【エージェント紹介③：大場 裕太】求職者の「らしさ」を映す鏡でありたい。

• 斉藤 祐太 Yuta Saito

  2015年入社

  2015年、株式会社トーコン入社。
  求人広告の営業を経験したのちに、斡旋Gに移動。
  求職者の窓口として、「とこキャリ」の編集を担当。
• 大場 裕太 Yuta Oba

  2021年入社

  新卒で独立系Sier企業に入社。
  その後、IT経験を活かしプログラミングスクールへ転職。
  現在はトーコンにてキャリアカウンセラー兼法人営業として人材紹介に関わる。

2回の転職で感じたこと

• これまでインタビューを行った渡辺さん、喜多見さんは、共にトーコンの中で10年以上のキャリアがあるベテランです。
  一方、大場さんは2021年に入社してトーコンの中ではまだ2年目。
  人材業界も初めてということで、2人とは大きく違うバックボーンを持っていると思います。
  まずは、これまでの経歴を簡単に教えてください。

• 私は2回の転職を経験しており、トーコンが3社目になります。
  1社目はシステム会社でSEをしていましたが、システムではなく、自分自身の介在で人のためになる仕事がしたくてITスクールのカウンセラーに転職。
  2社目ではやりがいを持って働いていましたがおりましたが、コロナ禍の影響もあり、やむを得なく企業都合で退職。
  その後も「人」という軸で仕事を探し、トーコンと出会い今に至ります。

  20代で2回の転職と考えると、まさに「若手の早期退職」の当事者でもあります。

• 直近の転職は不本意な事情もあり、苦労もしたんじゃないかと思います。
  実際に活動する上で感じていた苦労はありますか？

• 2社目は自分にとって「ここだ！」と強く思える環境だったので、唐突に次のキャリアを模索しなければならなくなり、迷いや不安は大きかったです。

  ただ、「人の転機に関わる仕事を通じて、意思決定や成長に貢献できる仕事をしたい」というのは前職を選んだ時から明確な軸として定まっており、その流れから必然的に人材業界の求人を見ていました。
  加えて、今後のキャリア形成を考えると、やはり法人営業を経験して幅広く社会経験を積んだ方がプラスになると考えており、法人営業を志望していました。

  そのように、目指したい方向は明確だったのですが、そもそも書類が通らず面接に辿り着けないという点で苦労しました。
  1回目の転職の時はそんなに感じなかったのですが、2社目が早期退職ということになってしまったので、企業からの心証もよくなかったのではないかと、今振り返ると思います。

• 1回目と2回目で明確に差を感じたのですね。
  当時、エージェントは利用していましたか？

• 自分でも求人サイトなどを見て応募はしていましたが、同時に転職エージェントも利用していました。

  複数のエージェントを利用する中で感じたのは、相性の良し悪しなのか、提案に差があるということ。
  良いなと感じるエージェントは、私の目指したいキャリアをちゃんと理解してくれていたと思うし、希望に沿った提案をしてくれていたなと思います。
  逆に合わないと思ったエージェントは、提案していただける求人にあまり魅力を感じませんでした。
  たとえば、法人営業は希望していたのですが、事業内容やサービスが希望からかけ離れていたり、「なんでこの求人を提案しようと思ったのですか？」と聞いてみても、納得のいくような回答を得られなかったり。
  私の経歴では応募できる求人も限られるかもしれませんが、早期離職が続いてしまっている中で、次の仕事は慎重に選びたかった。

  なので、応募する必然性を感じない求人に無理に応募しようとは思えなかったです。

• 仕事選びは人生において大事な決断の機会だと思います。
  納得のいく決断をしないとその後の人生にも色々な影響を与えてしまうと思うので、後悔のない仕事選びをしたいですよね。

• 今、私は転職エージェントとして人に求人を薦める立場になりましたが、その当時の経験もあり、自分の中で「納得のいかない提案はしない」というルールを設け、徹底しています。
  自分が良いと思える提案でなければ、求職者の方にとっても良い選択肢にならない。
  そんな想いを持って仕事に望んでいます。

求職者の鏡になる

• 自信を持ってキャリアの提案を行うために、大場さんはどのようなことを大切に求職者と向き合っていますか？

• 納得がいく提案をするためには、その人のことを深く理解し、将来のありたい姿を知った上で、それが実現できるキャリアを示すことが大切だと思っています。
  そのために、自分自身が求職者にとっての鏡となり、その人の人となりや想い、ありたい姿を映し出すことを心がけています。

• 鏡になるとは？

• やることは、これまでの経歴をお伺いしたり、これまでどんな意思決定をしたのかをお伺いしたりといった、よくあるインタビューと変わらないかもしれません。
  その中でも意識しているのは、その人の会話を反復しながら、自分の歩んできた道や、その時々で感じてきた想いを自覚してもらうこと。

  人生は決断の連続ですが、自分の意志を貫いていく人もいれば、リスクを恐れて本意ではない選択をする人もいます。
  そして、その決断に自信を持っている人もいますが、どこか引け目や後悔を感じながら日々を過ごしている人もいる。

  「どんな決断をしてきたか」「どんな想いで決断をしたか」といった部分には、その人らしさがよく表れると思います。

  その「らしさ」を理解した上で、どんな転職をしたいのかを聞いてみると、自分らしさを貫いた転職を望む方もいれば、「らしさ」に見合わない転職を望む方もいる。

  らしさを貫いている方には、それを活かせる求人をご提案しますが、そうではない人には、まず「らしさ」を自覚していただきつつ、今回の転職では、それを変えたいのか、現状のままでいたいのかを一緒に考えていくことを心がけています。

• 「らしさ」に見合わない転職というのは確かに一定数あるかもしれませんね。

  転職によるキャリアアップや年収アップを成功させる人も増えていると思いますが、周りの転職情報に触れる中で、キャリアアップや年収アップが目的化してしまい、自分が本当にやりたいことを見失っている人も増えているのではないかと思います。

• その通りで、本人が「市場価値を高めたい」「年収を上げたい」と言っていても、お話をお伺いする中で、本当にそうなのかな？と感じることはよくあります。
  そこを一緒に整理して、本当はどんな転職を実現させたいのかを明確にしないと、納得感のある提案にはなりません。
  表面的なニーズを真に受けすぎず、その人の過去・現在を理解した上で、どのような未来に繋げればその人らしい人生に繋がるか、それを心がけてキャリアの提案をしています。

人の成長に伴走したい

• 転職において、人材業界に絞っていたというお話がありました。
  前職もITスクールのカウンセラーを経験されており「人」に関わる仕事をするのが、大場さんの中で大きな軸になっていると思います。
  人に関わりたいと考えるようになった原点は何かあるんですか？

• 学生時代に個別指導塾の講師として働いていた経験が大きいですね。
  当時感じていたやりがいを追い求めて、人材業界にこだわっていた部分はあります。

• 塾講師のバイトはどのようなきっかけでスタートしたのですか？

• きっかけは友だちの誘いで、当初は特に強い動機があったわけではありません。
  人の人生に大きく影響してしまう仕事なので重たく感じて最初はお断りをしたのですが、「そんな風に考えられる人にこそやってもらいたい」と背中を押され、やってみることに。

  「やるからには生徒を志望校に受からせないと」と思い、仕事には真剣に取り組みました。
  しかし1年を終えて、1人だけ志望校に合格できなかったんです。
  その子は「先生ありがとう」とお礼を言ってくれたのですが、その時、とても自分に不甲斐なさを感じました。

  その経験もあって、授業内容を練り直すなど、より一層仕事に力を入れました。
  その中で気付いたんですが、どんなに力を入れて授業を組み立てても、生徒一人一人の気持ちが前を向いていなければ成績は伸びません。
  なので、講師として勉強を教えるだけではなく、前向きに勉強に取り組めるようなコミュニケーションを取らなければいけないと感じました。

  意識していたのは、一人一人に合わせたコミュニケーションを取ること。
  そして、勉強を教えて成績を伸ばすことだけではなく、勉強を通じて「自分に打ち勝つ」「できる自分になる」という成功体験を積んでもらい成長を楽しめるポジティブなマインドを養うこと。

  それを心がけ、生徒とのコミュニケーションを変えていくことで、生徒の目つきが変わっていき、成績はもちろん、精神的にも成長していくのを感じたときはとてもやりがいを感じましたし、生徒の成長に伴走している自分自身にも誇りを持つことができました。
  その時の自分を追い求めて、人材業界を志望しました。

• 大場さんは、ご支援した求職者とも長期的な関係性を築いていますね。
  ご縁を繋いで入社した後も、連絡を取り合っている話をよく聞きます。
  そういった意味では、塾講師時代に培った伴走姿勢は今にも活きているのだと思います。

• ありがたいことに、転職先での活躍の報告などいただける方もいますね。
  言われて印象的だったのは「大場さんはあまり営業っぽくないので安心感がありました」という言葉です(笑)。
  私自身、求職者と企業のご縁を繋ぐのがミッションではありますが、それ以前に人と人であるという前提は大切にしたいと思っているので、今でも連絡をいただけることは大変嬉しく感じます。

「求職者の可能性を諦めないこと」が「企業の可能性を拡げること」に繋がる

• 対個人という点では塾講師やスクールカウンセラーの経験もあり、キャリアカウンセラーのお仕事は楽しみながらお仕事をされている印象を受けます。
  一方、法人営業はトーコンに来て初めての経験だと思いますが、実際に経験してみていかがですか？

• 法人営業に関しては慣れないことの連続で難しさを感じています。
  入社して1年半ほどが経ちますが、未だに試行錯誤の毎日です。

• 大場さんの仕事ぶりを見ていると、確かに入社当初は慣れない中での緊張感や硬さが見えましたが、最近は担当者とのやり取りを楽しんでいる様子も見えます。
  自覚はないかもしれませんが、傍から見ていると成長を感じますよ。

• まだまだ企業の要望に応えられている実感は小さく、もっと頑張らないといけないと思います。
  その中でも、担当者様からは「些細な部分も丁寧に対応してくれている」とお声を頂けることが増えてきたかもしれません。

  やはり「採用」というのは企業にとっても大きな課題ですし、人の人生がかかっている。
  だからこそちゃんとやらないといけないというプレッシャーも強く、選考を進める中で少しでも不安に感じる部分はお客様とコミュニケーションを取るように心がけています。
  些細なところまで気になってしまう自分の性格が、プラスになっているのかもしれません。
  まだ法人営業という点では自信がない部分も大きいですが、それも前向きにとらえて企業様にも求職者様にも、それぞれの力になれるよう心がけていきます。

• 丁寧なコミュニケーションを取っている一方で、企業の採用要件に囚われない柔軟な発想での求職者推薦で、求人企業に様々な角度から提案している仕事ぶりも印象的です。

• お会いした求職者の活躍イメージを感じたら、企業から頂いている採用要件とは多少相違がある方でも、推薦をすることはありますね。

• もちろん、企業の要望も大事だと思いますが、大場さんが採用要件と相違がある方を推薦して、それが採用に繋がっているケースもある。
  そういった意味では、企業が想定していなかった活躍人材を大場さんが切り開いているわけでもあり、企業の可能性を拡げることにも繋がっているとも言えますよね。

• 人の人生がかかっている分、自分が求職者の可能性を閉じてはいけないということは常に意識しています。
  だから、少しでも可能性を感じるのであれば、企業に全力で提案する。
  お客様にはご迷惑をおかけするかもしれませんが、それがお客様の可能性に繋がるのであれば、その姿勢はこれからも大事にしていきたいです。