「期待を抱いて入社したはずなのに、実際に働いてみると理想と違った」

そんな戸惑いを感じた経験、誰もが、多少なりともお持ちなのではないでしょうか?
外側から見るのと、内側から見るのでは、職場や仕事の印象は違うもの。
実際に働いてみないとわからないことも多いので、いわゆる「入社後ギャップ」が発生するのは仕方のないことかもしれません。
しかし、あまりにもギャップが大きいと早期退職にも繋がってしまう可能性もあり、企業にとっても、入社者にとってもメリットはありません。

入社後ギャップにはどんなものがあるのか?
防ぐ手立てはあるのか?

今回は、入社後ギャップの実例と、ギャップを生じさせないための対策をご紹介します。

転職理由としてあげられる入社後ギャップ

転職希望者1000名へのアンケート(トーコン調べ)

弊社が面談した転職希望者へのアンケートによると、転職を検討する理由として、34.9%の方が「業務内容にミスマッチを感じる」、28.4%の方が「社風にミスマッチを感じる」と答えています。
この2つを、より掘り下げてみていきます。

業務内容へのギャップ

「業務内容にミスマッチを感じる」と答えた方の回答内容は様々ですが、
傾向を見ると、大きく分けて下記4パターンに分類できました。

・仕事にやりがいを感じなかった
・思っていた仕事内容と違った
・希望の配属が通らなかった
・キャリアアップが見込めなかった

それぞれ、具体的には下記のような声がありました。

仕事にやりがいを感じなかった

社員同士のコミュニケーションが盛んで、活気ある雰囲気に惹かれて入社しましたが、実際に任された仕事は単調な作業が多くギャップを感じました

仕事を通じて社会の役に立ちたいという想いがあり、社会貢献性の高い事業を展開する企業に入社。
商材やサービスは魅力的でしたが、日々の仕事では自分が社会の役に立っているという実感を持ちづらいと感じました。

思っていた仕事内容と違った

・営業として提案力を磨きたいという想いがあり、幅広い商材を扱う商社に入社。
顧客要望に合わせて最適な商材を提案する営業をイメージしていましたが、実際にはごく一部の限られた戦略商品しか扱えず、提案の型も決まっていたので、自分のイメージとはかけ離れていました。

・会社組織の中で、社員一人一人が活き活きと働ける環境を作っていくことに興味があり、人事職に就きました。
一方で、実際の業務は現場社員の意見が活かされず会社の意向を通す傾向が強く、自分のミッションに違和感がありました。

希望の配属が通らなかった

・成長できる環境を求め、営業職としてベンチャー企業に入社。
しかし、入社後は人員が不足していた違う職職に配属。
仕事自体に
不満はなかったものの、当初の話と違うことに対する会社への不信感はありました。

キャリアアップが見込めなかった

・希望する業界の会社に入ることができ、仕事にも満足感はありましたが、転勤を前提としたキャリアステップだとわかり、自分の希望する働き方とギャップがありました。

・ITスキルを身に着けたいと思いシステム会社に入社。実務の中で学べることも多かった一方で、上流工程に関わるチャンスがなく、次第にもっと成長できる環境に移りたいと思うようになりました。

このように、会社や扱うサービスに興味があり入社したものの、任される仕事にミスマッチを感じたり、仕事自体への満足度は高くても、キャリア制度が整っておらず、5年後、10年後の将来を見通せなかったりといったケースが業務内容へのギャップに繋がっています。

社風へのギャップ

次に「社風にミスマッチを感じる」と答えた方の回答を詳細に見ていくと、
主に、下記のような理由が挙げられました。

・組織風土が合わない
・上司と合わない

こちらも、それぞれの具体例を見てみましょう。

組織風土が合わない

・社会人として成長したいという想いで営業職に。
仕事自体にはやりがいを感じていましたが、会社の体育会系なカルチャーに馴染めませんでした。

・オフィスワークのスキルを高めたく、接客業から事務職に転身。
スキル習得という意味ではやりがいはありましたが、職場内でのコミュニケーションが少ない環境だったため、人との関わりを大事にしてきた自分には、どうしても社風が合いませんでした。

上司と合わない

・人柄の良い社員が多く、その雰囲気に惹かれ入社したのですが、直属の上司とは考え方が合わず、仕事を進める上では戸惑いを感じることが多かったです。

・社長の熱烈なオファーをきっかけに入社しましたが、一緒に働いてみるとネガティブな発信が多い社長で、一緒に働いていくモチベーションを保つことが難しかったです。

スキルアップや待遇を目的に就いた仕事の中で、社風にギャップを感じる方が一定数いる一方で、経営者や在籍社員など「人」をきっかけに入社した方でも、実際に一緒に働く中でギャップを感じるケースも少なからずあるようです。

入社後ギャップを防ぐには

どんな職場も実際に働いてみないと分からないことはたくさんあると思うので、入社後ギャップを0にするのは難しいと思います。
しかし、限りなく0に近づけるための努力は大切です。

仕事選びをする前に是非行ってほしいのは、求人探しや採用面接など、入社に至るまでの過程で、自分が納得いくまで情報収集を行うこと。
求人情報や企業ホームページを見ながら企業の理念やサービス内容、具体的なお仕事内容を把握しつつ、イメージしきれない部分は面接などで積極的に質問しながら情報収集を行いましょう。

近年は企業側もミスマッチのない採用を行うため、お互いを知るための場として、選考とは関係ないカジュアル面談を設ける場合もあります。
そのような機会もぜひ有効活用してみてください。

同時に、ご自身が「絶対に譲れない部分」は何でしょうか。
そもそも転職するのは何のためなのかを明確にし、優先順位を整理しておくことによって、自分にとって本当に必要なことに焦点があっていくのではないかと思います。

本サイトでは、事前の情報収集のやりかたや、面接での質問のしかた、入社前の心構えなどもまとめております。

・事前の企業分析について
【企業分析のやり方】大事なのは「情報収集」ではなく「イメージ作り」!

・面接での質問の質問の仕方について
【人事担当者に聞く"面接対策"-後編】転職は自分の人生の大切な岐路。後悔を残さないために出来ること。

・入社後ギャップに対する心構え
【中途入社でぶつかる壁】入社後のギャップと、それを乗り越えるために持つべき心構え

後悔なくキャリアを築いていくため、ぜひ参考にしてみてください。