【エージェント紹介-前編：事業責任者・渡辺雄也】「企業も求職者も可能性を諦めない」という言葉に込めた想い

• 斉藤 祐太 Yuta Saito

  2015年入社

  2015年、株式会社トーコン入社。
  求人広告の営業を経験したのちに、斡旋Gに移動。
  求職者の窓口として、「とこキャリ」の編集を担当。
• 渡辺 雄也 Yuya Watanabe

  2005年入社

  株式会社トーコンに中途入社。墨田区/江東区を中心に求人広告営業に従事後、大手人材会社に出向。
  人材紹介ビジネスのノウハウを学び、トーコンでの人材紹介事業部を立ち上げる。

企業も求職者も可能性を諦めない社会を実現する

• トーコンエージェントでは「企業も求職者も可能性を諦めない社会を実現する」というスローガンを掲げて日々の業務に取り組んでいます。
  これは渡辺さんがずっと掲げているメッセージですね。

   

  このスローガンに込めた想いをお聞かせいただけますか？

• トーコンでは企業規模や業種、業態を問わず様々な企業様と取引をさせていただいています。
  多くの人事担当者様からよく言われるのが、
  「応募がなかなか集まらないんだよね」
  「良い人は他に行っちゃうんだよね・・・」というお言葉。

   

  労働人口が減少しており採用環境が厳しくなる中、人手不足は多くの企業が抱える重要課題。中小・ベンチャーはもちろんですが、大手企業であっても採用の悩みは尽きない状況です。

   

  厳しい環境とはいえ、採用のプロである以上、そこに可能性を示し続けていきたい。お客様が採用に対してネガティブになってしまっているのを目の当たりにするのは、非常に悔しいし、何とかしないといけないと強く感じます。

   

  トーコンは60年近く多様な企業の採用支援を行ってきました。

  「求職者が知らない会社、初めての仕事と出会い、入社を決め、活躍する」という企業と求職者の出会いをたくさん創出してきた自負があります。
  企業の本質的な魅力を引き出し、正しく情報を伝えれば、知名度や規模に関わらず、その企業で働きたいと思う求職者が現れる。
  その可能性を信じ企業の採用を成功させ、事業活動を共に前に進めていくことこそ、トーコンが果たすべき役割だと思っています。

• 顧客企業に対して可能性を諦めずに示し続けるというのは、人材紹介に限らず、トーコンの全ての事業で大切にしているスタンスですね。

   

  一方で、人材紹介は求職者とも深く関わります。
  求職者にとっての「可能性を諦めない社会」とは、どのような世界をイメージしていますか？

• 悩みが尽きないのは、求職者側も同様です。

   

  たとえば、魅力的なスキルや経験を秘めているのに、様々な要因により評価になかなか繋がらず、行き場に困っている求職者も少なくありません。
  また、一見すると順風満帆なキャリアを築いている方であっても、忙しさや会社の風土に流されて自分の目指したい姿や自分らしさを見失い、働くことに喜びを見出せなくなっているようなケースも見かけます。

   

  履歴書では伝えきれない魅力や適性があるのに、それが評価されずに活躍できないのは、その人にとっても、企業にとってももったいないこと。

   

  企業側と同様に、私たちのような転職エージェントが、求職者一人一人の本質的な魅力を引き出し、企業にお繋ぎすることができれば、個々のキャリアの可能性が広がっていくと思います。
  企業、求職者の双方が「らしさ」を活かした採用・就業を実現できれば、働くことに喜びを感じられる、豊かな社会を作ることができるんじゃないかと思いますね。

転職エージェントの介在価値の大きさ

• このスローガンに辿り着くにあたり、人材会社の大手である会社に出向した経験が大きなきっかけになっていると聞いています。
  出向の中で得た学びや気付きはどんなものでしたか？

• 出向に至るまでは、私はずっと求人広告の営業を経験してきました。
  企業と求職者のベストマッチを実現するために尽力するという点では、求人広告も人材紹介と変わりません。

   

  しかし、出向して人材紹介に関わり、一番大きく違うと感じたのは、応募を集めるだけではなく、面接や内定といった選考の部分にも深く関わること。
  実際に関わってみると、1つのマッチングが生まれるのに、複雑なドラマがある。面接をして○や×を付ける、そんな単純な話じゃありません。

• 僕も人材紹介に関わり始めて、1つのマッチングが生まれるのは決して簡単じゃないと痛感する毎日です。

• 一例として、当時担当していたとある製造会社様のお話をすると…

  その会社は10名ほどの規模で、一見するとどこにでもあるような町工場。
  でも、実際は唯一無二の技術を持っている実はすごい会社で、業績も好調。
  大手企業から直接指名が入ることも多く、ニッチではあるものの、その分野ではトップシェアに位置する会社です。
  だからこそ、技術レベルを落とすことが許されない。
  採用においては、高レベルなエンジニアを採らないといけない。
  そうなると、知名度もなく規模も小さな会社が、大手企業と人材をとり合うような状況になるわけです。

  まず、大手企業と異なり、なかなか求職者に目を止めてもらえません。
  だからこそ、数少ない候補者が挙がってきたときには、私と企業様で話し合い、面接後に社長から求職者様に向けて手紙を書いてもらうなど自社を選んでもらうためにあらゆる取り組みを実践しました。
  そのような地道な取り組みを続けた結果、事業に興味を持ち、想いに共感いただいた求職者様から入社の決断を頂き、無事採用に繋げることができました。

• 渡辺さんの働きかけがなければ、社長は手紙を書いたりしていなかったかもしれないし、それがなければその求職者がその会社に転職することはなかったかもしれない。
  そう考えると転職エージェントの介在価値って大きいですね。

• 採用の裏側で、企業側も求職者側も様々な背景を抱えています。
  このような裏側はエージェントという立場じゃないと、なかなか立ち入ることは出来ない。
  そんな裏側に介在し、両者が歩み寄れる可能性を創り出せるのが、エージェントという仕事の醍醐味であり、強みを発揮できるポイントだと思います。

トーコンエージェントのスタート

• 2年の出向を経てトーコンに戻った渡辺さんは、その1年後にトーコンで人材紹介事業を立ち上げています。
  既に大手を中心に人材紹介会社が多数存在する中、なぜ、改めてトーコンの中で人材紹介を始めたのですか？

• 冒頭の話にも繋がりますが、世の中には採用に苦戦する企業、就職に苦戦する求職者がたくさんいます。
  そんな方々に手を差し伸べられるサービスを立ち上げたいと思い、人材紹介事業をスタートしました。

   

  …というのも、出向先で人材紹介をやっていた時、介在価値や可能性の大きさを感じる一方で、ある疑問も感じていました。

• どのような疑問ですか？

• これは大手だからというのもあるかもしれませんが、私が出向していた会社では「仕組み」がかなり整っていました。
  取引企業も多く求人案件も豊富にあったし、集客力もあって多くの求職者の方がご相談に来ていたので、数多くのマッチングを生み出すことができていました。

   

  一方で、それなのに、なかなかチャンスが回ってこない企業や求職者もたくさんいたのもまた事実でした。
  本当は優秀な求職者、本当は魅力的な企業なのに、その魅力が上手く伝わらないとマッチングがなかなか実現しない。
  そういった現実を目の当たりにし、もどかしさを感じていましたね。

• 仕組みだけでは解決できない問題があるのですね。

• 世の中が仕組み化されていくことを否定するつもりはありません。

   

  今、企業の人手不足や雇用の流動化、働き方改革といった課題と対峙しながら、人材業界は猛スピードで進化している。
  AIによる仕事マッチングが実現したり、企業と求職者が直接繋がるプラットフォームが確立されたり、技術の発達によって以前よりも効率的なマッチングが実現できる環境が整ってきている。
  それはとても素晴らしいことだし、私自身もそういった社会の変化にワクワクしている人間の一人です。

   

  一方で、仕組みの恩恵を受けるたくさんの企業や求職者がいる反面、その仕組みに乗ることができない企業、求職者も確実にいます。
  たとえば、転職はしたいものの、自分が何をしたらいいかわからない、どんな仕事が向いているか分からない求職者。
  他にも、やむない理由が裏側にあっても「早期離職」というだけで、書類上マイナスの印象を与えてしまうような方。
  企業側で言えば、ブランドや知名度がなく、なかなか自社の強みを言語化できず、求職者に認知されにくい会社など。

   

  そんな人/企業と会話を重ね、内面を深く知り本当の魅力を理解して発信することで、テクノロジーでは繋げないようなご縁を生み出す。

  これこそ、トーコンが人材紹介をやる意味だと思います。

  普通に生活をしているとなかなか知る機会のない、中小企業を中心とした幅広い企業のありのままの魅力を引き出し、求人広告という形で表現してきたのがトーコンという会社です。
  そんなトーコンだからこそ、テクノロジーでは焦点を当てることができない、企業や求職者に光を当てることができるのではないかと考えています。