この記事では、前回に続きトーコンエージェントの発起人、事業責任者を務める渡辺雄也のインタビューをお届けします。
前編:
【エージェント紹介①-前編:事業責任者・渡辺雄也】「企業も求職者も可能性を諦めない」という言葉に込めた想い
前回はトーコンエージェントが掲げるスローガン「企業も求職者も可能性を諦めない社会を実現する」が生まれた背景や、そのスローガンのもと実現させたい世界をお伝えしましたが、今回は、目指すその世界をどのように実現していくかをお伝えします。
この記事では、前回に続きトーコンエージェントの発起人、事業責任者を務める渡辺雄也のインタビューをお届けします。
前編:
【エージェント紹介①-前編:事業責任者・渡辺雄也】「企業も求職者も可能性を諦めない」という言葉に込めた想い
前回はトーコンエージェントが掲げるスローガン「企業も求職者も可能性を諦めない社会を実現する」が生まれた背景や、そのスローガンのもと実現させたい世界をお伝えしましたが、今回は、目指すその世界をどのように実現していくかをお伝えします。
斉藤 祐太 Yuta Saito
渡辺 雄也 Yuya Watanabe
トーコンエージェントが掲げる「企業も求職者も可能性を諦めない社会」。
これを実現するためにどのような取り組みを行っていますか?
トーコンがずっと大事にしてきたことですが、まずは企業・求職者双方と密にコミュニケーションを取りながら、軸となる「らしさ」や、実現したい未来、そのために今乗り越えるべき課題などを理解することだと思います。
そして、その「らしさ」を尊重しつつ、実現したい未来を見据えながら、今ある課題をどうやって解消するかを一緒に考え、伴走していく。
非効率かもしれませんが、一人一人、一社一社に合わせたやり方で可能性を高めていくのがトーコンのやり方ですね。
トーコンでは、人材紹介の領域以外でも、「モノ」ではなく「体験価値」を提供することを大事にしていますよね。
商品・サービスももちろん大切なのですが、相手側の視界に立ち、そもそも今解決すべきことは何か、提供すべき価値とは何かを考えるからこそ、可能性も広がるのかなと思います。
言ってしまえば、私たちは人材紹介をサービスとしている部署ですが、提供するサービスは人材紹介とは限らない。
対企業でいえば、トーコンは人材紹介以外にも求人広告やindeedも取り扱っているから、採用に関しては企業毎の課題に併せて最適な手法を提供できる。
また、制作部門もあるため、採用以前に「企業の魅力を正しく発信できていない」という課題があれば、企業ホームページや会社紹介資料などの作成も提案する。
最近では働き方改革や賃上げといった社会的な流れを踏まえ、給与体系や昇給のしくみを気にする求職者も増えているので、評価制度の改善を提案する機会もあります。
その企業に最適な人材を紹介して会社組織を活性化させることももちろんですが、企業の「採用力」を高め、よりその企業で活き活きと活躍できる人と出会えるための土壌を作っていくことも、企業の「可能性を諦めない」ことに繋がっていくと思います。
「採用」を起点に、企業の経営課題や現場課題に入り込んでいくのはトーコンならではの価値提供ですね。
そして、それくらい企業のことを理解できると、求職者側に提供できる価値も深まります。
人材紹介という「点」の取引ではなく、他の領域も含めた「面」の関わりができるからこそ、企業の理解も深まる。
そうすると求職者に企業を紹介する際、経営層の思想や事業方針から、現場社員のリアルな声までお伝え出来るから、スキルや労働条件だけではない、深いレベルでのマッチングが実現できる。
私も日々求職者とコミュニケーションを取っていて、その人の価値観や考え方を理解したときに「あの企業で活躍しそうだな」なんてインスピレーションが湧いてきたりします。
企業理解が強いからこそ「この人はA社にいそう」「この人はB社で活躍できる」というイメージが持てるのですね。
もちろんエージェント1人が担当できる企業の数にも限界があるので、紹介の範囲も「深く、狭く」と思われるかもしれません。
しかし、トーコンには人材紹介部門に限らず、様々な領域で活躍する営業が数多く在籍し、同じように「面」で企業と関わっている。
そこで得られる組織の集合知をもって、1人1人に合わせた最適なポジションを提供できるように、社内の情報共有は活発に行われていますね。
トーコンの営業スタンスと組織力によって、求職者に提供できる可能性が拡がっていくのですね。
また、求職者への価値提供といえるかはわかりませんが、キャリア支援を行う際は、一人一人の可能性を閉じないように「転職=ゴール」だけにならないことを心がけています。
転職活動は、自分のキャリアについて悩みながらも、現状を変えようと一歩踏み出す、その一連の過程にこそ価値があるというのが私たちの考え。
自分を客観的に見直す、次に進む方向を自分で決める、望む環境をつかみ取るために自分を磨く…。
そういったプロセスを通じて自己実現を成し遂げることこそ転職活動の価値であり、それを支援するのが私たちの役目です。
たとえ、転職活動をしてみた結果「転職しない」という選択肢に行きついても、悩んで決断した過程に価値があることには変わらない。
今いる会社でもう少しキャリアを積んだり、環境改善や社内異動を掛け合ってみたり、そういった「転職をしない」という決断も、立派な転職活動の成果だと思います。
私たちが求職者と接するときは「“転職“ではなく、“転職活動“の支援をする」という姿勢を心がけています。
お話をしていて「今はまだ転職をすべきではない」と感じたら、フラットに「転職をしない」という提案をすることもあります。
短期的な視点ではなく、中長期的なキャリア形成を考え最適なキャリアを提案することが、求職者の可能性を拡げていくことだと考えています。
2018年に立ち上がった「トーコンエージェント」。
今年の10月で丸5年となりますが、これまでの4年間を振り返って目指す世界の実現に近づけたという実感はありますか?
私たちの力ではまだまだ価値提供できていない企業/求職者も多く、目指す社会の実現は簡単ではないと日々痛感しています。
しかし、出向時代も含め、長く人材紹介を続けてきた中で、「いい仕事ができたな」と手ごたえを感じる瞬間も多々ありました。
具体的に、印象に残っているお仕事はありますか?
あるシステム会社様と一人の女性のご縁をお繋ぎした時の仕事はよく覚えています。
その企業様は求人広告を大々的に出稿しながら採用活動をしていて、広告上はとても活気があるように見えていました。
私も商談前は、その事前情報を見て、勢いあるIT企業をイメージしていました。
しかし、実際にアポイントで社長にお会いすると、なんだか元気がない。
お話を聞くと、採用がなかなかうまくいかず焦りを感じていらっしゃるご様子でした。
そこで人材紹介も試してみようということで取引を開始。
候補として挙がってきたのは、エンジニア経験のない20代の女性。
彼女は手に職を付けたいという想いからエンジニアを希望していたものの、そこに強い意志があったわけではなく、エンジニアという仕事を具体的には理解できていませんでした。
一方で当時は未経験からエンジニアの受け入れを行う企業も多く、そんな彼女でも数社の内定を獲得。
彼女にとっては、私の担当企業も、数あるIT企業の一社でしかありませんでした。
そんな中で行われた面接。
社長が彼女に対して「エンジニアとして働く自分を想像してごらん」と問いかけたとき、彼女は自分が仕事をする姿を何も思い浮かべることが出来なかった。
そんな彼女に対して社長は紙とペンを取り出しIT業界のマップをその場で描き、業界のこと、エンジニアの仕事の意義や役割など、一つひとつ丁寧に教えてあげたみたいです。
その面接の後、彼女は社長が真剣に自分と向き合ってくれたことへの嬉しさや、自分自身の将来にちゃんと向き合えていなかったことへの反省などから泣いてしまいました。
最終的に、その面接を通じて社長は彼女を採用しようという決断をし、彼女も他の内定を断ってその会社で働こうという決意をしてくれました。
社長の温かいお人柄が伝わるエピソードですね。
求人広告ではかっこいい言葉を並べて、なんとか求職者を集めようとしていたけど、その企業の本質的な魅力は、社長を筆頭に、人と丁寧に向き合う姿勢や温かさにこそあったんだと思います。
そんな社長が1人の採用をきっかけに元気を取り戻し、新しく入社した女性が活躍して、その会社も取引開始当初から見違えるように雰囲気が明るくなりました。
そんな企業の様子を見て、良い仕事ができたなと感じました。
1つの採用をきっかけに、その企業/人が「らしさ」を取り戻す。
個人のキャリア形成や、企業の成長への影響はもちろんですが、違った意味でも「採用」が持つインパクトの大きさを感じます。
他にも、支援した方が転職先でMVPとなり会社の中心人物として活躍しているような事例もあり、こういった報告を聞いたときも、企業/求職者双方に良い介在ができたなと感じます。
その方も最初の面談では、前職の中で将来のキャリアが見出せず、不安で気持ちが後ろ向きになってしまっていたのを覚えています。
その時を思い出すと、彼も転職活動を通じて見違えるように成長しました。
もちろん本人の頑張りがあっての成長ですが、その後押しができたのは嬉しいですね。
トーコンとしては、1つでも多く、このようなマッチングを増やしていきたいですね。
私たちが影響できる範囲はまだ小さいですが、嬉しいことに、採用成功した企業の人事担当者から別の企業をご紹介いただいたり、転職を支援した求職者からお友達をご紹介いただいたりと、私たちの取り組みに価値を感じていただけていると実感できる瞬間も多々あります。
ある転職サイトでは「優良人材紹介会社」にも選出されるなど、対外的な評価もいただき、やっていることに間違いはないと確信しています。
だからこそ、これから更に組織を拡大して、少しずつ影響の範囲を広げていくつもりです。
また、私たちが直接影響できなかったとしても、私たちが支援した企業/人が、「らしさ」を活かしながら楽しく働くことができれば、きっとその熱量が波及して、その先にいる企業/人にも良い影響を与えてくれると思うのです。
そのような形で、少しずつでも着実に「企業も求職者も可能性を諦めない社会」を拡げていきたいと考えています。
デジタル化が進む人材業界ですが、トーコンエージェントのやり方は、企業一社一社や求職者一人一人に合わせた支援を行うアナログな手法。
影響の範囲は小さいかもしれませんが、人を介するからこそ生み出せる可能性を模索しながら、日々の業務に取り組んでいます。
成熟した情報化社会の中、分からないことがあっても調べればあらゆる情報が手に入りますが、それが誰にでも当てはまる答えとは限りません。
人の数、企業の数だけ答えがある。
トーコンエージェントはその答えを探すお手伝いをこれからもしていきたいと思います。
トーコンでは、転職やキャリアに悩む方のご相談を承っております。今まさに転職活動中の方はもちろん、これから転職活動を始める方、転職しようかどうか悩んでいる方、将来的な転職を考えている方のご相談も歓迎です。