や好成績の実現、表彰歴など、わかりやすい実績がないと不安に感じるかもしれませんが、数値化できる成果だけが「実績」ではありません。以下のような経験も立派な実績として評価されます:
- 上司や同僚から褒められたこと・評価されたこと
- 挑戦を成し遂げたこと・改善に成功したこと
- 成功したことだけではなく成長したこと
3つの視点をもとにした成果の振り返り:
視点 | 成果 |
---|---|
周囲からの評価 | 提案資料の分かりやすさを上司から評価された |
克服した課題 | プレゼン苦手を克服。ロープレで練習を重ねた |
初めての挑戦 | 一人で商談を完遂。提案から成約まで担当した |
大きな成果と思えるものがなかったとしても、成長・努力したことを整理することで、仕事に向き合う姿勢や学習意欲、成長性などのポテンシャル(可能性・伸びしろ)を示すことが出来ます。
経験の浅さは、一見するとマイナスに感じるかもしれません。しかし、キャリアが浅いからこそ、「仕事に向き合う姿勢」「学習意欲」「成長性」 を示すことで、そのポテンシャルに価値を感じる企業もあります。大切なのは、今までの経験を振り返り、「どんなことを学び、どのように成長したのか?」 を具体的に言語化することです。たとえ実績が少なくても、どのような姿勢で仕事に取り組み、何を吸収しようとしてきたのかを伝えることで、「今後の成長が期待できる人材」として評価される可能性が高まります。
経験の長さにとらわれるのではなく、これまでの経験の中で得た学びをどのように活かしていくか? に目を向けることが、転職活動の成功につながります。
4. キャリアの棚卸しの活かし方
キャリアの棚卸しで整理した内容は、転職活動のさまざまな場面で活用できます。ここでは、具体的な活用方法と、より効果的に伝えるためのポイントを解説します。
4-1. 求人選びへの活用
キャリアの棚卸しを通じて自分の強みや成長課題が明確になれば、より戦略的な求人選びが可能になります。漠然とした職種選びではなく、自分のキャリアを次のステップに進めるための選択ができます。
例えば、営業経験を振り返ると、単に「営業をしていた」というだけではなく、その業務プロセスを詳細に分岐することで具体的なスキルや経験が浮かび上がり、それがどのような分野で活かせるか見えてきます。
営業職の経験を活かした転職の例:
営業経験の棚卸し | 活かせるスキル | マッチする求人 |
---|---|---|
新規開拓営業を行ってきた | 市場分析・ターゲットリスト作成・商談創出 | 新規事業の営業、新商品を売る営業、BtoC営業 |
効率的な営業活動のために、アプローチ先を精査した | データ分析・ターゲティング | マーケティング職、営業企画職 |
顧客のニーズに合わせて提案内容を調整した | 課題解決力・提案力 | コンサルティング営業、カスタマーサクセス |
既存顧客の契約継続率向上に貢献した | 関係構築・フォローアップ | ルート営業、カスタマーサポート |
このように、一言に「営業経験」と言っても、新規営業と既存営業では活かせるスキルが異なる可能性があります。また、同じ会社の同じ営業を経験していたとしても、人によって成果を出すポイントは違うかもしれません。そのため、職務経験を詳細に振り返り、具体的に「どんなスキルを使って成果を出したか?」を整理することが大切です。そうして可視化することで、その経験がどのようなキャリアに繋がるかも浮かび上がってきます。
4-2. 履歴書・職務経歴書への反映方法
履歴書や職務経歴書は、あなたの強みや成果を効果的に伝えるためのツールです。キャリアの棚卸しで整理した内容を活用し、説得力のある文章に仕上げていきましょう。
書類作成のポイント:
- キャリア棚卸しで整理した「職務経験」「実績・成果」「スキル」を元に記載を行う
- 実績や自分の強みは「箇条書き」ではなく、それぞれのつながりや背景をもとに「ストーリー」として整理する
- 企業が求めるスキル・経験と、自分の強みをリンクさせる
たとえば、営業職としての経験をアピールする際、経歴だけを端的に伝えると下記のような書き方になります。
法人営業を担当し、新規開拓および既存顧客フォローを行いました。
この経験を、キャリアの棚卸しによって具体的な取り組み内容や成果まで振り返ることができれば、下記のような書き方が可能になります。
法人営業として新規開拓戦略を立案。テレアポとSNSマーケティングを組み合わせた新しい営業手法を導入し、3ヶ月で新規顧客20件を獲得。さらに、このノウハウをチーム内で共有することで、部署全体の商談数を30%向上させました。
さらに細かく棚卸しを行い、課題設定や、取り組みの工夫、結果の相対的な評価なども明確にすると、下記のような書き方が可能です。
法人営業として新規開拓を担当する中で、従来のテレアポ中心の手法では競争が激しく、接触率が低下していることが課題でした。また、ターゲット選定が曖昧で、商談につながる確率が低いことも問題でした。そこで、ターゲット精度の向上と営業プロセスの最適化を目的に、テレアポとSNSマーケティングを組み合わせた新しいアプローチを導入。過去の受注データを分析し、関心度の高いターゲットを定義した上で、営業スクリプトを作成しました。さらに、初回接触時は顧客の課題を引き出すヒアリングを重視し、提案の質を高める工夫を行いました。
この結果、3ヶ月で新規顧客20件を獲得し、商談化率も20%から35%へ向上。加えて、ノウハウをチームに共有し、営業フローを標準化することで、部署全体の商談数が30%増加。この手法は社内でも高く評価され、全営業部門での戦略モデルとして採用されました。
このように、キャリアの棚卸しを行うことで、より説得力をもった実績のアピールを行うことが出来ます。履歴書や職務経歴書の作成については、下記の記事にてより詳しく解説をしています。
※参考:
【履歴書、職務経歴書の作り方】あなたの実力、魅力が正しく伝わる、応募書類作成のポイント-とこキャリ(tokon.co.jp)
「職務経歴書が書けない!」基本的な作り方と、書けない原因に合わせた対処法-とこキャリ(tokon.co.jp)
4-3. 面接におけるキャリア棚卸しの活用
面接で重要なのは、用意した回答を機械的に話すことではなく、相手の質問や意見を受け止め、それに応じて自分の経験や考えを伝えながら、対話を重ねること です。面接は単なる一問一答の場ではなく、「自分が企業にどう貢献できるのか?」を相手とともに明確にしていくプロセスだと考えると良いでしょう。
ここで、キャリアの棚卸しが活きてきます。経験やスキルを事前に整理しておくことで、面接の場で「伝えたいこと」を無理に押し込むのではなく、相手の問いに合わせて最適なエピソードや実績を引き出せる状態になるからです。
例えば、面接官が「チームでの役割について教えてください」と質問したとします。キャリアの棚卸しができていれば、「過去にどんな役割を担い、どんな工夫をして成果を出したのか?」が頭の中で整理されているため、その場に適したエピソードを選び、具体的に話すことができるようになります。一方で、事前に決めた内容をそのまま話そうとすると、流れを無視して一方的に話すことになり、相手の意図とズレが生じることもあります。
面接の本質は、企業と自分との「相互理解」を深めることにあります。キャリアの棚卸しをしておけば、ただ暗記した自己PRを話すのではなく、「相手の質問に合わせて、自分の経験を適切に伝える」という柔軟な対応ができるようになるため、より建設的な議論ができるようになります。結果として、企業側も「この人と一緒に働くイメージができる」と感じやすくなり、選考の通過率も高まるでしょう。
4-4. スキルアップと学び直しへの活用
将来的に目指したいキャリアがある場合、キャリアの棚卸しを行い、自分の今の能力やスキルを客観的に振り返ることで、目指す姿と今の自分とのギャップを明確にすることが出来ます。ギャップを明確にすることで、今後どのようなスキルを習得していくべきかがわかるため、戦略的なキャリアプランを立てることができます。
キャリアプランの例:
目標 | 今後必要なスキル | 具体的な学習方法 |
---|---|---|
マーケティング職に就きたい | データ分析力 | マーケティング分析の講座受講 |
責任者として事業を動かしたい | マネジメント力 | 社内研修参加、リーダー経験の蓄積 |
大切なのは、ただ漠然と「スキルアップしなければ」と考えるのではなく、「自分に何が足りていないのか?」を具体的に知り、適切なアクションを取ることです。キャリアの棚卸しを通じて、自分の成長に必要な道筋を描き、実現可能なステップを一つずつ積み重ねていきましょう。定期的に棚卸しを行い、自分が習得したスキルや残した実績を可視化していくことで、自分の成長を実感することができます。ぜひ、3カ月、半年、1年などのスパンで棚卸しを行いながら、前向きにキャリア形成に取り組みましょう。
5. 転職エージェントを活用して、キャリア棚卸しをもっと効果的に!
より効果的にキャリアの棚卸しを行いたい場合は、転職エージェントの活用がお薦めです。キャリアのプロに自身の経歴を客観的に見てもらうことで「自分では気づかない強み」や「市場での価値」に気付くことができる可能性があります。
5-1. 転職エージェントによるキャリアの棚卸し
エージェントは市場の動向を熟知しており、「どの経験・スキルが転職市場で評価されるのか?」を踏まえながらアドバイスをしてくれるため、効率的に自分の強みを整理できます。また、その後の転職サポートも一貫して行うことができるため、書類添削や面接対策においても、棚卸しの結果を踏まえた個別のサポートを受けられるのが大きなメリットです。
転職エージェントが提供するサポート:
- 経験・スキルの分析:
市場価値のある経験・スキルを整理し、どの職種・業界で活かせるかを明確にする。 - 強みの客観的評価:
自己分析では見落としがちな強みや適性を、客観的な視点から発掘する。 - 書類作成支援:
履歴書・職務経歴書を企業に伝わりやすい形にブラッシュアップし、効果的なアピールにつなげる。 - 面接対策:
想定質問への回答準備や模擬面接を通じて、実践的な面接スキルを向上させる。
転職エージェントを活用することで、キャリアの棚卸しがより具体的かつ実践的なものになります。加えて、自分のスキルや経験、強みを理解した上で、求人の紹介やその後の選考対策を行うこともできるので、転職活動をスムーズに進めることができるでしょう。キャリアの棚卸しを進める際は、一人で抱え込まず、プロのアドバイスを積極的に活用することも選択肢の一つです。
5-2. エージェント活用のポイント
転職エージェントを最大限活用するために、以下の点を意識しましょう:
- 転職の目的や希望条件を明確にしておく:
目的や条件が曖昧だと、エージェントからの提案がズレてしまうことがあります。希望する業界や職種、働き方の条件を整理しておくことで、より適切な求人を紹介してもらいやすくなります。 - キャリアの棚卸しで整理した内容を準備する:
自分の経験やスキルを事前に整理しておくことで、エージェントとの面談がスムーズになり、強みや市場価値をより的確に評価してもらうことができます。 - 市場価値や今後のキャリアについて積極的に相談する:
エージェントは市場の動向を熟知しており、現時点での市場価値や今後のキャリアの選択肢について客観的なアドバイスをくれます。受け身にならず、気になることは積極的に質問しましょう。
転職を行うかどうかも含め、キャリアの選択を行うのは自分自身。転職エージェントは今後のキャリアを定める上で強い味方になってくれますが、すべてを頼るのではなく、まずは自分自身でキャリアの棚卸しや希望条件の整理し、その上でプロのアドバイスを取り入れていくことが大切です。
6. まとめ
建設的なキャリア形成を行うための第一歩となるのが「キャリアの棚卸し」です。キャリアの棚卸しを行うことで、 自分の強みや得意なことが明確になり、転職の方向性を定めたり、履歴書や面接で自己PRを行うことがスムーズになります。「自分には大した実績がない」と感じている人も、経験の整理の仕方次第で新たな価値や強みを発見できるかもしれません。
転職は大きな決断ですが、キャリアの棚卸しを通じて「自分は何ができるのか?」「どんな仕事が向いているのか?」をしっかり見つめ直せば、自信を持って次の一歩を踏み出せるはずです。 焦らず、一つひとつのステップを大切にしながら、自分にとって最良の選択をしていきましょう!